長らく続く低金利環境や、資産運用への関心の高まりなどを背景に、ラップ口座を利用する人が増えています。
中でも「みずほファンドラップ」は、国内トップクラスの規模を誇る「みずほ証券」が運用しているとあって、関心を寄せる方も多いでしょう。
しかし、いくら大手金融機関のファンドラップとはいえ、必ずしも運用実績や評判が良いわけではありません。
みずほファンドラップについても、手数料にリターンが似合わないなどの悪い評判が聞かれます。
本記事では、そんなみずほファンドラップが、本当に選ぶに値する優秀な運用先のか、以下の情報を中心に解説します。
- みずほファンドラップとはどのようなサービスなのか
- 過去の運用実績や利用手数料
- みずほファンドラップの評判(メリット・デメリット)
- 他社ファンドラップとの比較
- より収益性と安全性の高い運用をしたい人のおすすめ投資先
みずほ証券以外のファンドラップの評判は以下の記事で解説しています。
みずほ証券「みずほファンドラップ」の仕組みと特徴
まずは、みずほ証券の「みずほファンドラップ」がどのような商品なのか、基本を押さえておきましょう。
※みずほファンドラップの概要や種類について既によくご存じの方は、以下の章 (リンクを押下)からお読みいただいてもOKです。
▶みずほファンドラップのメリット(良い評判や口コミ)
▶みずほファンドラップのデメリット(悪い評判や口コミ)
そもそもファンドラップとは?ラップ口座や投資信託との違い
ファンドラップとは、証券会社などの金融機関と「投資一任契約」を結ぶことで、専門家に資産運用を一任できるサービスです。
ファンドラップを提供する金融機関は、顧客のリスク許容度や運用目標に応じて、複数の投資信託を組み合わせてポートフォリオを構築します。
このポートフォリオに基づき購入した投資信託で運用利益が出れば、そこから手数料や報酬を差し引いた金額が投資家の利益となります。
手数料は掛かりますが、投資家は自分で金融商品を複数選ぶ必要がなく、プロが代わりに運用・管理・見直しを行うため、投資初心者でも始めやすいのが特徴です。
「ファンドラップ」と似た商品に「ラップ口座」や「投資信託」がありますが、それぞれ以下のような特性の違いがあります。
- ファンドラップ
ラップ口座の一種で、運用対象は投資信託のみ。プロが投資家のリスク許容度や目標に合うよう、複数の投資信託を併せてポートフォリオを組み運用。最低投資額は300万円~500万円程度。 - ラップ口座
「ラップ(Wrap)」は「包む」という意味で、顧客の資産運用をプロが包括的に管理するサービスの総称。プロが投資家のリスク許容度や目標に合わせて、株式・債券・投資信託などの多様な金融商品でポートフォリオを作成し運用。最低投資額が数千万円と高額。 - 投資信託: 複数の投資家から集めた資金を株式・債券・不動産投資信託などで運用し、その収益を投資家に分配する金融商品。運用はプロが行うが、投資する投資信託ファンドの選択や売買管理は投資家が自ら行う。最低投資額は数百円程度。
みずほファンドラップのサービス概要
既出の通り、みずほファンドラップは、国内五大証券の一つである「みずほ証券」が運用するファンドラップサービスです。
経験豊富なアドバイザーが、投資家の資産状況やリスク許容度などを丁寧にヒアリングし、顧客の目標に合うように投資信託商品を組み合わせてくれます(=ポートフォリオの作成)。
また、市場環境の変化や顧客の状況の変化に応じて、ポートフォリオを定期的に見直し、リバランスも行います。
サービス利用中は、3ヵ月に一度運用レポートを受け取ることができ、担当者に対面等で質問や相談をすることも可能です。
みずほファンドラップの種類と実績
みずほ証券の「みずほファンドラップ」には2種類の運用タイプがあります。
以下でそれぞれの特徴を見ていきましょう。
ファーストステップ(First Step)
ファーストステップ(First Step)は、投資信託の中でもインデックスファンドを通して、長期的視点に基づき、国内外の資産へ分散投資を行うファンドラップです。
ファーストステップでは、リターンとリスク度ごとに5つの運用コースが準備されています(運用開始後、年8回までコース変更可能)。
各コースの過去5年間の(2019年3月末~2024年3月末)運用パフォーマンスは以下の通りです。
過去1年 | 過去3年 | 過去5年 | |
---|---|---|---|
安定型 | 8.6% (5.4%) | 2.7% (5.1%) | 2.7% (5.8%) |
安定成長型 | 12.8% (6.3%) | 4.9% (6.4%) | 4.8% (7.4%) |
成長型 | 16.5% (7.0%) | 6.9% (7.5%) | 6.8% (9.1%) |
積極型 | 20.1% (7.8%) | 8.3% (8.7%) | 7.8% (10.9%) |
積極拡大型 | 23.6% (8.5%) | 9.8% (9.6%) | 9.4% (12.4%) |
ファーストステップ(First Step)の利用に掛かる手数料は、主には、投資一任契約に係る報酬(基本報酬)と組み入れる投資信託の信託報酬の2種類です。
運用コース | 投資一任契約に係る報酬 | 投資信託の信託報酬 |
---|---|---|
安定型 | 最大 1.21% | 0.08% |
安定成長型 | 最大 1.21% | 0.09% |
成長型 | 最大 1.32% | 0.09% |
積極型 | 最大 1.43% | 0.09% |
積極拡大型 | 最大 1.43% | 0.10% |
※このうち信託報酬率は、投資対象となる投資信託ファンドによって異なるうえ、さらに市場の状況に応じて各投資信託への資産配分が変動するため、正確に表示することは難しく、あくまで目安となります。
みずほファンドラップ(Mizuho Fund Wrap)
みずほファンドラップ(Mizuho Fund Wrap)は、アクティブ運用(※1)を基本とし、Capital Group(※2)の投資哲学に基づいて、キャピタル・インターナショナル株式会社が設定するアクティブファンドに投資を行います。
※1 アクティブ運用‥投資対象資産の市場平均(ベンチマーク)を上回る収益を目標に、特定の銘柄やタイミングを選んで積極的に投資を行う運用手法。
※2 キャピタル・グループ‥1931年より続く世界有数の資産運用会社。株式や債券を中心に、長期的な資産運用に強みを持ち、アクティブ運用の分野で評判を得ている。個人投資家や機関投資家向けに多様なファンドをグローバルに展開。
みずほファンドラップ(Mizuho Fund Wrap)の運用コースもリターンとリスク度によって5段階の設定があります。
みずほファンドラップ(Mizuho Fund Wrap)の過去5年間の(2019年3月末~2024年3月末)運用パフォーマンスは以下の通りです。
過去1年 | 過去3年 | 過去5年 | |
---|---|---|---|
Sコース | 2.3% (5.7%) | -2.2% (5.7%) | 0% (5.3%) |
SGコース | 8.2% (6.7%) | 0.6% (6.9%) | 3.0% (7.4%) |
MGコース | 11.8% (7.6%) | 2.4% (7.8% ) | 4.8% (8.9%) |
Gコース | 16.3% (8.4%) | 4.5% (8.9%) | 6.9% (10.6%) |
AGコース | 20.7% (9.7%) | 6.4% (10.1%) | 8.8% (12.2%) |
みずほファンドラップ(Mizuho Fund Wrap)の手数料も、基本報酬と信託報酬手数料の2種類です。
運用コース | 投資一任契約に係る報酬 | 投資信託の信託報酬 |
---|---|---|
Sコース | 最大 0.660% | 0.50% |
SGコース | 最大 0.660% | 0.57% |
MGコース | 最大 0.770% | 0.62% |
Gコース | 最大 0.880% | 0.66% |
AGコース | 最大 0.880% | 0.69% |
投資信託の信託報酬手数料は、通常、アクティブファンドの方がインデックスファンドより高くなります。
これは、指数に連動するだけのインデックスファンドに比べて、アクティブファンドでは、ファンドマネージャーが市場分析やリサーチを行い、個別銘柄を選んで積極的に売買することで市場平均を上回るリターンを目指すためです。
ファーストステップ (First Step) | みずほファンドラップ (Mizuho Fund Wrap) | |
---|---|---|
最低投資金額 | 500万円~1万円単位 | 1000万円~1万円単位 |
運用方法 | 投資対象資産や投資地域等が異なる 投資信託に国際分散投資 | 投資対象資産や投資地域等が異なる 投資信託に分散投資 |
投資対象 | 主にインデックスファンド | アクティブファンド |
手数料 (税込み・年率) | 基本報酬:時価評価額の最大1.43%※ 信託報酬手数料:0.08%~0.10%程度 | 基本報酬:時価評価額の最大0.88%※ 信託報酬手数料:0.50%~0.69%程度 |
解約方法 | 営業担当者に解約の希望を連絡 運用開始日より3か月経過後から解約可 | 営業担当者に解約の希望を連絡 運用開始日より3か月経過後から解約可 |
付帯サービス | 相続時受取人指定特約 | 相続時受取人指定特約 |
このように、手数料と引き換えにプロに資産運用を一任できる「みずほファンドラップ」ですが、投資家は同サービスをどのように評価しているのでしょうか。
まずは、みずほファンドラップのメリット(良い評判や口コミ)から解説します。
みずほファンドラップのメリット(良い評判や口コミ)
みずほファンドラップのメリット(良い評判)は、以下の5つです。
良い評判①プロに資産運用を任せられる
投資信託はそもそも、資産運用のプロであるファンドマネージャーに運用を託せる金融商品ですが、投資信託の種類は非常に多く、それぞれ特徴やリスクが異なります。
約6000本にも及ぶ投資信託の中から、リスク・リターン・リスク分散を考慮しながらある程度ふるいにかけ、さらに絞った商品の目論見書や運用報告書などを読み込み、最適に良いと思われる商品を選ぶという作業が必要です。
みずほファンドラップを利用すれば、これらの過程全てを経験豊富なアドバイザーが代行してくれるため、時間と労力を節約できます。
また、投資知識が豊富でない方でもプロの専門的な判断に基づいた運用を受けられる点も評判を得ています。
良い評判②分散投資によるリスク軽減
みずほファンドラップは、国内外の株式や債券、不動産などに投資する様々な投資信託に分散投資を行うことで、リスクを軽減します。
分散投資により、特定の市場や資産が下落しても他の資産のリターンで損失を補う効果が期待され、リスクの偏りを避けることができます。市場の動きに左右されにくく、長期的な安定運用を目指すことが可能です。
良い評判③ポートフォリオのカスタマイズが可能
みずほファンドラップでは、投資家のリスク許容度や運用目標に応じてポートフォリオを調整しやすい点も評判です。
たとえば、リスクを避けたい場合は安定志向のポートフォリオ、リターンを重視したい場合は積極型のポートフォリオなど、5つのコースから選択することが可能です。
運用中も必要に応じてコースを変更できるため、ライフステージや経済状況の変化に柔軟に対応できます。
ただし、投資家に合うポートフォリオといっても、一人ひとりに全く違う組合せが提供されるわけではなく、あくまで5パターンの中からの選択になる点に注意。
良い評判④相続時受取人指定特約などの付帯サービス
みずほファンドラップには「相続時受取人指定特約」という付帯サービスがあり、投資家が亡くなった際に、事前に指定された受取人が資産を受け取れるようになっています。
これにより、資産の受け渡し手続きが簡略化され、遺産相続の準備が整いやすくなります。また、家族への資産移転が円滑に行えるため、相続対策としても活用できるのがメリットです。
良い評判⑤全運用の結果が1つの運用報告書で確認できる
みずほファンドラップでは、すべての投資信託の運用結果が統合された運用報告書として提供され、投資家は運用状況やパフォーマンスを一目で確認できます。
資産の動きやポートフォリオの調整内容が詳細に記載されており、投資の成果やリスク状況も把握できます。
みずほファンドラップのデメリット(悪い評判や口コミ)
前述のようなメリットがある一方、ネット上にはみずほファンドラップの悪い評判が溢れています。
なぜみずほファンドラップが叩かれているのか、続いては、デメリット(悪い評判)を見ていきましょう。
悪い評判①運用実績がふるわない
一般的に、投資先を決定する上で最も重要視されるのは「どの程度利益が得られるか」ではないでしょうか。
みずほファンドラップの過去の実績を見ると、「Mizuho Fund Wrap」のSコースを除き、マイナス運用にはなっていません。
しかし、高い手数料を払って専門家にポートフォリオの作成と管理を任せているにも関わらず、利回りが低すぎるという悪い評判が多く上がっています。
比較対象として、国内株式・先進国株式・新興国株式・国内債券・先進国債券・新興国債券・国内リート・先進国リートの8種類の資産に分散投資を行う、人気の投資信託「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」と実績を比較してみます。
「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」は、8種の資産に均等に分散投資することで、リスク軽減を図りながら資産成長を目指す投資信託です(※みずほファンドラップの投資対象に含まれる「コモディティ」は対象外)。
表の通り、過去5年間の年率リターンは、みずほファンドラップの全コースにおいて、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)に劣後してしまっています。
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)ではリスク許容度を自分で選ぶことはできませんが、より低リスクでの運用を望む人は、株よりも債券、海外資産よりも国内資産に重点を置いたバランス型投資信託を利用することも可能です。
残念ながら、みずほファンドラップのこれまでの運用実績からは、収益性の面で投資メリットがあるとは言いにくいでしょう。
悪い評判②手数料水準が高い(運用リターンに見合わない)
先ほどの「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」の信託報酬手数料は、わずか年率0.143%です。
一方、顧客のリスク許容度や運用目標に合わせてポートフォリオを構築するみずほファンドラップの手数料(基本報酬+信託報酬手数料)は、年率1.16%~1.57%です。
1000万円を運用していた場合、年間の手数料の差(最大値)は、
1000万円×(1.57%-0.143%)=142,700円
上記条件で10年間運用を続けたとすると、両者の手数料差は、単純計算で140万円以上の差になります。
このように、みずほファンドラップは高い手数料と引き換えにプロに資産運用や管理を任せる商品です。
個人投資や一般の投資信託では出せないようなリターンを上げてこそ、手数料を払う意味があると言えますが、残念ながらみずほファンドラップのリターンに優位性が見られず、「ひどい運用」など悪い評判が上がるのも理解できます。
悪い評判③最低投資金額が高い
みずほファンドラップの最低投資金額は、ファーストステップ(First Step)で500万円以上、みずほファンドラップ(Mizuho Fund Wrap)で1000万円以上です。
比較的少額から始められる投資信託やその他の投資方法と比べると、まとまった資産を用意する必要があるため、投資初心者や少額投資を希望する方には不評です。
悪い評判④相場下落時の対応力が弱い(下落リスクに弱い)
みずほファンドラップが、様々な資産クラスへ分散投資をしていても、下落相場で完全に下落リスクを回避することは難しく、相場状況が悪ければ大損に繋がる可能性もあります。
理由は、みずほファンドラップの投資先が「投資信託」だからです。
日本の投資家に提供される投資信託は、金融庁から運用規制を受けており、それにより基本「※ロング戦略」での運用が中心で、空売りやレバレッジの利用は制限されます。
そのため特定のリスクヘッジ戦略を取りにくく、相場下落時の対応力が限られてしまうため、上昇相場では利益が出しやすいものの、反対に下落相場では損失を出しやすくなってしまうのです。
コロナショックの発生した2020年には、殆どのファンドラップで8割近くに上る投資家がマイナス収益となりました。
みずほファンドラップの最低投資金額である500万円以上の資金がある方は、ヘッジファンドの利用がよりおすすめです。
ヘッジファンドも、投資家から集めた資金を一括でファンドマネージャーが分散投資し、その成果が投資家に分配されるため、投資初心者や、運用に時間の取れない多忙なビジネスパーソンの方でも手軽に取り組める投資先です。
なぜファンドラップよりヘッジファンドがおすすめなのかというと、ヘッジファンドは投資信託と違い、「絶対収益」を目標に運用しており、高度な投資手法を用いてどのような相場環境でも利益獲得を目指すという特徴があるからです。
具体的には、空売りやレバレッジを活用して、相場の下落局面で利益を狙う「ショートポジション」や、「ロング・ショート戦略」など、多様な手法でリスクを管理します。
これにより、下落相場でも収益機会を得たり、損失を最小限に抑えたりすることが可能になるのです。
このような特性から、ヘッジファンドの利回りは年利10%以上と高く、投資の知識が少ない初心者の方でもプロの手腕で高いリターンを目指せるのが魅力です。
みずほファンドラップと他社サービスをランキング比較
ファンドラップを提供する金融機関は複数存在しますが、サービス内容や運用成績は各社で異なります。
ここでは、大手証券や銀行の提供する、資産規模の大きい6つのファンドラップサービス※について、ランキング形式で比較してみます。
※野村証券・SMBC日興証券・大和証券・三井住友信託銀行・りそな銀行・みずほ証券のファンドラップを比較
参考1:金融庁|2022年末(4)ファンドラップ関連
参考2:日本経済新聞|ファンドラップ、運用益の顧客割合が減少 3月末
1. 預かり資産残高ランキング(2022年12月末時点)
ファンドラップ運用会社 | (単位:100万円) 預かり資産残高ランキング | |
---|---|---|
1 | 野村証券 | 3,151,170 |
2 | SMBC日興証券 | 2,873,307 |
3 | 大和証券 | 2,823,714 |
4 | 三井住友信託銀行 | 1,090,690 |
5 | りそな銀行 | 735,386 |
6 | みずほ証券 | 445,969 |
2. 平均パフォーマンスランキング(2022年12月末時点)
ファンドラップ運用会社 | 過去5年の年率リターン | |
---|---|---|
1 | 大和証券 | ダイワファンドラップ3.4% ※1 ダイワファンドラップ プレミアム 2.4% |
2 | 三井住友信託銀行 | 三井住友信託ファンドラップ 3.1% (※2) |
3 | SMBC日興証券 | エドモンド・ロスチャイルド2.4% |
4 | みずほ証券 | みずほファンドラップ 2.4% (※3) Mizuho Fund Wrap 1.7% |
5 | 野村証券 | 野村ファンドラップ2.1% (※4) 野村SMA (エグゼクティブ・ラップ) 2.2% |
6 | りそな銀行 | りそなファンドラップ 0.2% (※5) |
7 | 三菱UFJ銀行 | MUFGファンドラップ ▲1.0% |
補足事項
※1 大和証券:ファンドラップ・あんしんつながるラップを統合
※2 三井住友信託銀行:三井住友信託ファンドラップ・三井住友信託SMAを統合
※3 みずほ証券:ファーストステップ・マイゴールを統合
※4 野村証券:プレミア・プログラムとバリュープログラムを統合
※5 りそな銀行:スタンダードコース・プレミアムコースを統合
3. 運用損益がプラスの顧客の割合ランキング(2023年3月末時点)
ファンドラップ運用会社 | 運用利益がプラスの顧客割合 | |
---|---|---|
1 | 三井住友信託銀行 | 82.0% |
2 | 大和証券 | 80.7% |
3 | 野村証券 | 75.0% |
4 | SMBC日興証券 | 73.0% |
5 | みずほ証券 | 42.0% |
6 | りそな銀行 | 21% |
7 | 三菱UFJ銀行 | 15% |
上記ランキングを見る限り、大手証券・銀行のファンドラップの中では、大和証券や三井住友信託銀行が比較的パフォーマンスが良いようです。
しかし、上で紹介した「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」の同期間(2022年12月末時点の過去5年間の年率リターン)のリターンが約4%であるのと比較すると、やはり現状ファンドラップに投資する魅力は薄いのではないでしょうか。
みずほファンドラップはどんな人におすすめ?
一般的にファンドラップは、以下のような方がおすすめと言われています。
1. 資産運用を始めたいが、何から始めれば良いか分からない方
2. プロのナビゲートを受けながら、資産運用を行いたい方
3. 長期的な視点で、安定的な資産形成を目指したい方
しかし、現状みずほファンドラップについては、
1. 運用実績がふるわない
2. 手数料水準が高い(運用リターンに見合わない)
3. 最低投資金額が高い
4. 相場下落時の対応力が弱い(下落リスクに弱い)
など、評判は良くありません。
※ファンドラップだけではなく「みずほ証券」自体の口コミ・評判についても辛口の評判が多いようです。
参考:みん評|みずほ証券の口コミ・評判
ファンドラップを利用だけの資産(500万円~1000万円程度)がある方で、かつ投資のプロに運用を一任したい方は、既出のヘッジファンドがよりおすすめです。
高額資産のおまかせ投資なら「ヘッジファンド」がおすすめ
投資のプロに資産運用を一任し、運用成果を投資家に還元するヘッジファンド。
投資家から集めた資金は、ファンドマネージャーが多様かつ高度な投資戦略を用いて運用し、高いリターンを目指します。
投資信託や、投資信託に投資するファンドラップとの大きな違いは、市場環境に関係なく利益を狙う点(=下落相場に強い)。
投資信託では規制の掛かる空売りやレバレッジなどを活用して、下落相場でも利益を狙えるため、投資信託よりも下落リスクに強く、より高いリターンが出しやすいという特徴があります。
以下は国内で投資可能なおすすめヘッジファンドの一例です。
ヘッジファンド | 最低投資額 | 過去の運用実績から見た期待利回り |
---|---|---|
BMキャピタル | 1000万円 *1000万未満も相談可 | 年利10%以上 |
ハイクアインターナショナル | 500万円 | 固定年利12% |
運用開始 | 2013年 |
---|---|
投資対象 | 日本株(バリュー株) |
年間利回り | 平均10%以上 |
最低投資額 | 1000万円 *1000万円未満の相談可 |
ロックアップ期間 | 3ヶ月 *3ヶ月に1回出金、解約が可能 |
資料請求・ 運用の相談 | 無料 |
面談の形式 | オンラインまたは対面 |
公式サイト | BMキャピタル公式サイト |
2013年創業の老舗ヘッジファンド「BMキャピタル」は、運営歴が10年以上あるにも関わらず、運用成績がマイナスになった年が1度もないという安定した運用が魅力です。
運用利回りは、バリュー株投資をメインに平均利回り10%以上。
バリュー株(割安株)は株価の下落リスクが少なく、今後株価が上昇する可能性が高いことから、長期運用によってリターンが得られやすくなります。
ヘッジファンドは一般的に、過去の投資実績や戦略などの詳しい情報を一般公開しないため、問い合わせや面談等を通して情報提供を受けるのが通例です。
面談は無料でセールストークなどはないため、関心のある方は公式サイトから問い合わせしてみるとよいでしょう。
運用開始 | 2023年 |
---|---|
投資対象 | ベトナム企業 |
年間利回り | 12% |
最低投資額 | 500万円 |
公式サイト | ハイクアインターナショナル公式サイト |
ハイクアインターナショナル(以下、ハイクア)は、親会社であるSAKUKO VIETNAM(以下、SAKUKO)への貸付利息を投資家に利益として還元するファンドです。
SAKUKOは、日本製品の販売店やスイーツ店、ホテルを多数展開するベトナムの日系企業です。
ハイクアが利息を投資家に利益として還元する仕組みは、次のとおりです。
ハイクアは金融商品への投資ではなく、経済成長著しいベトナム企業への融資という投資案件です。
そのため、リスクが格段に低く堅実なリターンを期待できます。
ハイクアの最低投資額は500万円で、他のヘッジファンドと比較しても始めやすい金額設定のため、投資初心者におすすめのヘッジファンドです。
みずほファンドラップに関するQ&A
最後に、みずほファンドラップに関するQ&Aを紹介します。
みずほ証券のファンドラップを解約するには?
みずほファンドラップを解約したい場合は、担当のアドバイザーに直接その旨を連絡します。
解約条件は以下の通りです。
- 一部解約および全部解約は、運用開始日から3ヵ月間は行うことができません。
- 解約時に手数料等はかかりません。ただし、お支払いいただいた投資一任契約に関する報酬(最大で約3ヵ月分の報酬)は返金されません。
- 一部解約は、50万円以上1万円単位、かつ解約後の時価評価額が最低契約金額※1を下回らない範囲で行うことができます。
※1 Mizuho Fund Wrap は1,000万円、みずほファンドラップ ファーストステップは500万円- 原則、解約の申し込みを受け付けた日の翌営業日から起算して10営業日以内※2にお取引店口座へ振り替え ます。
※2 投資対象ファンドの換金申し込みができない場合や投資一任契約に基づくリバランス等を実施している場合には、 10営業日を超えることがあります。引用:みずほ証券|重要情報シート(個別商品編)ファンドラップ
NISAやiDeCoは利用できますか?
ファンドラップの投資対象は投資信託(株・債券・REITなどで運用)ですので、経済状況や金融市場の見通しについてアンテナを張っておくことが大切です。
金融市場の価格は常に複雑に変化しているため断定的なことは言えませんが、今後の見通しについて参考となる情報をご紹介します。
GDPの成長が株式市場に及ぼす影響は非常に大きく、一般的には正の相関関係にあると言われています。つまり、GDPが成長すると、株式市場も上昇する傾向があります。
一般的に、政策金利が上昇すると債券価格は下落し、政策金利が低下すると債券価格は上昇するという関係があります。
債券価格が下落した場合、債券型の投資信託のリターンの悪化しやすくなります。
その他、経済・金融市場の見通しに関するより詳細な情報は、「東京海上アセットマネジメント株式会社|経済・金融市場の動向と見通し」などをご参考ください。
なお、紹介の資料は過去の実績および今後の予想であり、今後の値動きを確実に保証するものではありませんので、あくまで投資判断はご自身にご決定ください。
みずほファンドラップの解説まとめ
みずほファンドラップなどのファンドラップを選ぶ理由は、「資産運用をプロに任せて、分散投資により安全性の高い運用をしたい」という場合が多いのではないかと思います。
しかし、みずほファンドラップをはじめとする多くのファンドラップは、リターンに対してのコスト負担が問題視されており、コスト対パフォーマンスがひどいなどの悪い評判が溢れています。
運用をプロに任せたい方の選択肢は、ファンドラップ以外にも多くあります。
よりコストを抑えた運用を望む場合は既出の投資信託への個別投資、また、より安定性と収益性の高い運用を望むなら、柔軟な投資戦略を持つヘッジファンドが有力な候補となるでしょう。
ファンドラップを検討している方は一度立ち止まって、その他の選択肢と徹底的に比較検討されることをおすすめします。