イオン株は2026年に入って株価が大きく下落し、「なぜここまで下がったのか」「今後はどうなるのか」「今から買うべきか」と不安や疑問を持つ投資家が増えています。
結論として、今回の株価下落は、業績悪化だけが原因ではなく、市場期待とのギャップや割高感など複数の要因が重なった結果です。
本記事では、2026年3〜5月の最新決算(2027年2月期第1四半期)や最新の株価推移をもとに、イオン株が暴落した理由を分かりやすく整理します。
また、業績やPER、配当、株主優待の状況を踏まえ、危険と言われる背景や今後の見通し、保有者・新規購入者それぞれの判断ポイントまで詳しく解説します。
※イオン株のような個別株は、業績や市場環境によって株価が大きく変動する可能性があります。リスクを抑えた運用を目指したい方は、株式市場に連動しにくい固定利回り型や分散運用型の投資先も選択肢の一つです。
安定性と収益性を重視する人の代替投資先

名古屋市立大学経済学部准教授/坂和 秀晃
大阪大学大学院経済学研究科で博士(経済学)を取得。名古屋市立大学大学院経済学研究科講師を経て、現在は同大学教授。テンプル大学フォックスビジネススクール客員研究員、金融庁金融研究センター特別研究員、コロンビア大学日本経済経営研究所フルブライトプログラム客員研究員などを歴任。現在は日本ファイナンス学会理事も務める。
イオンの株価はなぜ暴落した?4つの理由
イオン株は2025年に大きく上昇した後、2025年11月頃から下落に転じました。
2026年に入ると下落基調がさらに鮮明となり、1月5日に年初来高値2,542円をつけた後、6月23日には1,274円まで下落しました。
約半年でおよそ50%下がっており、「暴落」と表現されるのも不思議ではない値動きです。

出典:Yahoo!ファイナンス
【2025年9月以降のイオン株関連の動き】
2025年9月:1株を3株に分割
2025年10月:中間決算を受け上場来高値を更新
2026年1月:第3四半期決算後に急落
2026年4月:2027年2月期の業績予想発表後に下落
2026年6月:年初来安値1,274円
2026年7月:2027年2月期第1四半期決算を発表
2026年1月と4月には、決算発表をきっかけに株価の下落が加速しましたが、売上高や営業利益そのものが落ち込んだわけではありません。
業績は堅調だったものの、株価が市場の高い期待を織り込んでいたため、決算や業績予想が期待に届かなかったことに加え、前年の急騰の反動や割高感、投資資金の流れの変化などが重なって下落しました。
以下で、主な理由をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
2025年の株価急騰の反動
イオン株は2025年に約101%上昇し、株価は約2倍になりました。業績改善に加え、株主優待の人気や株式分割、グループ再編への期待などが買い材料となったためです。
2025年10月には、3〜8月期決算で営業収益・営業利益が過去最高となったことを受け、一時は前日比10%超上昇する場面もありました。
一方で、株価が短期間で大きく上昇すると、利益確定売りが出やすくなります。そこへ市場の期待を下回る材料が重なると、売りが売りを呼び、株価は下落しやすくなります。
2025年11月以降の株価下落は、2025年の急騰によって高まった期待が修正されたことが株価下落の要因の一つとなりました。
業績が市場の期待に届かなかった
イオン株は、2026年1月と4月の決算発表をきっかけに大きく売られました。
| 発表 時期 | 決算・業績予想の内容 | 市場が懸念した点 |
|---|---|---|
| 2026年 1月 | 営業収益・営業利益は 第3四半期累計で 過去最高 | 営業利益が市場予想に届かず、収益性の改善が想定を下回った |
| 2026年 4月 | 2026年2月期の 営業収益・営業利益は 過去最高 | 2027年2月期の純利益予想が前期比0.4%増にとどまり、市場予想を下回った |
2026年1月8日に発表された2025年3〜11月期決算(2026年2月期第3四半期決算)では、営業収益が前年同期比3.7%増の7兆7,494億円、営業利益が23.1%増の1,447億円となり、いずれも過去最高を更新しました。
しかし、グループ再編に伴う一過性費用などの影響で、親会社株主に帰属する純利益は109億円の赤字となりました。
さらに、市場では第3四半期の収益改善が期待ほど進まなかったことも嫌気され、決算発表後の株価は一時7%超下落しています。
また、4月に発表された2027年2月期の業績予想でも、営業利益は前期比25.7%増を見込む一方、親会社株主に帰属する純利益は0.4%増にとどまり、市場予想も下回りました。
つまり、売上高や営業利益は堅調だった一方で、純利益が市場の期待に届かなかったことが、株価下落の大きな要因となりました。
PERの割高感から失望売りが膨らんだ
イオン株は、株価に対して利益水準が見合わない「割高な状態」と見られたことも、株価下落の一因となりました。
PER(株価収益率)は、株価が利益に対して割高か割安かを見る指標です。PERが高いほど、今後の利益成長への期待が株価に織り込まれている状態を意味します。
イオン株の予想PERは、株価が上場来高値を更新した2025年10月時点で約142倍まで上昇していました。
これは同業他社と比べても非常に高い水準で、市場が将来の利益成長を大きく期待していたことを示しています。
そのため、営業利益が増益でも純利益が市場期待に届かなかったことで、「現在の株価は高すぎるのではないか」という見方が広がり、失望売りにつながりました。
市場の資金移動も下落を加速させた
2026年の株式市場では、AIや半導体関連株など成長が期待される銘柄に投資家の資金が集まりました。
こうした相場では、イオンのようなディフェンシブ銘柄は相対的に資金が流出しやすくなります。
楽天証券も、イオン株が下落した背景として、2025年の株価急騰の反動に加え、2026年はAI・半導体関連株へ資金が移ったことを要因の一つに挙げています。
市場全体で資金が成長株へ向かったことに加え、純利益や利益予想が市場期待に届かなかったこと、PERの割高感が重なったことで、株価下落が加速したと考えられます。

今回のイオン株のような株価急落を踏まえ、「個別株だけでは不安」と感じる方は、固定利回り型や分散運用型など、個別株と異なる値動きをする投資先もあわせて確認しておくとよいでしょう。
安定性と収益性を重視する人の代替投資先

最新決算から見るイオンの業績
株価は大きく下落しましたが、2027年2月期第1四半期決算では営業収益・営業利益・経常利益が第1四半期として過去最高を更新し、親会社株主に帰属する純利益も黒字へ転換しました。
一方で、事業別では好調な事業と苦戦している事業が分かれています。
2027年2月期第1四半期は増収増益
2027年2月期第1四半期の連結業績は、営業収益が前年同期比14.6%増の2兆9,419億円、営業利益が33.6%増の752億円となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益も、前年同期の65億円の赤字から138億円の黒字へ転換しました。
| 項目 | 2026年2月期第1四半期 | 2027年2月期第1四半期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 2兆5,668億円 | 2兆9,419億円 | 14.6%増 |
| 営業利益 | 562億円 | 752億円 | 33.6%増 |
| 経常利益 | 480億円 | 635億円 | 32.3%増 |
| 親会社株主に帰属 する四半期純利益 | 65億円の赤字 | 138億円の黒字 | 黒字転換 |
最新決算を見る限り、イオンは全社的な業績悪化ではなく、連結業績は改善傾向にあります。
好調事業と苦戦事業が分かれている
全体では好決算となりましたが、すべての事業が利益を伸ばしたわけではありません。
| 事業 | 営業収益 | 前年同期比 | 営業利益・損失 | 前年同期 からの増減 |
|---|---|---|---|---|
| GMS | 9,232億円 | 3.9%増 | 34億円の赤字 | 16億円減 |
| スーパーマーケット | 7,572億円 | 0.4%減 | 8億円の赤字 | 77億円減 |
| ディスカウントストア | 1,092億円 | 1.1%増 | 2億円 | 15億円減 |
| ヘルス&ウエルネス | 6,380億円 | 89.9%増 | 266億円 | 182億円増 |
| 総合金融 | 1,515億円 | 8.8%増 | 181億円 | 47億円増 |
| ディベロッパー・ エンターテイメント | 1,740億円 | 9.2%増 | 278億円 | 84億円増 |
| サービス・専門店 | 1,583億円 | 2.6%増 | 44億円 | 3億円減 |
| 国際 | 1,696億円 | 11.9%増 | 57億円 | 14億円増 |
特に好調だったのはヘルス&ウエルネス事業です。2025年12月にツルハとウエルシアが経営統合し、2026年1月にはツルハが連結子会社となったことで、営業収益・営業利益ともに大きく伸びました。
また、ディベロッパー・エンターテインメント事業も、国内外のイオンモールの専門店売上や来店客数が増加し、利益を伸ばしています。
一方で、GMS(総合スーパー)やスーパーマーケット事業は営業赤字となりました。食品価格の高騰や人件費・物流費の上昇に加え、価格競争の激化が利益を圧迫しています。
2027年2月期の通期業績予想は据え置き
イオンの第1四半期は好調に推移していますが、会社は通期の業績予想は据え置いています。
| 項目 | 2026年2月期実績 | 2027年2月期予想 | 前期比 | 第1四半期の 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 10兆7,153億円 | 12兆円 | 12.0%増 | 24.5% |
| 営業利益 | 2,704億円 | 3,400億円 | 25.7%増 | 22.1% |
| 経常利益 | 2,430億円 | 2,900億円 | 19.3%増 | 21.9% |
| 親会社株主に帰属 する当期純利益 | 726億円 | 730億円 | 0.4%増 | 18.9% |
営業収益と営業利益は大幅な増加を見込んでおり、第1四半期も順調に進みました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比0.4%増の730億円と、ほぼ横ばいの予想です。
つまり、第1四半期は好調なスタートとなったものの、会社は現時点で通期業績の上方修正には慎重な姿勢を示しています。
イオン株は危険?購入前に確認したい5つの注意点
最新決算は増収増益でしたが、好業績だからといって株価が必ず上がるわけではありません。
イオン株には、割高な株価水準や純利益の伸びにくさ、株主還元の持続性など、購入前に確認しておきたい注意点があります。
PER・PBRが同業他社と比べて割高
2026年7月17日時点のイオンの予想PERは52.88倍、PBRは3.19倍です。
| 企業 | 主な事業 | 予想PER | PBR |
|---|---|---|---|
| イオン | GMS・スーパー・ ドラッグ・金融・モール | 52.88倍 | 3.19倍 |
| セブン&アイHD | コンビニ・スーパー | 17.30倍 | 1.30倍 |
| PPIH | ドン・キホーテなど | 24.83倍 | 3.88倍 |
イオンのPERは同業他社を大きく上回っており、PBRもセブン&アイHDより高い水準です。
高いPERには、ツルハとウエルシアの統合効果や海外事業の成長など、将来の利益拡大への期待が織り込まれています。
そのため、業績が伸びていても市場の期待に届かなければ、割高感が意識され、株価が大きく下落する可能性があります。
PERや株価指標を継続的に確認するのが負担に感じる方は、株式市場と連動しにくい運用先も比較対象の一つになります。
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営業利益の増加が純利益に結びつきにくい
イオンは多数の子会社を抱えており、営業利益が増えても、そのすべてがイオンの株主に帰属するわけではありません。外部株主がいる子会社の利益は、「非支配株主に帰属する利益」として差し引かれるためです。
| 利益の段階 | 2027年2月期第1四半期 | 主な増減要因 |
|---|---|---|
| 営業利益 | 752億円 | 本業で得た利益 |
| 経常利益 | 635億円 | 支払利息などの営業外損益 |
| 税引前四半期純利益 | 612億円 | 特別利益・特別損失 |
| 四半期純利益 | 320億円 | 法人税などを控除 |
| 親会社株主に帰属 する四半期純利益 | 138億円 | 非支配株主に帰属する利益を控除 |

第1四半期は四半期純利益320億円のうち182億円が、ツルハホールディングスなど外部株主のいる子会社の株主に帰属しました。
イオンはこのグループ利益の取り込みを増やすため、グループ再編やM&Aを積極的に進めており、統合費用やシステム投資、減損損失などが一時的に純利益を押し下げる可能性もあります。
さらに、イオンは有利子負債が比較的大きく、金利上昇による支払利息の増加も利益を圧迫する要因となっています。
営業利益が増えていても、こうした要因で純利益が市場の期待を下回れば、さらなる株価の下落につながる可能性もあります。
配当性向が高く株主還元の持続性に注意
イオンは年間配当を前年以上に維持し、連結配当性向30%を目標とする方針を掲げています。
しかし、実際の配当性向は目標を大きく上回る年度が続きました。
| 決算期 | 年間配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2022年2月期 | 36円(12円) | 468.1% |
| 2023年2月期 | 36円(12円) | 143.4% |
| 2024年2月期 | 36円(12円) | 68.9% |
| 2025年2月期 | 40円(13.33円) | 119.1% |
| 2027年2月期予想 | 15円 | 約56.9% |
括弧内は分割後換算の年間配当額。予想EPS26.38円から算出。
出典:Yahoo!ファイナンス「イオン」
2027年2月期は1株15円の配当を予定していますが、予想配当性向は約56.9%となり、会社目標の30%を上回ります。
現時点で減配は発表されていませんが、配当性向が高い状態では、利益が伸び悩めば配当維持の余力は小さくなります。
特にイオン株は、配当と株主優待を合わせた株主還元が評価されているため、減配によって還元の魅力が低下すれば、売りにつながる可能性があります。
株価や配当の変動リスクを抑えたい方は、固定利回り型の投資先も比較対象になります。
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株主優待の改悪・廃止の可能性がある
イオンの株主優待は、買い物代金の還元をはじめ人気の高い制度です。
| 優待 | 条件 | 内容 |
|---|---|---|
| 買い物金額の還元 | 100株以上 | 100株1%、200株2%、300株3%、1,500株4%、 3,000株5%、9,000株7%を半年ごとに還元。 対象額は半年100万円まで |
| お客さま感謝デー | 100株以上 | 毎月20日・30日に5%割引。 買い物還元との併用も可能 |
| 系列店舗の割引 | 100株以上 | イオンシネマなどで割引・優待料金を適用 |
| イオンラウンジ | 100株以上 | 100株は月4回、300株は月8回、 1,500株は月16回まで利用可能 |
| 長期保有優待 | 3年以上 1,500株以上 | 保有株数に応じて1,000~1万円分の イオンギフトカードを年1回進呈 |
出典:イオン「株主優待制度」
一方で、こうした優待制度の維持には相応のコストがかかります。 そのため、株主数の増加や経営環境の変化によっては、将来的に優待内容が見直される可能性があります。
実際、2024年にはイオンラウンジの利用回数に上限が設けられるなど、優待制度の一部が見直されました。
もっとも、優待は来店促進にもつながるため、費用負担だけを理由に廃止される可能性は高くありません。
ただし、万が一優待制度が改悪・廃止された場合は、優待目的で保有している投資家の売りが増え、株価の下落要因となる可能性があります。
政策保有株式の売却と持ち合い株解消の可能性がある
イオンは2026年2月末時点で、上場企業56銘柄、合計1,135億円の政策保有株式を保有しています。
政策保有株式とは、取引関係や業務提携の維持などを目的として保有する株式です。イオンは毎年、保有効果や経済合理性を検証し、保有意義が乏しいと判断した株式は売却する方針を示しています。
政策保有株式の縮減は資本効率の改善につながりますが、持ち合い株の解消による売却が株価の重荷となる可能性もあります。
名古屋市立大学 経済学部 准教授 坂和秀晃 持ち合い株そのものについては、コーポレート・ガバナンスの観点から批判的な株主も少なくありません。したがって、持ち合い株の解消があった場合でも、それ自体が必ずしも大きな株価下落要因になるとは限らないと考えられます。
市場の不透明さが気になる方は、株式市場と連動しにくい運用先も比較対象の一つになります。
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イオンの株価は今後どうなる?買い時も検証
最新決算は好調でしたが、高いPERや純利益の伸びにくさなど、株価の重荷となる材料も残っています。
そのため、業績が堅調だから株価もすぐに戻るとは限りません。今後は、ツルハHDの連結効果や事業再編が、親会社株主に帰属する純利益の増加につながるかが焦点です。
今後の株価を左右する上昇・下落要因
イオン株の今後は、成長事業が利益を伸ばす一方で、小売事業の低収益性や割高感を解消できるかによって左右されます。
| 方向 | 主な要因 | 株価への影響 |
|---|---|---|
| 上昇 | ツルハHDと ウエルシアの統合 | 仕入れ・物流・PBの 共通化による利益拡大 |
| ベトナムを中心とした アジア展開 | 出店拡大と 海外利益の増加 | |
| アプリ・ネットスーパー・店舗DX | 売上拡大と 運営コストの削減 | |
| 純利益予想の上方修正 | 割高感の緩和と 成長期待の回復 | |
| 下落 | GMS・スーパー事業 の低収益 | 価格競争やコスト上昇 による赤字継続 |
| 再編費用・金利負担 | 営業利益が純利益に 結びつかない可能性 | |
| PERの割高感 | 業績が期待に届かない 場合の失望売り | |
| 成長株への資金移動 | AI・半導体株など への資金流出 |
成長材料として最も注目されるのが、ツルハHDとウエルシアの統合です。第1四半期のヘルス&ウエルネス事業は営業利益266億円と前年同期の約3.2倍になりました。今後、仕入れや物流、PBの共通化が進めば、さらなる利益拡大が期待できます。
アジア事業もベトナムを中心に拡大しており、国際事業の営業利益は前年同期比約35%増の57億円でした。また、「iAEON」の会員数は約2,200万人、ネットスーパー「Green Beans」の顧客基盤は約90万人に拡大しています。
一方、第1四半期はGMS事業が34億円、スーパーマーケット事業が8億円の営業赤字でした。価格競争やコスト上昇に加え、再編費用や支払利息が増えれば、純利益が伸び悩む可能性があります。
特にイオン株は、営業利益だけでなく親会社株主に帰属する純利益が市場予想を上回れるかどうかが重要です。利益が期待ほど伸びなければ、業績が堅調でも株価は下落する可能性があります。
名古屋市立大学 経済学部 准教授 坂和秀晃 投資リターンを狙う株主にとっては、イオン株の将来動向に影響するニュースや、成長性に関わるニュースに注目することが大切です。ヘルス&ウエルネス事業の拡大も、今後の株価を判断するうえで確認しておきたい材料のひとつです。
業績予想・目標株価から見る今後の見通し
2027年2月期の会社予想と、IFISコンセンサス(主要証券会社の予想平均)は以下のとおりです。
| 業績 | 会社予想 | IFISコンセンサス | 差 |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 12兆円 | 11兆8,980億円 | 約-0.9% |
| 営業利益 | 3,400億円 | 3,262億円 | 約-4.1% |
| 経常利益 | 2,900億円 | 2,841億円 | 約-2.0% |
| 親会社株主に帰属 する純利益 | 730億円 | 700億円 | 約-4.0% |
IFISコンセンサスは、4項目すべてで会社予想を下回っています。第1四半期は増収増益・純利益の黒字転換となりましたが、経常利益は市場予想をやや下回っており、会社計画の達成には慎重な見方も残っています。
また、IFIS集計による2026年7月15日時点の平均目標株価は1,693円で、7月17日の株価1,395円を約21%上回ります。一方、レーティングは「中立」が中心で、強気一辺倒ではありません。
さらに、イオン株はPERが依然として高いため、平均目標株価が現在値を上回るだけで割安とは判断できません。今後の上昇には、純利益の拡大や通期業績の上方修正が必要です。
イオン株は今が買い時?保有者・新規購入者別に判断
結論として、イオン株は年初来高値2,542円から一時約50%下落し、7月17日時点の1,395円も高値を約45%下回っています。ただし、予想PERは依然として50倍を超えており、株価が下がっただけで割安になったとは判断できません。
| 対象 | 現時点の判断 | 購入・保有時の チェックポイント |
|---|---|---|
| 保有者 | 慌てて売却する 局面ではない | 純利益の伸び、 ツルハ統合効果、 優待・配当の変更 |
| 新規購入者 | 一括購入より 分散購入が無難 | PERの低下、 業績の上方修正、 GMS事業の改善 |
| 優待目的 | 普段イオンを利用 する人なら魅力あり | 還元率、 対象店舗、 優待制度の変更有無 |
| 値上がり狙い | 純利益の改善を 確認してからでも 遅くない | 純利益の成長、 目標株価・PERの 推移 |
保有者
最新決算では業績改善が確認できており、現時点で株価下落だけを理由に売却を急ぐ状況とは言えません。ただし、純利益の下振れや優待・配当の変更があれば、保有方針を見直す材料になります。
新規購入者
新規購入者にとっては、株価が高値から半値近くまで下がった点は魅力ですが、PERは依然として高く、割高感は解消されていません。今後の決算で純利益の改善が続くか、株価が現在の水準で下げ止まるかを確認しながら、分散して購入する方がリスクを抑えられます。
したがって、現時点のイオン株は「誰にとっても明確な買い時」ではありません。保有者は業績と株主還元の変化、新規購入者は利益成長とPERのバランスを基準に判断することが重要です。
イオン株の値動きが不安なら私募ファンドも選択肢
個別株の値動きが気になる方は、株式市場とは異なる仕組みで収益を目指す運用先も比較対象になります。
ここでは、その代表例を2社紹介します。
※いずれも元本保証の対象商品ではありません。
ハイクアインターナショナル

| 運用会社 | ハイクアインターナショナル |
|---|---|
| 代表社員 | 梁秀徹 |
| 本社所在地 | 〒581-0016 大阪府八尾市八尾木北1-44 |
| 設立 | 2023年 |
| 利回り | 年間12%(固定) |
| 最低投資額 | 500万円 |
| 実際の利益 | 500万円投資した場合 ・3ヶ月に1度15万円の配当 ・年間で60万円の配当 |
| 利益の受取方法 | ・3ヶ月に1回配当金として受け取る ・配当金を再投資して元本を増やす |
| 資料請求・相談 | 無料 |
| 面談の形式 | オンラインまたは対面 |
| 運用手法 | SAKUKO VIETNAMへの事業融資 ※設立:2011年 |
| 問い合わせ | 公式サイト |
イオン株とは異なる値動きをする投資先として紹介したいのが、ベトナム企業への事業融資型ファンドを運営する「ハイクアインターナショナル」です。
固定年利12%の仕組みとリスク
イオン株の配当は企業業績によって増減する可能性があります。
一方、ハイクアは年利12%の固定配当を目標とし、1月・4月・7月・10月の年4回に分けて支払う仕組みです。公式サイトによると、設立以来、配当の遅延はありません。
仮に最低出資額である500万円を出資した場合、年間配当目標は60万円(税引前)となります。
| 項目 | ハイクア (500万円) |
|---|---|
| 年間配当 | 60万円(税引前) |
| 配当回数 | 年4回 |
| 配当の安定性 | 固定(市場変動なし) |
ただし、合同会社の社員権への出資であり、元本や配当は保証されていません。融資先の業績によっては配当未達や元本毀損の可能性もあるため、仕組みやリスクを理解したうえで検討することが大切です。
イオン優待を持ちながら収益の柱を追加
イオン株を優待目的で保有しながら、株式市場に直接連動しない運用先を組み合わせるという考え方もあります。
運用手数料は無料で、最低出資額は500万円です。5年以内の解約には手数料がかかるため、長期運用を前提に余裕資金で活用する投資先と考えるとよいでしょう。
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Action(アクション)

| 運用会社 | アクション合同会社 |
|---|---|
| 代表者 | 古橋弘光 |
| 本社所在地 | 〒105-0001 東京都港区虎ノ門5丁目13−1 虎ノ門40MTビル 7階 |
| 設立 | 2023年 |
| 利回り | 17.35%(前年度実績) |
| 最低投資額 | 500万円 |
| 運用手法・対象 | ・事業への直接投資 ・Web3 ・ファイナンス |
| 相談 | 無料 |
| 面談の形式 | オンラインまたは対面 |
| 問い合わせ | アクション |
もう一つの選択肢として紹介したいのが、Action(アクション)です。
数々の外資系証券会社で30年以上の経験を持つ代表が運用を担い、複数の領域へ分散投資することで、株式市場の値動きに左右されにくい安定性と高いリターンの両立を目指しています。
契約期間と流動性について
最低出資額は500万円で、契約期間は原則1年間(事業年度:7月〜翌年6月)です。
中途解約は原則できないため、生活資金や近く使う予定のある資金での出資は避けましょう。
一方で、短期の値動きに惑わされず腰を据えて運用できる仕組みとも言えます。イオン株のように株価が乱高下するたびに売買判断を迫られることなく、プロに運用を任せて1年単位で成果を確認するスタイルです。
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イオン株に関するよくある質問
最後に、イオン株に関するよくある質問に回答します。
イオンの株価が下落したのはなぜですか?
2026年にイオンの株価が下落した理由は、2025年の急騰反動に加え、業績が市場の期待に届かなかったことやPERの割高感、投資資金の移動が重なったためです。売上高や営業利益が落ち込んだわけではありません。
イオン株は今後どこまで下がる可能性がありますか?
下値を正確に予測することはできませんが、下値の目安の一つは、2026年6月23日に付けた年初来安値1,274円です。
第1四半期の業績は増収増益でしたが、依然としてPERが高いため、純利益が市場予想を下回れば年初来安値を割る可能性もあります。
反対に、純利益やEPSが予想以上に伸びれば、1,274円付近が下値として意識されるでしょう。
イオン株の買い時はいつですか?
2026年7月17日現在もPERは高く、明確な買い時とは言い切れません。今後の純利益やEPSの伸び、割高感が解消されるかを確認して判断する必要があります。
イオン株の配当金はいつ受け取れますか?
イオンの配当は中間・期末の年2回です。
次回の中間配当を受け取るには、2026年8月27日の取引終了時点で100株以上を保有している必要があります。権利を取得した後は、8月28日以降に売却しても配当を受け取れます。
次回は1株7.5円、100株なら750円(税引前)の予定で、通常は10月ごろに支払われます。2027年2月期の年間配当予想は1株15円です。
株主優待を受けるためにはいつまでに買えばよいですか?
2月末または8月末の株主名簿に、100株以上を保有する株主として記載される必要があります。
次回は2026年8月27日までに購入すると、8月末の優待権利を取得できます。
イオン株はいくらから購入できますか?
イオン株は100株単位で購入します。2026年7月17日の株価1,395円で計算すると、最低購入額は約13万9,500円です。株価によって必要額は変動します。
イオンの株価が暴落した理由と今後の見通しまとめ
イオン株は2025年後半から下落基調となり、2026年には高値から大きく値を下げました。
しかし、その理由は業績悪化ではなく、2025年の株価急騰によって高まった市場期待と、実際の利益水準とのギャップが大きな要因です。
最新の決算(2027年2月期第1四半期)では、増収増益に加え純利益も黒字へ転換。
ツルハHDとの統合効果や海外事業の成長など、株価回復につながる材料もありますが、高いPERや純利益の伸びにくさなど、引き続き注意すべき点もあります。
以上の点から、現在のイオン株は「誰にでも積極的におすすめできる買い時」とは言えません。
保有者は業績や株主還元の変化、新規購入者は今後の決算や純利益の推移を確認しながら判断するとよいでしょう。
また、株価の値動きによるストレスを抑えたい方は、株式市場に直接連動しない運用先も比較対象の一つです。仕組みやリスクを確認したうえで、自分に合うか検討してみてください。
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