海外FXは、ハイレバレッジでの取引や豪華ボーナスキャンペーンが特徴で、ゼロカットシステムがあるため、追証リスクなく取引できる点も魅力です。
一方で、以下のように、海外FXの違法性に関して不安・疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
- 「取引条件がいいけど、違法ではないの?」
- 「IBやアフィリエイトに興味あるけど、違法性は?」
- 「税金を納めないと違法になる?」
この記事では、金融庁の見解も含めながら、違法になる具体例やIB・アフィリエイト・税金についても詳しく紹介しています。
利用する海外FX業者をお探しの方はこちらをご覧ください。
金融庁から警告を受けている海外FX業者は違法?
海外FXの違法性に関して、以下で解説します。
海外FX業者は金融庁から警告を受けている
多くの海外FX業者は、日本の金融庁から警告を受けています。
「金融庁の警告=海外FXは違法?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
事実として、金融庁は2009年から海外FX業者に対して警告を出しています。
金融庁が警告を出す理由は、以下の通りです。
- 海外FX業者は日本の金融ライセンスに登録していない
- にも関わらず、海外FX業者が日本語の公式サイトを作成している
- つまり、海外FX業者は無登録で日本居住者を勧誘している
ただし、金融庁は「違法」という言い方ではなく、「警告」という表現に留まっています。
それは日本の法律では、海外FX業者を取り締まることはできないためです。
実際には違法性が疑われるため、金融庁は警告を出しています。
「日本居住者に無登録で勧誘すると違法」という見解
海外FX業者の違法性に関して、日本の金融庁が公式サイトで出している見解は以下の2点です。
- 金融商品取引法29条で、無登録事業者による国内の金融商品取引業を禁止
- 無登録の海外FX業者による、日本居住者への勧誘活動を禁止
日本の法律では金融庁に無登録(金融ライセンス未取得)のFX業者が営業することを違法としています。
具体的には、「無登録の海外FX業者が日本に居住する日本人に対して勧誘する行為」が違法という見解です。
ただ、日本の法律では海外FX業者を取り締まることができません。
なぜなら海外FX業者は国内に拠点がないため、金融庁の規制の対象外なのです。
例えばアメリカ企業の日本登録法人が日本で違法行為をすれば金融庁は取り締まりが可能ですが、アメリカ企業のアメリカ登録法人が違法行為を行っても日本の金融庁が直接取り締まることはできません。
とは言え、金融庁としても違法性ある事例を看過することもできないため、警告という形をとっているのでしょう。
金融庁に警告を受けている業者とは?
ほとんどの海外FX業者は、金融庁から「無登録の金融商品取引業を行う者」として警告を受けています。
下記は、金融庁から警告を受けている海外FX業者の一例です。
- XMTrading
- Exness
- FXGT
- AXIORY
- TitanFX
- BigBoss
- iFOREX
- IS6FX
- Land Prime
- Three Trader
- IronFX
海外FXは金融庁の登録を受けていないため、大半の業者が警告を受けているのはごく自然な流れと言えるでしょう。
日本人トレーダーに人気のXMTradingやFXGTといった海外FX業者も、金融庁から警告を受けています。
ただし、2022年設立のFinProsのように新興の海外FX業者はまだ金融庁の警告を受けていない模様です。
海外FX業者も違法にならないよう配慮を開始
一方で海外FX業者も金融庁の警告を無視しているわけではなく、最近では一定の配慮を入れ始めています。
金融庁が違法とするのは「無登録で日本居住者に対して営業・勧誘すること」です。
その対策として、海外FX業者では「無登録で日本居住者に対して営業・勧誘はしていない」旨を公式サイトで明記しています。
例えば、FXGTの公式サイトでは、日本の法律に対しての違法性が出ないように以下3点を記載。
- FXGTは日本の金融庁の監督下にない
- 日本に対する金融商品の提供・勧誘と見なされる行為には関与していない
- 公式サイトは日本国内の居住者を対象としたものではない
建前上ではあっても、FXGTとしては「日本居住者を勧誘していない」という立場を明確にしています。
あくまで、海外在住の日本人向けサイトだとアピールしているわけですね。
上記が明記されていれば、金融庁としても海外FX業者の違法性を追求する理由がなくなります。
金融庁からの警告を受けて、海外FX業者も違法にならないよう配慮していると言えるでしょう。
日本人NO.1の人気を誇るXMTradingも、「口座開設した場合はXMTradingの勧誘ではなくご自身の判断で登録したものと見なします」と記載されています。
XMTradingは勧誘していないと明記しているため、上記については金融庁も違法性を問えない状態です。
金融庁も許容の姿勢を若干見せている
前述のように、2009年に金融庁が警告を出して以降、海外FX業者側も違法にならないよう配慮を加え始めています。
海外FX業者の動きを受けて金融庁側も若干ではあるものの規制を軟化。
現在の金融庁公式サイトでは、以下のような記載がされています。
「無登録の海外FX業者でも勧誘行為がなければ、国内居住者の取引を受けることは許容する」という見解です。
海外FX業者へ警告を始めた当初と比較すると、「規制緩和」とまでは言えないまでも、金融庁も少し歩み寄りを見せているのではないでしょうか。
また金融庁は、以下のような見解も公式サイトで示しています。
日本国内の居住者を対象としていない文言が記載されていれば、勧誘行為には当たらない(違法行為ではない)という見解です。
大半の海外FX業者では「日本居住者を勧誘していない」と公式サイトに掲載しています。
そのため、金融庁側も海外FX業者の違法性の追求は避けたいといった感じかもしれませんね。
では、海外FX業者の違法性や経緯について、以下で整理しておきましょう。
- 金融庁は2009年から海外FX業者を無登録業者として警告
- 警告を受けて海外FX業者は日本向け営業・勧誘はしていないと明記
- 上記の担保文言があれば、勧誘行為とは見なさないと金融庁も許容
- 勧誘行為をしていなければ、日本居住者の注文を受ける行為も許容
海外FX業者が違法にならないよう配慮を加えたことで、金融庁も一定の譲歩を見せているのが現状と言えそうですね。
海外FX業者で日本人が取引するのは違法?
ここからは「海外FXを登録・取引すること」の違法性についてを解説していきます。
海外FX業者の利用自体に違法性はない
先ほどは、「海外FX業者の違法性」について解説しました。
では、「海外FX業者で取引することの違法性(トレーダー側の違法性)」はどうなのでしょうか。
結論から言うと、海外FX業者で登録・取引すること自体に(トレーダー側に)違法性はありません。
あくまで違法とされるのは「金融庁に無登録の海外FX業者が、日本居住者へ営業・勧誘する行為」です。
海外FX業者の利用者はむしろ金融庁に保護される立場なので、海外FX業者で取引しても違法とはなりません。
- 「海外FXで取引したけど、実は違法だったの?」
- 「海外FXで取引したいけど、違法か心配で利用できない」
上記のように悩んでいる方は、海外FXで取引することに違法性はないので心配しなくてよいでしょう。
日本国内の法律で規制されていることは?
ただし、海外FX業者を利用するにあたって、日本国内の法律で規制されている内容を知っておくことが重要です。
海外FXに関して日本の法律で規制されていることは、おもに以下の2つ。
- 無登録海外FX業者による国内の金融商品取引業
- 海外FX業者へ直接的に勧誘する行為
上記①は、ユーザー側ではなく、完全に海外FX業者だけに対しての規制ですね。
ユーザー側の規制・違法性でポイントになるのが②のケース。
「海外FX業者へ直接的に勧誘する行為」は、業者だけでなく日本居住者の一個人でもできる内容ですよね。
海外FXで取引すること自体は違法でなくても、個人的に海外FXへ勧誘する行為に関しては違法性を問われることもあり得ます。
海外FX業者で取引する際は、自己責任の範囲内で個人として利用するのに留めておくのが無難と言えるでしょう。
海外FX業者から勧誘を受けたユーザーの違法性は?
現在は海外FXの各業者ともに日本の金融庁の警告や違法性には細心の注意を払っており、電話やメールで直接的に勧誘してくることは考えづらい状況です。
しかし、それでも海外FX業者からユーザーが勧誘を受けた場合、ユーザー側に違法性はありません。
勧誘をする海外FX業者が違法なだけであって勧誘を受けたユーザー側に非はありません。
海外FX業者の勧誘を受けて利用するかは自己判断です。
海外FXに限らず国内FXに関しても、投資リスクを理解したうえで、最終的には自己責任で判断する必要があります。
「海外FXで取引することは違法ではない」という前提のもと、各業者のメリットだけでなくデメリット・リスクも調査・把握したうえで、海外FX業者を慎重に見極めるのがよいでしょう。
海外FX業者が金融庁に登録しない理由
海外FX業者が日本の金融庁に登録しない理由を2つ解説します。
日本の金融ライセンスの取得自体が厳しい
1つ目の理由は、そもそも日本の金融ライセンスの取得自体が難しいため。
海外FX業者には、日本の金融庁から警告を受けた過去があります。
違法行為をしないか目を付けられているということですね。
日本の金融庁のライセンスを取得するためには、国内FX業者であっても、様々な条件・規制をクリアする必要があります。
ただでさえ難易度の高い日本の金融ライセンスは金融庁の厳しい調査・審査を経て、海外FX業者が今から取得するのは困難を極めるでしょう。
海外FX業者が、違法性なく日本国内で自由に営業するためには、少なくとも日本の金融ライセンスによる以下の規制を受け入れなければならないのです。
- レバレッジの規制
- ボーナスキャンペーンの規制
- ゼロカットシステムの規制
①レバレッジの規制
日本の金融ライセンスを取得する場合、「最大レバレッジ25倍」に規制されます。
以前は、国内FX業者でも最大400倍というハイレバレッジ取引が可能でしたが、2011年以降の最大レバレッジは25倍に規制されています。
ハイレバレッジ取引を強みとする海外FX業者にとって、日本の金融ライセンスの「レバレッジ25倍」は受け入れがたい規制と言えるでしょう。
下表は、おもな海外FX業者の最大レバレッジ一覧です。
海外FX業者 | 最大レバレッジ |
---|---|
Exness | 無制限(21億倍) |
FXGT | 5000倍 |
BigBoss | 2222倍 |
easyMarkets | 2000倍 |
Land Prime | 2000倍 |
AXIORY | 2000倍 |
XMTrading | 1000倍 |
IronFX | 1000倍 |
TitanFX | 1000倍 |
ThreeTrader | 1000倍 |
Tradeview | 500倍 |
iFOREX | 400倍 |
ご覧のように、多くの海外FX業者では、国内FX業者とは比較できないほどのハイレバレッジを提供しています。海外FXのハイレバレッジは、日本人ユーザーにとってメリットが多いのも事実。
レバレッジが高ければ、準備すべき資金(必要証拠金)を少なくできますからね。
ハイレバレッジを規制されることは、顧客を確保したい海外FX業者としても非常に厳しい条件と言えるでしょう。
②ボーナスキャンペーンの規制
海外FX業者が日本の金融ライセンスを取得すると、ボーナスキャンペーンも規制されます。
口座開設ボーナス・100%入金ボーナスなど、豪華なボーナスキャンペーンこそ海外FXの魅力ですが、日本金融ライセンス規制下になると、これらのボーナスキャンペーンも大幅に規制されるのです。
厳密には日本の金融ライセンスと言うより「景品表示法」という法律の規制を受けることになります。
では、海外FX業者で開催されているボーナスキャンペーンの一例を見てみましょう。
XMTrading |
|
---|---|
FXGT |
|
国内FX業者では考えられないような内容となっていますね。
ここまで豪華ボーナスキャンペーンを提供できるのは、景品表示法の規制を受けない海外FX業者だからです。
もし日本の金融ライセンスを取得すれば、上記のようなボーナスキャンペーンは、景品表示法の規制により提供できません。
海外FX業者としては、豪華なボーナスキャンペーンを提供することで顧客獲得を図っています。
日本の法律で規制されればその強みを失うことになるわけです。
ボーナスキャンペーンの規制も、海外FX業者にとって受け入れたくない条件と言えるでしょう。
③ゼロカットシステムの規制
日本の金融ライセンス規制下に入ると、海外FX特有の「ゼロカットシステム」も採用できなくなります。
ゼロカットとは、相場急変などによってロスカットが間に合わずマイナス残高になった際に業者側が補填して残高をゼロにリセットしてくれるシステムのことです。
- 国内FX業者:ゼロカットシステムなし
- 海外FX業者:ゼロカットシステムあり
国内FX業者には、金融庁の規制によってゼロカットがありません。
日本の法律・規制は、トレーダーよりもFX会社を守ることを優先していると見ることもできるでしょう。
一方、ほとんどの海外FX業者にはゼロカットシステムがあり、「ゼロカットあり」を売りにできるのも、海外FX業者ならではの強みです。
実際に、2015年のスイスフランショックでは、5分間に2,000pips以上もの大暴落が発生。
システムが追い付かずロスカットが効かなかったため、多くのトレーダーが大きなマイナスを抱えました。
一方、金融庁の規制下にある国内FX業者ではゼロカットがなく追証が発生し、ユーザーは多額の借金を背負うことに。
- ゼロカットシステムあり(海外FX):
入金額以上の借金リスクなし - ゼロカットシステムなし(国内FX):
入金額以上の借金リスクあり
「国内FXは違法性がないから安全」というわけではないことを、ご実感頂けたのではないでしょうか。
「ゼロカットシステム採用」は、海外FX業者にとって信頼性を得るための強みの1つで、日本の管轄下に入ると、その強みを失うことになります。
ゼロカットシステムが規制されることも、海外FX業者にとって大きなデメリットとなるでしょう。
金融庁に登録すると優位性が失われる
海外FX業者が日本の金融庁に登録すると、レバレッジ・ボーナスキャンペーン・ゼロカットシステムなどが規制されるため、優位性を失います。
海外FX業者にとって、ここまで厳しい規制を受けてまで、金融庁に登録するメリットはほとんどないでしょう。
「ユーザーに高スペックの取引環境を提供して、顧客を獲得したい」という思いこそが、海外FX業者が日本の金融庁に登録をしない最大の理由と考えられます。
ちなみに、為替FXではないですが、海外業者が日本の金融ライセンス規制下に入った実例をご紹介しておきましょう。
それは、仮想通貨の海外業者として有名だった「BINANCE(バイナンス)」です。
海外FXトレーダーであっても、名前は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
BINANCEは、仮想通貨の海外取引所として以下のような強みがありました。
- ハイレバレッジ
- 取り扱い銘柄の豊富さ
- 豪華ボーナスキャンペーン
- 各種イベントキャンペーン
しかし、2023年8月1日に「BINANCE JAPAN」として日本の規制下へ移行し、国内取引所と同じ規制を受けることとなり、以前のメリットは失われたのです。
上記のように、海外FX業者が今後金融庁の登録を受ける可能性はゼロではないです。
海外FXで違法と見なされる具体例
ここからは海外FXで違法と見なされるケースを紹介していきます。
税金を納めない(確定申告漏れ)
海外FXで違法になる例として、税金を納めないこと(確定申告漏れ)が挙げられます。
簡単に言えば「脱税」ですね。
海外FXで利益をあげた場合は、雑収入として確定申告を行い、正しく税金を納める必要があります。
下表は、海外FXの利益にかかる税金(所得税)の税率一覧です(所得税以外に約10%の住民税が必要)。
課税所得 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1000円~ 1,949,000円 | 5% | 0円 |
1,950,000円~ 3,299,000円 | 10% | 97,500円 |
3,300,000円~ 6,949,000円 | 20% | 427,500円 |
6,950,000円~ 8,999,000円 | 23% | 636,000円 |
9,000,000円~ 17,999,000円 | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円~ 39,999,000円 | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円以上 | 45% | 4,796,000円 |
海外FXの税金は、利益が増えるごとに税率の上がる「累進課税制」となっています。
国内FXの税金は、一律で「所得税15%・住民税5%」なので、利益が少ないうちは、海外FXの税金のほうが低くて有利となるでしょう。
過去には、海外FXの利益を確定申告せずに、違法となって逮捕された人もいます。
海外FXで税金を払わず違法にならないよう、利益が出た年度は必ず税金の確定申告をしましょう。
IBに無登録での電話・訪問による勧誘
海外FXでは、IBに無登録のまま電話・訪問などの直接的な勧誘をすると違法になります。
違法の対象となる法律は、「金融商品取引法」で、先述の解説でも出てきた「海外FXへの勧誘と見なされる行為」に該当。
海外FXのIBは興味のある方も多いかと思うので、以下で違法性に関して詳しく解説します。
海外FXのIBとアフィリエイトの違い
IBとは、イントロデューシングブローカーの略で、海外FXの紹介エージェントのようなサービスです。
IBは、アフィリエイトの一種ともいえますが、通常のアフィリエイトとIBとでは報酬体系が異なります。
- アフィリエイト:海外FXを紹介してユーザーが利用開始した際に報酬が発生
- IB:海外FXを紹介したユーザーが取引するたびに報酬が発生
アフィリエイトが単発の報酬(CPA報酬)であるのに対し、IBは継続的な報酬を期待できる点が大きな違いです。
IBは違法にならないよう注意が必要
一見すると、海外FXのIBは魅力的に思えるかもしれませんが、「違法にならないこと」に注意を払う必要があります。
結論から言うと、海外FXのIBは、違法対策をしつつ一個人が行うには壁が高いので、やるとしても通常のアフィリエイト程度にしておいたほうが無難でしょう。
海外FXで違法と見なされる勧誘行為には、以下のようなケースが該当すると考えられます。
- 日本居住者へ直接的に勧誘する
- 個別に投資助言をする
- 負けた顧客への補填をする
ブログやHPに海外FXの話題を掲載すること自体は、もちろん違法ではないです。
不特定多数に向けてブログやHPに海外FX関連の記事・IBリンクが貼ってあり、ユーザーが自身の判断で海外FXに登録するという形なら、違法な点は見当たりません。
個人がIBを継続するのは難しい
海外FXのIBの場合は、紹介者が継続的に取引をしてくれなければ、報酬は発生しない仕組みです。
違法にならない範囲で長期的にユーザーをサポートすることは、個人では限界があるでしょう。
「IB報酬を得るためユーザーを継続的にサポートしたい」と思っても、以下のような行為も違法・規制対象になる可能性が高いためです。
- 「今この銘柄を買えば必ず勝てる」という投資助言
- 有料の会員制サロンに誘導して売買の助言をする
- 海外FXの口座開設を条件としてEAを配布する
- 「絶対に勝てる」と謳ってEAを売買する
一昔前、特定の海外FX業者の口座開設をすれば、無料EAを配布するという事例が多く見受けられました。
その後、「海外FXの口座開設縛りのEA配布」は、直接的な勧誘に該当するという見解が拡散し、IB・アフィリエイトをしている方たちも、違法・トラブルにならないよう自重しているようです。
IB(アフィリエイト)の違法性はグレーゾーン
海外FXにおけるIB(アフィリエイト)の違法性は、ややグレーゾーンであると言われています。
アフィリエイト自体は成果報酬制の広告なので、今や多くの方が取り組んでいるビジネスモデルです。
- ブログやHPに広告を貼る
- 読者がクリックして利用客になる
- 成果報酬がキャッシュバックされる
上記のような一般的なアフィリエイトの流れであれば、違法になるようなことはありません。
ただし、海外FXでIB・アフィリエイトをする場合は、その延長戦上で違法行為につながる可能性があるのでご注意ください。
前述の解説でお伝えしたように、「直接的な個別の勧誘・投資助言」は、違法と見なされても仕方のない行為です。
その一方で、上記のような違法行為をせずに、投資助言業に無登録の個人がIBを継続することは、非常に難しいと考えられます。
- IB報酬を得るには継続性が必要
- 継続的に取引してもらうための個別の勧誘・投資助言はできない
「IB報酬の性質」と「違法にならない行為」は、あまり相性がよくない(相反する)という見方もできるでしょう。
2024年時点では、海外FXのIB・アフィリエイト自体には、金融庁は違法という見解は出していません。
しかし、海外FXのIB・アフィリエイトは、「個別・直接的な勧誘」に注意が必要で、合法・違法の境界線が微妙なビジネスであることもたしかです。
今後、海外FXに対する金融庁の見解が変わる可能性もあります。
IB・アフィリエイトが気になる方は、規制緩和されるのか規制が厳しくなるのか、その動向を注視しておくのがよいでしょう。
海外FX取引へ出資を募る行為
海外FX取引に対して、出資を募る行為は違法となります。
いわゆる「投資ファンド」と呼ばれるもので、投資家から資金を集めて海外FXで得られた利益を配分するというもの。
投資ファンド自体は違法ではないですが、金融商品取引法に基づく登録が必須です。
当記事で解説しているように、海外FX業者は金融庁に無登録なので、投資ファンドが金融商品取引法の登録をすること自体が不可能に近いでしょう。
- 「海外FXに投資すれば確実に儲かる」
- 「海外FXに100万円出資したら毎月10万円の分配金がある」
上記のような甘い言葉に乗るのはトラブルの元なので、海外FXへの出資話に乗らないようご注意ください。
そのような勧誘をする投資ファンドは、違法業者と考えられます。
有料会員制サロンでの投資助言
有料会員制サロンで、投資助言業の無登録者が投資助言することも違法です。
「この銘柄を買ったら必ず勝てる」など個別に投資助言をする行為には、金融商品取引法に基づく登録が必要となります。
FXは投資の世界なので、必ず勝てる・儲かるというものではありません。
お金を払って会員制サロンに頼ることのないよう注意しましょう。
EA(自動売買システム)の会員制販売
海外FXでは、EA(自動売買システム)を使って取引している方も多いと思います。
もちろん、EAを利用すること自体は違法ではないのでご安心ください。
しかし、以下のような行為は違法と見なされます。
- EAを会員制で販売・レンタルする行為
- EAを景品として海外FXへ勧誘する行為
EAの会員制販売やレンタルには、投資助言・代理業者の登録が必要です。
なお、個人がEAを作成して、売り切りで販売すること自体は違法ではありません。
海外FX用のEAを販売したい場合は、違法・トラブルにならないよう、あくまで単発のEA販売のみ(販売後の投資助言なし)に留めておきましょう。
コピートレード
以下のような海外FX業者では、コピートレードも提供されています。
- Exness
- AXIORY
- TitanFX
- BigBoss
- Land Prime
- Three Trader
- IronFX
コピートレードは、他のトレーダーと同じ戦略で取引できるシステムで、日本国内で提供する場合には、金融商品取引法の投資助言・代理業者の登録がないと違法となります。
海外FX業者がコピートレードを日本居住者に提供する場合は、上記の登録が必須です。
ただし、建前上であっても海外FX業者は「日本居住者を対象としていない」というスタンスなので、日本の金融商品取引法に従う義務がないということです。
海外FX業者が、海外居住者に対してコピートレードを提供していることや、日本人がコピートレードを利用すること自体は違法にはなりません。
海外FXにおける違法・トラブル時の対処方法
海外FXは自己責任で利用する
海外FX業者は金融庁に無登録のため警告を受けているので、海外FXは自己責任で利用するものだとお考えください。
また、海外FX業者は「日本居住者を勧誘はしていない」と明言し、金融庁もその文言があれば違法な勧誘行為には当たらないという見解を示しています。
ただ、金融庁は海外FXの利用に関して、注意喚起を続けているのが現状です。
海外FX業者で取引すること自体は違法ではないですが、以下のようなトラブルが発生しても、国からのサポートはあまり受けられないと想定しておきましょう。
- 海外FXでの入金・出金トラブル
- 海外FXでの取引の不具合
- 海外FXのIB・アフィリエイト
信頼性の高い海外FX業者を選ぶ
海外FXでトラブルを防ぐためには、信頼性の高い業者を選ぶことも大切です。
信頼性を見るうえで、特に重視したいのが金融ライセンス。
日本の金融庁には無登録であっても、海外で信頼性の高い金融ライセンスを取得・登録していれば、一定の安全性は確保されていると考えられます。
では、信頼性が高いと言われる海外FX業者の金融ライセンスを見ておきましょう。
XMTrading | ・キプロス証券取引委員会(CySec) ・セーシェル金融サービス庁(FSA) ・モーリシャス金融サービス委員会(FSC) |
---|---|
Exness | ・英国金融行動監視機構 (FCA) ・キプロス証券取引委員会(CySec) ・セーシェル金融サービス庁 (FSA) など |
TitanFX | ・バヌアツ金融サービス委員会 (VFSC) ・セーシェル金融サービス庁 (FSA) |
FXGT | セーシェル金融サービス庁(FSA) |
AXIORY | ベリーズ国際金融サービス委員会(IFSC) |
「キプロス証券取引委員会」「英国金融行動監視機構」といった金融ライセンスは、取得難易度が高く世界トップ水準の信頼性を誇ります。
XMTradingやExnessといった海外FX業者は、金融ライセンスから見ても信頼性は高いと言えるでしょう。
一方で、海外FXの中には金融ライセンス未取得の業者が紛れているのも事実です。
信頼性の高い海外FX業者は、公式サイトで金融ライセンス取得状況について記載・解説しています。
海外FXを利用する際は、金融ライセンスを取得しているかを必ず確認しましょう。
トラブルを未然に防ぐよう対策を徹底する
海外FXでは、トラブルを未然に防ぐよう徹底的に対策することも大事です。
海外FXの利用は自己責任なので、ご自身で身を守るようにしてください。
以下のような対策をして海外FXを利用すれば、トラブルを未然に防ぎやすくなるでしょう。
- 信頼できる金融ライセンスを取得しているか確認する
- 知人が実際に利用していて問題ない海外FX業者を選ぶ
- SNSでの評判を事前に見ておく
- 少額入金から海外FXを始める
- 利益が出たらこまめに出金する(一気に大金を出金しようとしない)
海外FX業者の海外での評判を知りたい方は、「FPA」という海外FX掲示板サイトで確認できます。
海外FX初心者であれば、知人が実際に使っていて違法性やトラブルのない業者を選ぶのも1つの方法ではないでしょうか。
IBで違法になる事項を認識しておく
海外FXでIB・アフィリエイトを考えている方は、違法になる事項を認識しておく必要があります。
以下は、IB・アフィリエイトが違法になると考えられる行為の一例です。
- 日本居住者への個別・直接的な勧誘
- 個人的な投資助言
- 有料制会員サロンへの勧誘
- EAの会員制販売
- EAを景品・条件とした海外FXへの勧誘
- 海外FXで負けた顧客への損失補填
違法の対象となる法律「金融商品取引法」では、金融庁に無登録の業者・個人が、直接的に金融商品を勧誘することを禁止しています。
海外FXでIB・アフィリエイトをする場合も、電話・メール・訪問などで直接的・個人的な勧誘はしないようにしましょう。
弁護士など専門家に相談・調査依頼するのも一手
海外FXを利用していて、入金・出金などで大きなトラブルが発生したときは、弁護士など専門家に相談するのも1つの方法です。
専門家が監修した本やネット解説などもありますが、海外FXのトラブル内容は個人によって事情が異なります。
弁護士などの専門家に、詳しく事情を説明して個別に相談するのがよいでしょう。
ただし、専門家は日本国内の法律に基づいてアドバイスすることが大半なので、海外FXの場合、専門家であっても守備範囲外という可能性もあるでしょう。
先ほど解説したように、海外FXのトラブルを未然に防ぐよう、まずはご自身で対策を徹底することをおすすめします。
海外FXの違法性についてよくある質問
ここからは海外FXの違法性に関するよくある質問
海外FX業者で取引することは違法ですか?
いえ、日本国内に居住する日本人トレーダーが、海外FX業者で取引すること自体は違法ではありません。
金融庁が違法という見解を出しているのは、「海外FX業者が日本国内の居住者に勧誘活動をすること」に対してです。
海外FX業者側も、公式サイトで「日本に対する金融サービスの勧誘と見なされる行為には関与していない」と明記しており、一定の合法性を担保していると考えられます。
違法となるのはどんな行為ですか?
海外FXで違法となる可能性が高いのは、以下のような行為です。
- 日本居住者への個別・直接的な勧誘
- 個人的な投資助言
- 有料制会員サロンへの勧誘
- EAを景品・条件とした海外FXへの勧誘
日本の金融商品取引法では、金融庁に無登録の業者・個人が、直接的に勧誘することを禁止しています。
海外FXだけでなく国内FXにおいても、IBやアフィリエイトをする際には勧誘しないよう注意しましょう。
アフィリエイト報酬を得るのは違法ですか?
一般的なアフィリエイト(IB)は違法ではなく、報酬金を得ること自体は合法です。
ただし海外FX業者の場合、金融庁に無登録であるうえ、直接的・個人的に勧誘する行為は禁止されています。
海外FXのアフィリエイト(IB)は、違法ではないものの違法性を疑われやすい面もあるのでご注意ください。
XMTradingは金融庁の警告を受けていますか?
はい、XMTradingは、金融庁に無登録であるため警告を受けています。
ただし、警告内容は「日本居住者に対して勧誘する行為」に対してです。
現在は、XMTradingの公式サイトにも勧誘には関与していない旨が記載されています。
また、XMTradingで取引することは違法ではないので、その点はご安心ください。
IronFXは以前にトラブルがあったのですか?
以前に海外FX業者のIron(アイアン)FXは、日本から一時撤退したことがあり、トラブルがあったという噂の理由となっています。
- IronFXは日本での金融ライセンス取得を目指すも未達成
- 2014年に日本から一時撤退
- 2015年に日本人向けサービス再開
日本から一時撤退するときに、事前予告を見過ごしていた一部トレーダーが強制決済されたと感じたわけですね。
その後IronFXは、英国金融行動監視機構(FCA)・キプロス証券取引委員会(CySec)といった世界トップ水準の金融ライセンスを取得。信頼性の回復を図っています。
まとめ
当記事では、海外FXの違法性について徹底解説しました。
海外FX業者は、日本の金融庁には登録しておらず、以下のような警告を受けているのは事実です。
- 金融庁に無登録でのサービス提供
- 日本居住者への勧誘と見なされる行為
現在は、海外FX業者の公式サイトにおいても、上記に該当しない旨を明記するようになっています。
海外FX業者で取引することは違法ではないですが、自己責任で判断するようにしましょう。
信頼性の高い海外FX業者を選ぶなど、トラブルを未然に防ぐよう対策することが大切です。