近年、世界経済や世界情勢の不安定さから、安全資産として金投資への関心が強まっています。
中でも注目を集めるのは、株式のように手軽に投資できる「金(ゴールド)ETF」。
現物を保有する手間がなく、少額から始められる点が魅力で、初心者から経験豊富な投資家まで幅広く支持されています。
本記事では、そんな金ETFの仕組みや特徴、日本で投資できるおすすめ銘柄、金ETFの購入に適した証券会社ランキングなど、初心者の方にも分かりやすく解説します。
- 金ETFの仕組み、メリット・デメリット、他の金投資商品との違い
- 日本で取引可能なおすすめ銘柄
- ETFの買い方やおすすめ証券会社
- その他のおすすめしたい投資商品
ゴールドを含む、効果的な資産運用商品をお探しの方は、ぜひご参考になさってください。
金(ゴールド)ETFとは?初心者向けにわかりやすく解説
早速ですが、金ETFとは一体どのような商品なのでしょうか。
よくご存じない方のために、まずは、金(ゴールド)ETFの基本的な仕組みや、投資商品としての「金」の特徴を見ていきましょう。
金ETFの基本の仕組み
金ETFを理解するには、「ETF(上場投資信託)」という投資商品の仕組みを知っておく必要があります。
ETFは、Exchange Traded Fundの頭文字を取った略称で、日本では「上場投資信託」とも呼ばれます。
その名の通り、ETFは一般的な投資信託の特徴を備えつつ、さらに証券取引所にも上場しており、株式のようにリアルタイムで売買できるという特性を持っています。
- 株のように証券取引所に上場しており、取引時間中にリアルタイムで売買可能
- 特定の指数や資産(株式、債券、不動産、商品など)の価格に連動
- 一つのETFで複数の銘柄や資産に分散投資できる
- 一般的な投資信託に比べて運用コスト(信託報酬)が低め
- 対象資産を直接購入するよりも少額から投資できる
金(ゴールド)ETFの場合、金の市場価格に連動して値動きします。
投資家は、金の現物を保有することなく、金価格の変動を活用して利益を出すことが可能です。
金ETFの投資方法
1. 証券口座を開設する
2. 金ETFを選ぶ
3. 購入資金を入金する
4. 金ETFを注文する
5. 一定期間保有・タイミングを見て売却
金市場の特徴
金市場は、投資需要、ジュエリー需要、工業用途、中央銀行の準備資産という4つの主要需要によって支えられ、希少性と供給の制約がその価値を高めています。
金の主要需要のうち、投資需要と中央銀行の金準備で構成される「金の金融市場」の市場規模は、約4.65兆ドルです。(参考:Gold World Counsil ※2021年12月31日時点)
株式や債券のような巨大市場には及びませんが、特定の用途(インフレヘッジ、安全資産、中央銀行の準備資産)に特化した市場としては十分大きく、株式や債券の代替・補完資産として重要な位置を占めています。
金価格の推移と変動要因
では続けて、金市場のこれまでの価格推移を見てみましょう。
以下は、国際的な金の現物価格を米ドル(USD/トロイオンス)で表した推移チャートです。
チャートの通り、金の現物価格は現在、過去最高値付近で推移しており、2000年頃と比較すると約8倍に上昇しています。
金価格は、1980年代初頭にインフレ懸念で急騰した後、2000年代初頭まで安定していました。
その後、2008年のリーマンショックや、イラク戦争などによる地政学的リスクの高まりにより、安全資産としての金需要が増加し価格が上昇しました。
また、新興国の台頭や中央銀行による金の大量購入もその一因です。
2020年には、新型コロナウイルスの蔓延による経済の不確実性や、米中貿易摩擦が影響し、金価格は(当時の)史上最高値の約2,070ドル/トロイオンスを記録しました。
さらに近年では、世界的なインフレの加速や、ロシア・ウクライナ戦争などの地政学的リスク、ドル相場の変動が価格を押し上げています。
ここでは、より分かりやすく、金価格の主な変動要因(上昇要因)を表にまとめてみました。
経済不安 | 金融危機や景気後退時に、安全資産として金需要が増加 |
---|---|
地政学的リスク | 戦争や政治的緊張が高まると、安全資産として金需要が増加 |
インフレ | インフレが進むと、実物資産である金需要が増加 |
ドル相場 | 金はドル建てで取引されるため、ドル安は金価格を押し上げる要因に |
中央銀行等の金保有 | 各国中央銀行が準備資産として金を購入する場合、価格の上昇要因に |
代替資産の動向 | 株式市場や仮想通貨が不調な場合、資金が金に流入し価格の上昇要因に ※一方、債券等の金利が上昇すると、利息を生まない金から資金が流入し下落要因に |
反対に、表内の状態とは逆の状態になると、金の価格は下落しやすくなります。
金ETFとその他の金投資商品の違い
前述のような金の価格変動を利用し利益を得るのが、「金投資」です。
ここでは、「金投資」の方法として一般的な、金現物投資・純金積立・金の投資信託・金先物取引と、金ETFの違いを解説します。
「金ETFとその他の金投資商品の違い」についての説明が不要な方は、
「金ETFに投資するメリット・デメリット」へお進みください。
金現物や純金積立との違い
金現物投資は、金地金(インゴット)や金貨を購入して所有し、金の相場が上がったタイミングで業者に売却する投資方法です。
「現物を購入し保有する」という点が、金ETFとの大きな違いです。
現物資産としての安心感を得られる一方、金現物の自宅保有は盗難や災害リスクが伴うほか、業者の保管サービスを利用すると、購入金額の0.1%~0.5%程度の保管コストがかかります。
また売却時に手間がかかったり、流動性が低い場合があることにも注意が必要です。
一方、純金積立とは、投資家が一定の金額を毎月積み立てることで、金を少しずつ購入していく投資方法です。
月々1000円程度~と、金現物よりも少額から金を購入できるのが純金積立の魅力です。
金現物の購入は地金商や貴金属メーカーから、純金積立は貴金属メーカー、証券会社などで始められます。
最近では、SBI証券・楽天証券などのネット証券でも、金現物の購入や純金積立が可能になっています。
参考:SBI証券の金・銀・プラチナ 4つの魅力
参考:楽天証券の金・プラチナ取引
金の投資信託との違い
金の投資信託とは、金現物や金関連資産(金鉱株や金の先物など)を投資対象とする投資信託のことです。
金投資信託では、金現物の実際の保有はなく、複数の投資家から集めた資金を専門の運用会社が運用し、運用で得た利益が投資家に還元されます。
運用を運用会社に任せるため、信託報酬という年間コストが発生します(金ETFよりも高め)。
金の投資信託のメリットは、数千円程度の少額から始められ、一つの投資信託を購入するだけで、幅広い金関連資産に分散投資できる事。
逆にデメリットは、非上場である投資信託の価格は1日1回の基準価額で決定されるため、上場投資信託である金ETFのようにリアルタイムで取引することができない点です。
金投資信託は、主に証券会社や銀行等で購入します。
金投資信託例:SBI・iシェアーズ・ゴールド、三菱UFJ純金ファンド(ファインゴールド)等
金先物取引との違い
金先物取引とは、限月と呼ばれる将来の特定の日に、予め決めておいた価格と量で金を売買する取引です。
実際に金を保有するわけではなく、金価格の変動を利用して利益を狙います。
「2ヶ月後に金1枚(1000g)を10,000円/gで買う」という契約で売買したとすると、
▶2ヶ月後に金が10,200円/gに上昇した場合
差額の200円/g×1000g=200,000円が利益に
▶2ヶ月後に金が9,800円/gに下がった場合
差額の200円/g×1000g=200,000円が損失に
※コスト及び税金は考慮外
※金先物取引は、売り・買いのどちらからでも取引できるため、市場動向を予測してポジションを選べます。
金先物取引では、レバレッジ取引を利用できるため、少ない資金(必要証拠金)で大きな取引を行うことも可能です。
とは言え、金標準先物は、取引単位が1kg(1000g)と大きく、必要証拠金も高額です。
個人投資家向けの金ミニ先物であれば、取引単位が100gと小口化されているので、必要証拠金も金標準先物の10分の1と比較的少額から投資できます。
金先物取引を行うには、証券会社や商品先物会社に商品先物取引の口座を開設します。
楽天証券を例に挙げると、金標準先物の最低証拠金額は518,000円、金ミニ先物の最低証拠金額は51,800円程度です。
(2024年12月30日時点 参考:楽天証券)
なお、先物取引には売買手数料がかかります。楽天証券の場合、金標準先物は片道250円+消費税/1枚、金ミニ先物は片道77円+消費税/1枚です。
金ETFとその他の金投資商品の違い(まとめ表)
金ETF | 金現物 | 純金積立 | 金投資信託 | 金先物 | |
---|---|---|---|---|---|
投資方法 | 金価格に連動する 上場投資信託を購入 | 金実物を購入・保有 | 積立方式で金を保有 | 金関連資産に 投資する 投資信託を購入 | 将来の価格で 金を取引 |
最低投資資金 | 数千~数万円 | 数万円~ | 毎月1000円程度~ | 数千円程度 | 数万円~数十万円 |
保管方法 | 証券口座で管理 (現物保有なし) | 手元または 業者の保管サービス | 業者の保管サービス | 証券会社で管理 | 証券口座 |
流動性 | 高い (即時売買可能) | 中程度(売却に 時間がかかる 場合あり) | 低め(現物引き出し に時間かかる 場合あり) | 中程度(1日1回の 基準価額で売買) | 高い (即時決済可能) |
手数料 | 信託報酬(年率) 0.1%~0.55%程度 売買手数料 | 購入・売却手数料や 保管コストが発生 | 積立手数料 口座管理手数料 年会費などが発生 | 信託報酬(年率) 0.2%~2%程度 売買手数料 | 取引手数料 |
盗難リスク | なし | あり | なし | なし | なし |
税金 | 譲渡所得として 分離課税の対象 | 譲渡所得税が発生 ※50万円の特別控除あり | 譲渡所得税が発生 ※50万円の特別控除あり | 分配金と売却益に 譲渡所得税が発生 | 雑所得として申告分離課税の対象 |
金投資にかかる費用は、商品や選ぶ業者によって異なりますが、
一般的にはコストの高い順に「金現物」・「純金積立」→「金投資信託」→「金ETF」→「金先物」となります。
それぞれの特徴やコストを理解し、目的に合った投資方法を選ぶのがおすすめです。
金ETFに投資するメリット・デメリット
既出の様々な金投資商品の中でも、投資初心者が手軽に投資しやすいのが金ETFです。
ここでは、金ETFのメリットとデメリットをご紹介します。
金ETFのメリット
1. 手軽に投資できる
金ETFは、証券会社で口座を開設すれば、ネットを通じていつでも簡単に売買できます。
また数千円~数万円程度の少額から投資できるため、初心者でも始めやすい商品です。
2. コスト効率が良い
金ETFでは、基本的に現物の金を保有しないため、金現物の割高な購入手数料や保管コストが掛かりません。
また、類似の仕組みを持つ投資信託と比較しても、金ETFの方が信託報酬が低い場合が多いです。
3. 資金の流動性が高い
金ETFは、証券取引所の取引時間内であればリアルタイムで売買可能です。
4. リスクを分散できる
金は、株式や債券などの各種資産と低相関である(資産同士の価格変動が連動しにくい)ため、ポートフォリオに金を含めることでリスク軽減が期待できます。
また金ETFは投資信託とは違い、「売り」から取引に入ることができるため、価格変動リスクの軽減に繋がります。
5. 今後の見通しが良好
金市場については将来的に堅調な見解を示す専門家が多いです。理由は以下の通りです。
金は地政学リスクへの耐性に優れた資産です。
昨今のウクライナ紛争や中東情勢の不安定化により地政学的緊張が増大する中、安全資産である金への需要が高まっています。
近年、中国、ロシアを初めとする各国の中央銀行が、外貨準備の代替資産として金を購入する動きが加速しています。
各国の中央銀行の金需要の変化を見ると、2022年より中央銀行の金需要が約2倍に増えている様子が分かります。
各国の外貨準備の多くは、国際取引の基軸通貨である米ドルで構成されています。
しかし、過度な米ドル依存は、ドルの価格変動リスクを直接受けてしまう可能性があります。
経済制裁への対策としてもドル依存を避ける動きが広がる中、リスク分散の手段として金が重要な資産として注目されており、金価格の底支えとなっています。
無利息資産である金は、高金利環境では魅力が薄れますが、金利が低下すると、相対的に関心が高まります。
FRBは、2024年に複数回の利下げを実施し、今後も追加の利下げが予想されています。
また国内では、日本銀行の継続的な金融緩和政策により、円安が進行しています。
金価格は通常、1トロイオンスごとの米ドルで表示されており、国内で公開される円建てやグラム単位の金価格も、米ドル建ての価格を為替レートを用いて計算したものです。
そのため、円安が進むと国内での金価格の上昇に繋がります。
近年、電子機器や再生可能エネルギー関連技術の進展に伴い、金の工業用途での需要が増加しています。
金は地球上で採掘可能な量が限られており、新規鉱山の発見が減少しているため、供給を大幅に増やすことは難しい状況です。
希少性の高い資産に対する需要が供給を上回る場合、価格が下支えされ、さらに上昇する可能性があります。
これらの要因が複合的に作用し、金市場の先行きに対する楽観的な見方が強まっています。
※ただし市場は多様な要因によって変動するため、投資判断の際には最新情報の収集を徹底し、慎重に判断されることをおすすめします。
金ETFのデメリット・注意点
1. 元本保証ではない
金ETFは市場価格に連動する金融商品であり、銀行預金や債券などのように、投資した元本が戻る保証はありません。
金価格の変動により、投資額が減少するリスクがあるほか、短期的な大きな価格変動が起こった場合、元本割れの可能性がある点に注意が必要です。
2. 投資コストが掛かる
金ETFの信託報酬(年率0.1%~0.55%ほど)は、株式ETFの信託報酬(年率0.03%〜0.5%程度)と比較すると高めです。
特に信託報酬は投資金額に対して継続的に発生するため、長期保有の場合、リターンに影響を与える可能性があります。
また金ETFの購入・売却時には売買手数料が掛かります。
SBI証券や楽天証券など、証券会社によっては売買手数料が無料になる場合があるので、購入前に確認・比較するのがおすすめです。
3. 分配金や配当は得られない
金は、株式の配当や投資信託の配当金、債券の利息のような定期収入を生まない無利息資産です。
金ETFに投資してもインカムゲインは得られないため、利益を上げるには金価格の値上がり(キャピタルゲイン)を期待するしかありません。
4. 価格の変動要因が限定的
前述のように、金は配当や分配金を生まないため、価格変動を利用した売買益でしか利益を得ることはできません。
しかし、平常時における金の価格変動は、他のリスク資産と比較すると大きくはありません。
そのため、経済が安定している場合や金利が高い環境では、リターンが低迷する可能性があるのです。
以下の表は、金相場が好調に推移した過去5年間と、相場が安定していた2024年~2018年の5年間の、金・TOPIX・S&P500のパフォーマンスを示したものです。
金価格 | TOPIX | S&P500(円建て) | |
---|---|---|---|
2020年~2024年末 (金相場好調期) | 約+137% (年27.4%程) | 約+65% (年13%程) | 約+163% (年32.6%程) |
2014年~2018年末 (金相場安定期期) | 約+9% (年1.8%程) | 約+22% (年4.4%程) | 約+51% (年10.2%程) |
平常時における金価格の変動が非常に小さいことがよく分かります。
金ETFでは信託報酬も発生するため、このような場合、長期保有中にコストがリターンを圧迫する可能性も考えておかなければなりません。
金ETFは、リターンを最大化する目的よりも、ポートフォリオ全体のリスクを分散する役割として、ポートフォリオ全体の2.9%~9.4%程度に配分するのがおすすめです(参考:Gold World Counsil)。
日本で買える金ETFのおすすめ銘柄を比較紹介
日本の証券会社を通して購入できる、金価格に連動するETFは8銘柄あります。
2024年12月30日時点で、国内ETF5銘柄(うち1銘柄は2025年1月16日上場予定)、海外ETF3銘柄です。
(備考)
日本で購入できる金関連のETFには、金価格ではなく、金鉱山企業の株価に連動するETFもあります。
【GDX】ヴァンエック・ベクトル金鉱株ETF
【GDXJ】ヴァンエック・ベクトル中小型金鉱株ETF etc..
これらのいわゆる金鉱株ETFは、金価格の変動以外に、企業の運営状況や市場環境によっても影響を受けるため、分散投資の観点で純粋な金の価格連動を求める投資には、個人的におすすめはしません。
信託報酬 | 対象指数 | 取引価格 24/12/30時点 | 純資産総額 24/12/29時点 | NISA口座可否 | |
---|---|---|---|---|---|
【1326】SPDRゴールド・シェア | 0.40% | 円換算した 金地金価格 | 38,230円 | 11.6兆円 | NISA成長投資枠 |
【1328】NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信 | 0.55% | 1gあたりの 円表示の金価格 | 10,015円 | 156.7億円 | NISA成長投資枠 |
【1540】純金上場信託 (現物国内保管型) | 0.44% | 円・g単位 の金価格 | 12,495円 | 5,074.2億円 | NISA成長投資枠 |
【1672】WisdomTree 金上場投資信託 | 0.39% | 金地金価格 | 38,690円 | 7,683億円 | 不可 |
【314A】iシェアーズ ゴールド | 0.22% | 円換算した 金地金価格 | 2025年1月16日上場予定 | NISA成長投資枠 |
信託報酬 | 対象指数 | 取引価格 24/12/30時点 | 純資産総額 24/12/29時点 | NISA口座可否 | |
---|---|---|---|---|---|
【GLD】SPDRゴールド・シェア | 0.40% | 金地金価格 (ロンドン午後金値決め) | 240.6 USD | 735.4億USD | NISA成長投資枠 |
【GLDM】SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト | 0.10% | ロンドン金価格 | 51.65 USD | 92億USD | NISA成長投資枠 |
【IAU】iシェアーズ ゴールド・トラスト | 0.25% | COMEX 金先物 | 49.22USD | 329億USD | NISA成長投資枠 |
以上の8銘柄のうち、最もおすすめするのは以下の2銘柄です。
おすすめ銘柄1.国内ETF 【314A】iシェアーズ ゴールド
おすすめ銘柄2.海外ETF【GLDM】SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト
おすすめ銘柄1. 【314A】iシェアーズ ゴールド(NISA成長投資枠)
iシェアーズ ゴールド(銘柄コード:314A)は、ブラックロックが提供する金ETFで、金現物を保有することで、LBMA金価格(円換算ベース)に連動する運用成果を目指します。
2025年1月16日に東京証券取引所に上場予定で、円建てで取引が可能です。
iシェアーズ ゴールドをおすすめする理由は、信託報酬が国内のその他の金ETFと比較して低いことです。
国内の金ETFは、対象指標に若干の違いはあるものの、どれも国際的な金価格に連動しているため、運用パフォーマンスに大きな違いが生じにくいです(下図参照)。
運用パフォーマンスが似たり寄ったりであれば、投資コストが安い方が手元に利益が残りやすくなります。
iシェアーズ ゴールドはまだ未上場ですが、世界最大級の資産運用会社であるブラックロックが提供するETFであることを考えると、取引開始後の流動性や安全性の面で大きな問題はないと予想されます。
NISA成長投資枠にも対応予定ですので、長期的にコストを抑えた効率的な金投資を行いたい人におすすめです。
おすすめ銘柄2. 【GLDM】SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(NISA成長投資枠)
SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(ティッカーコード:GLDM)は、ステート・ストリートが提供する金ETFで、こちらも金地金価格(ロンドン金値決め)に連動する運用成果を目指します。
日本で購入可能なステート・ストリート社の金ETFには、この他にも2種類があります(下表参照)。
【GLDM】SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト | 【GLD】SPDRゴールド・シェア | 【1326】SPDRゴールド・シェア | |
---|---|---|---|
信託報酬 | 年0.1% | 年0.4% | 年0.4% |
運用実績 | 過去1年:27.08%/年 過去3年:12.65%/年 過去5年:11.40%/年 2025/01/03時点 | 過去1年:26.66%/年 過去3年:12.29%/年 過去5年:11.11%/年 2025/01/03時点 | 過去1年:40.63%/年 過去3年:25.50%/年 過去5年:19.66%/年 2024/12/30時点 |
売買手数料 | SBI・楽天・マネックス証券なら 買付手数料が無料 (NISA口座なら売買手数料無料) | SBI・楽天・マネックス証券なら NISA口座で売買手数料無料 | SBI・楽天・マネックス証券なら NISA口座で売買手数料無料 ※SBI証券のインターネットコースや、楽天証券のゼロコースならNISAを利用しなくても売買手数料無料 |
為替手数料 (スプレット) | SBI:無料 楽天:無料 マネックス:買付時無料(売却時25銭) | SBI:無料 楽天:無料 マネックス:買付時無料(売却時25銭) | 不要 |
SEC Fee (米国現地証券取引所手数料) | 海外ETF(米国)株売却時のみ、別途現地手数料が発生 現地手数料(24年5月20日時点):ドルの約定代金×0.0000278米ドル(米セント未満切り上げ) 例:約定金額が2500ドルなら 0.0695ドル(= 約7セント) | 不要 | |
外国株取引口座 | 必要 | 必要 | 不要 |
為替リスク | 直接的に負う | 直接的に負う | 間接的に負う |
【GLDM】と【GLD】は、ニューヨーク証券取引所に上場するドル建てETF、【1326】は東証に上場している円建てETFです。
いずれも金地金価格に連動するため、パフォーマンス面に大きな違いは出ませんが、円建ての【1326】は昨今の円安の追い風を受けてリターンが膨れています。
(※ドル建ての海外ETFも、後々、円高や円安のタイミングを見計らって有利なレートで円に換金することが可能です)
ドルベースの運用パフォーマンスに大差がないのであれば、個人投資家であればコスト面で有利な【GLDM】がおすすめです。
【GLDM】の信託報酬は0.1%と非常に安く、他2銘柄と0.3%のコスト差があります。
仮に【GLDM】と【GLD】それぞれ2500米ドルを投資したとすると、年間7.5ドルほど信託報酬に差が出ます。
【GLDM】SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラストの年間信託報酬:2.5ドル/年間
【GLD】SPDRゴールド・シェアの年間信託報酬:10ドル/年間
ちなみに海外ETFの取引には、国内の取引手数料(売買手数料)の他に、円⇔外貨の為替手数料や、現地証券取引所手数料もかかります。
ただし、SBI証券や楽天証券などでは、円⇔米ドル間の為替手数料が無料に出来るほか、現地証券取引手数料も気になる額ではない(上、表内参照)ので大きな障害にはならないでしょう。
金ETFの購入におすすめの証券会社ランキング
金ETFを取引する証券会社を決める際は、取引手数料や取扱銘柄、サービス内容などを総合的に考慮する必要があります。
コストの安さ・投資機会の多さ・投資のしやすさの点でおすすめなのは、SBI証券・楽天証券・マネックス証券の3社です。
1. 楽天証券 | ・金現物・純金積立・金の投資信託(7銘柄)や先物取引も可能 ・取り扱う資産や銘柄が多い ・NISA口座なら国内外ETFの売買手数料無料(一部の海外ETFは一般口座でも買付手数料が無料) ・海外ETF利用時の米ドル/円(買付時・売却時)の為替手数料も無料 |
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2. SBI証券 | ・金現物・純金積立・金の投資信託(13銘柄)が利用可能 ・取り扱う資産や銘柄が豊富 ・NISA口座なら国内外ETFの売買手数料無料(一部の海外ETFは一般口座でも買付手数料が無料) ・インターネットコースなら、海外ETF利用時の米ドル/円(買付時・売却時)の為替手数料も無料 |
3. マネックス証券 | ・金現物・純金積立・金の投資信託(8銘柄)が利用可能 ・NISA口座なら国内ETF・海外ETFともに売買手数料が無料 ・「米国ETF買い放題プログラム」の対象銘柄は口座に関わらず買付手数料が無料 ・為替手数料は、買付時は無料、売却時は25銭 |
1. 楽天証券
楽天証券では、様々な取引で楽天ポイントの還元を受けることができ、1ポイント1円として投資に利用できるため、ポイントを貯めながら投資を進められます。
金投資関連商品としては、国内外の金ETFのほか、金現物・純金積立・金の投資信託や先物取引も可能です。
楽天証券の金ETFでは、NISA口座の利用で国内外ETFの売買手数料が無料になるほか、ゼロコースならNISAを利用しなくても国内ETFの売買手数料が無料です。
米国ETFの取引手数料は約定代金の0.45%(税込0.495%)で、上限は20ドル(税込22ドル)と設定されていますが、「【GLDM】SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト」を含む、一部の海外ETF銘柄は買付手数料が無料です(参照:楽天証券)。
また、米ドル/円(買付時・売却時)の為替手数料はどの口座でも無料になります。
2. SBI証券
SBI証券は、ネット証券国内株式個人取引シェアNo.1で、圧倒的なシェアを占めているネット証券です。
国内外の金ETFを幅広く取り扱っており、金以外にプラチナや銀ETFなども取り扱っています。
金に関連する商品としては、国内外の金ETFのほか、金現物・純金積立・金の投資信託が可能です。
SBI証券の金ETFでは、NISA口座の利用で国内外のETFの売買手数料が無料です。
またNISA口座でなくても、インターネットコースなら売買手数料無料で国内ETFの取引が可能です。
米国ETFの通常の取引手数料は、約定代金の0.45%(税込0.495%)で、上限は20ドル(税込22ドル)と設定されていますが、一部の海外ETF銘柄は買付手数料が無料になっています(参照:SBI証券)。
さらに、インターネットコース利用であれば、米ドル/円(買付時・売却時)の為替手数料も無料です。
※対面コースなどのコースによっては、これらの手数料無料サービスが対象外になる場合があります。
3. マネックス証券
マネックス証券は、多様な金ETFを取り扱い、情報提供や分析ツールが充実。
初心者から上級者まで幅広い投資家に対応したサービスを展開しています。
国内ETFの売買手数料は、取引毎手数料コース(現物取引)と一日定額手数料コースが設定されていて、それぞれの取引手数料は以下の通りです。
米国ETFの取引手数料は、約定代金の0.45%(税込0.495%)で、最低手数料0米ドル、上限は20ドル(税込22ドル)。為替手数料は、買付時は無料、売却時は25銭です。
ただし、NISA口座なら国内ETF・海外ETFともに売買手数料が無料です。
また「米国ETF買い放題プログラム」の対象銘柄であれば、NISA口座でなくても、買付手数料が無料になります。
金ETF以外におすすめの投資先は?「ヘッジファンド」の魅力を解説
金ETFは安定的な資産運用先として人気ですが、それ以外にも投資機会を広げたいと考える方に注目されるのが「ヘッジファンド」です。
ヘッジファンドは、投資家から運用資金を預かり、高度な運用スキルを持つプロフェッショナルが多様な運用手法や投資対象を駆使して運用を代行します。
個人投資家が直接アクセスしにくい特殊な市場や投資機会にもアクセスするため、個人では得られない高いリターンが期待できます。
具体的には、株式や債券、不動産、コモディティ、オプションなど、多様な資産に分散投資しながら、一般的な投資信託では利用制限の掛かるような高度な投資戦略を用いて、上昇局面でも下落局面でも利益を狙える運用を行います。
このような特徴から、ヘッジファンドは、高い投資技術と柔軟性を用いたリスクヘッジや、下落相場での耐性の強さで知られています。
株や債券などの伝統資産や金の他に「オルタナティブ投資」のヘッジファンドを併用することで、投資ポートフォリオ全体のリスクを抑えながらよりリターンを追求できます。
以下はおすすめの国内ヘッジファンド4社です。
期待年利 | 最低投資額 | 投資手法・対象 | |
---|---|---|---|
BMキャピタル | 10%~ | 1000万 | ・バリュー株 ・アクティビスト |
ハイクアInt’l | 12%(固定) | 500万 | 新興国企業融資 |
アクション | 31%〜 | 500万 | ・バリュー株 ・事業投資 ・ファクタリング ・Web3事業 |
GF | 29%〜 | 1000万 *500万~相談可 | 大型日本株 |
おすすめファンド1. BMキャピタル
運用会社 | ビーエムキャピタル合同会社(BM CAPITAL LLC) |
---|---|
代表者 | 森山武利(たけとし) |
本社所在地 | 東京都港区六本木7-18-1 |
運用歴 | 10年以上 |
平均利回り | 年利10%〜 |
最低投資額 | 1,000万円 |
面談の形式 | オンラインまたは対面 |
運用手法 | ・バリュー株投資 ・アクティビスト投資 ・イベントドリブン戦略 |
主な投資先 | 日本株 |
ロックアップ期間 | 3ヶ月 |
公式サイト | BMキャピタル |
BMキャピタルは、2013年に設立された老舗ヘッジファンドです。
BMキャピタルでは、割安な株式を購入し、適正価格に戻る際の差益を狙う「バリュー株投資」を主要な戦略としています。
BMキャピタルはこのバリュー株を大量保有し、大株主として企業に積極的に働きかける「アクティビスト」の役割を果たし、株価上昇の可能性を高めています。
また、合併・買収や新商品開発など、企業の重要なイベントを投資機会とする「イベントドリブン戦略」も取り入れ、収益機会を最大化しています。
BMキャピタルは、これらの手法により平均年利10%以上を達成し、運用開始以来マイナスの年が一度もないという実績を誇ります。
投資初心者にも丁寧に説明してくださるので、過去の実績やより詳細な資料をもとに説明をお聞きされたい方は、公式サイトから面談を申請されてみるとよいでしょう。
おすすめファンド2. ハイクアインターナショナル
運用会社 | ハイクアインターナショナル合同会社 |
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代表社員 | 梁秀徹 |
本社所在地 | 〒581-0016 大阪府八尾市八尾木北1-44 |
運用歴 | 1年 |
利回り | 年間12%(固定) |
最低投資額 | 500万円 |
資料請求・相談 | 無料 |
面談の形式 | オンラインまたは対面 |
運用手法 | SAKUKO VIETNAMへの事業融資 |
公式サイト | ハイクアインターナショナル |
合同会社ハイクア・インターナショナル(以下、ハイクア社)は、2023年に設立された日本の運用会社です。
会長の梁 秀徹(ヤンスチョル)氏が会長を兼任しているベトナム企業「SAKUKO Vietnam co ltd」(以下、サクコ社)への事業融資から利益を得るという、新しいスタイルの投資手法を採用しています。
利回りは年12%固定で、3月、6月、9月、12月の年4回、3%の分配金が投資家へ配当されます。
- 3カ月ごと3%、年利12%の配当を受け取れる
- 最低投資額は500万円~
- 成長市場の成長企業への融資なので確実性が高い
- 資料請求のみも可能で、問い合わせハードルが低い
- 投資家がハイクア社に出資する
- ハイクア社がサクコ社に融資する
- サクコ社が利益をハイクア社に還元する
- ハイクア社が投資家に配当を支払う
- 年に4回の分配金を得たい人
- 目標額達成までの期間を明確に把握して運用をしたい人
- 確実性の高い資産運用をしたい人
- ポートフォリオに新興国地域を取り入れたい人
- ファンドの透明性を重視する人
- 500万円以上の余裕資金がある人
最低投資額は500万円からと、他のヘッジファンドと比較しても投資しやすい金額設定になっています。
また資料請求のみの問い合わせもできることから、いきなり面談をすることに抵抗がある方も、一歩を踏み出しやすいでしょう。
\ まずは無料の資料請求 /
おすすめファンド3. アクション合同会社
運用会社 | アクション合同会社 |
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代表者 | 古橋弘光 |
本社所在地 | 〒105-0001 東京都港区虎ノ門5丁目13−1 虎ノ門40MTビル 7階 |
運用歴 | 1年 |
平均利回り | 過去4年平均31% |
最低投資額 | 500万円 |
運用手法 | ・アクティビスト投資 ・バリュー株投資 |
主な投資先 | 日本株 |
資料請求・相談 | 無料 |
面談の形式 | オンラインまたは対面 |
公式サイト | アクション |
アクションは2023年に設立された新進気鋭のヘッジファンドです。
代表 兼 運用責任者は、トレイダーズホールディングス株式会社の元取締役であり、30年以上金融業界に携わってきた古橋 弘光氏です。
アクションの投資先は日本のバリュー株、海外の投資ファンド、不動産、債券事業投資、ファクタリング、Web3事業など多岐におよびます。
新しいファンドなので運用実績として確認できるのはまだ2023年のみですが、今後も高いリターンを想定しているようです。
本格的なヘッジファンドの最低投資額は1000万円~がほとんどですが、アクションの最低投資額は500万円から受け付けています。
アクションに出資するには、まず公式サイトから問い合わせをして、詳しい説明を受ける出資前面談の予約をします。
面談内容で納得ができれば、実際に契約をするという流れです。
面談は無料で、かつオンラインで可能なのでまずは気軽に問い合わせてみてください。
おすすめファンド4. GFマネジメント
運用会社 | GF Management合同会社 |
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代表者 | 田尻 光太朗 |
本社所在地 | 東京都千代田区麹町4丁目5-20 |
運用歴 | 1年 |
平均利回り | 年平均29% ※ファンドマネージャーの運用成績 |
最低投資額 | 1,000万円 ※500万円から相談可能 |
運用手法 | 大型日本株でポートフォリオを形成 |
主な投資先 | 大型日本株 |
資料請求・相談 | 無料 |
面談の形式 | オンラインまたは対面 |
公式サイト | GFマネジメント |
GFマネジメントは、2023年に設立された新しいヘッジファンドです。
ファンドマネージャーは、モルガン・スタンレー証券の投資銀行本部出身で、日本の大型株をメインに運用されています。
GFマネジメントの投資戦略は「J-Prime戦略」という独自戦略で、具体的には、日本の大型株のなかでも「収益力・成長力」「巨大な成長産業」「競合優位性」の全てに当てはまる僅かな銘柄「J-Prime投資ユニバース」に投資するというものです。
運用開始前の実績も含みますが、「J-Prime戦略」のパフォーマンスは、日経平均やS&P500をも上回る圧倒的なパフォーマンスを実現しています。
GFマネジメントの最低投資額は1000万円~ですが、500万円~も相談可能となっています。
これまでのパフォーマンスについてはもちろん、今後の運用方針や、ポートフォリオについての詳細を知りたい方は、GFマネジメントへ直接お問い合わせされてみてください。
\ 優良企業ポートフォリオで長期投資 /
その他のヘッジファンドは以下の記事で紹介しています。
本記事のまとめ
金投資は、価格変動リスクを分散したり、インフレや通貨リスクから資産を守るのに有効な投資方法です。
特に金ETFは、本来の金投資の売買・管理・保管などの不便さや非効率さを解消し、手軽に金価格の変動に投資できる手段として今後も重宝されることでしょう。
従来の株式や債券だけでなく、オルタナティブ投資の不動産、金などのコモディティ、ヘッジファンドなどを適度に織り交ぜ、長期的に安全に資産を増やしていきましょう。