「ダイワUSリートBコースの運用実績は?」
「掲示板での口コミや評判を知りたい!」
ダイワUS-REITオープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)は、米国のREITに投資する投資信託。
分配を重視する「毎月決算型」で、安定した収益を求める投資家に支持されています。
しかし、配当頻度の高い投資信託は全ての投資家に最適という訳ではありません。
本記事では、Yahoo!掲示板などでの口コミや評判も参考にしながら、以下の内容を解説し、ダイワUSリートBコースへの投資の是非を考えます。
- ダイワUSリートBコースの特徴と運用状況
- 掲示板やSNSでの口コミ評判
- 米国REITやダイワUSリートBコースの今後の見通し
ダイワUSリートとは?(基本情報とファンドの特徴)
ダイワUSリートの基本情報は割愛したいという方は、「ダイワUSリートBコースの運用状況」もしくは「ダイワUSリートB掲示板の口コミ・評判紹介」から読み進めて頂いても結構です。
ダイワUSリートは、米国の不動産投資信託(REIT)に分散投資を行う投資信託ファンドで、大和アセットマネジメント株式会社が運用しています。
米国の商業用・産業用不動産に投資し、賃料収入や不動産の資産価値の上昇を通じて収益の獲得を目指します。

ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)の概要
「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)」は、ダイワUSリートの6つのコース中でも圧倒的人気を誇る投資信託です。
※多くの方がBコースの情報を求めていると考えられることから、本記事ではBコースを中心に解説を進めていきます。
ファンド名の通り、毎月決算を行い運用成績に応じて分配金を支払う「毎月決算型」の投資信託で、配当利回りを重視した運用を行うのが一番の特徴です。
では、ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)の基本情報を見てみましょう。
投資信託 ファンド名称 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし) |
---|---|
運用会社 | 大和アセットマネジメント株式会社 |
設定日 | 2004年7月21日 |
純資産総額 | 7,353億円 ※2025年2月時点 |
投資対象 | 「ダイワ・US-REIT・オープン・マザーファンド」を通して、米国の不動産投資信託証券(REIT)に投資 |
ベンチマーク | FTSE NAREIT®エクイティREIT・インデックス(配当金込み、円ベース指数) |
運用形態 | アクティブ型 |
為替ヘッジ | なし (為替リスクあり) |
決算 | 毎月 (毎月17日) |
信託報酬 | 年1.672%(実質コストは1.709%) |
最新チャート | 日本経済新聞提供チャート |
公式サイト | 大和アセット マネジメント商品紹介ページ |
「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)」は、2004年に設定され、現在の純資産総額は約7,353億円と、国内のUS-REIT投資信託の中でも最大規模のファンドです。
ベンチマークは、FTSE International Limited が発表するFTSE NAREIT®エクイティREIT・インデックス(配当金込み、米ドルベース指数)で、本指数の配当利回り以上のパフォーマンスを目指します。
運用はファミリーファンド方式で、投資家から集めた資金を「ダイワ・US-REIT・オープン・マザーファンド」に投資し、そこから複数の米国の不動産投資信託(REIT)に分散投資する仕組みとなっています。
不動産投資信託(REIT)は本来、複数の不動産に分散投資を行っていますが、さらに複数のREITに投資することで、より広範囲に分散された投資ポートフォリオを提供しています。
マザーファンドの運用は、米国初のREIT専門運用会社として高い評価を得ている、アメリカのコーヘン&スティアーズ・キャピタル・マネジメント・インクが担当しています。
以下は、当該マザーファンドの組入上位銘柄です。
(ポートフォリオ全体には、米国REIT133銘柄中30強の銘柄を組み入れています。)
表のように、「ダイワ・US-REIT・オープン・マザーファンド」のポートフォリオは、住宅、商業施設、物流施設、データセンター、医療施設、オフィス、ホテルなど、米国市場の代表的なREIT銘柄に幅広く分散投資しています。
上位10銘柄でポートフォリオの約63%を占めており、流動性が高く安定した収益が見込める大型REITを中心に構成されています。
またポートフォリオ全体では、住宅の他、データセンターやヘルスケアセクターなどの成長分野の比率が高めです。
このように、ダイワUSリートBコースでは、安定した分配金と資産成長を目指し、大型安定銘柄を中核に据えつつ、幅広い不動産セクターに投資。景気変動や市場サイクルの影響を分散させ、持続的なリターンを追求しています。
他のコースとの違い(なぜBコースが人気なのか?)
前述の通り、ダイワUSリートには、6つのコースが設定されています。
ファンド名 | 純資産総額 |
---|---|
ダイワ・US-REIT・オープン (毎月決算型)Aコース(為替ヘッジあり) | 209.78億円 |
ダイワ・US-REIT・オープン (毎月決算型) Bコース(為替ヘッジなし) | 7,353.04億円 |
ダイワ・US-REIT・オープン (為替ヘッジなし/奇数月決算型) | 60.99億円 |
ダイワ・US-REIT・オープン (年1回決算型) 為替ヘッジあり ※NISA成長投資枠 | 15.09億円 |
ダイワ・US-REIT・オープン (年1回決算型) 為替ヘッジなし ※NISA成長投資枠 | 561.59億円 |
ダイワ・US-REIT・オープン (為替ヘッジなし/予想分配金提示型) | 1.62億円 |
ファンド名から読み取れるように、各ファンドの違いは、決算回数の違いと為替ヘッジを行うかどうかです。
毎月決算型 ‥毎月決算を行い、分配金の有無を判断(毎月分配を保証するわけではない)
奇数月決算型‥奇数月に決算を行い、分配金の支払いを判断
年1回決算型‥年に1回(通常は決算月)に決算を行い、分配金を判断
予想分配金提示型‥事前に一定期間の予想分配金を提示し、それに基づいて分配金を支払う
為替ヘッジあり‥為替変動の影響を抑えるため、円とドルの為替リスクを回避するヘッジを行う
為替ヘッジなし‥為替リスクを取る代わりに、円安時にはリターンが増加、円高時にはリターンが減少
Bコース(毎月決算型・為替ヘッジなし)が圧倒的に人気である理由は、「為替ヘッジなし」「毎月決算型」「流動性が高い」 という3つの要素が組み合わさり、長期的な成長と安定した分配金の両方を求める投資家に適した商品となっているからです。
また、円安の恩恵を受けやすい為替ヘッジなしの運用方針が、長期的に米ドルの価値が上昇すると考える日本の投資家に支持されていることも大きな要因と言えます。
BコースはNISAの対象ファンドではありませんが、NISA口座を利用できないというデメリット以上に、為替ヘッジなし&毎月分配型のメリットが投資家に評価されているのでしょう。
ダイワUSリートBコースの運用状況
では続けて、「ダイワUSリートBコース(毎月決算型・為替ヘッジなし)」の最新の運用状況について詳しく解説します。
基準価額とチャート推移
以下は、「ダイワUSリートBコース(毎月決算型・為替ヘッジなし)」の基準価額と分配金込基準価額の推移チャートです。
基準価額は、分配金支払い後の価額で、分配金を再投資しない場合の資産価値を示します(分配金を受け取ると下落します)。
分配金込基準価額は、過去の分配金をすべて再投資した場合の基準価額を表し、長期的なパフォーマンス評価に適しています。

本ファンドの過去20年間の値動きの傾向(分配金込基準価額)を振り返ると、2008年のリーマン・ショック、2020年のコロナショックでは急落しましたが、その後は回復傾向を示しています。
特に、2010年代は米国の低金利環境が不動産市場への追い風となり、価額が上昇しました。
直近のチャートでは、2022年以降の米国FRB(連邦準備制度)の急激な利上げにより、不動産市場が圧迫され、基準価額も調整しています。
しかし、2023年後半から2024年にかけて、利上げ終了の観測が強まり、リート市場が反発。
特に、物流・データセンターなどの成長セクターへの資金流入が基準価額の回復を支えています。
分配金の傾向と運用実績
ダイワUSリートの中で、毎月分配型・為替ヘッジなしのBコースが圧倒的人気を得ていることからも、リートに投資する多くの投資家が分配金を主要な投資目的としていることが伺えます。
まずは、そんな投資判断の重要なポイントである分配金の払い出し状況を、類似の人気ファンド「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)」とともに見ていきましょう。
分配金の推移
「ダイワUSリートBコース」と「フィデリティUSリートBコース」は、いずれも毎月決算型のため、定期的な分配金の払い出しが特徴です。
年度 | フィデリティUSリートBコース 毎月決算型/為替H無し | ダイワUSリートB 毎月決算型/為替H無し |
---|---|---|
2015年 | 2月以降80円から100円に(年間1180円) | 毎月80円の分配金を継続(年間960円) |
2016年 | 11月以降100円から70円に(年間1140円) | 毎月80円の分配金を継続(年間960円) |
2017年 | 11月以降70円から35円に(年間770円) | 11月以降80円から60円に(年間920円) |
2018年 | 毎月35円の分配金を維持(年間420円) | 8月以降60円から40円に(年間620円) |
2019年 | 毎月35円の分配金を維持(年間420円) | 毎月40円の分配金を継続(年間480円) |
2020年 | 毎月35円の分配金を維持(年間420円) | 毎月40円の分配金を継続(年間480円) |
2021年 | 毎月35円の分配金を維持(年間420円) | 毎月30円の分配金を継続(年間360円) |
2022年 | 毎月35円の分配金を維持(年間420円) | 毎月30円の分配金を継続(年間360円) |
2023年 | 毎月35円の分配金を維持(年間420円) | 7月以降、分配金が20円に減配(年間300円) |
2024年 | 毎月35円の分配金を維持(年間420円) | 毎月20円の分配金を維持(年間240円) |
過去の分配金実績を見ると、両ファンドとも、USリート市場の市況や米国の金利変動に合わせて、分配金の減配を行ってきた様子が見て取れます。
中長期的に見ると、フィデリティUSリートBコースの方が分配金が高めですが、基準価額も同様に高いため、両ファンドの分配利回りは年ごとに優劣が交錯している状態です。
しかし、分配金の健全度の面では、フィデリティUSリートBコースに軍配が上がります。
フィデリティUSリートBコース 毎月決算型/為替H無し | ダイワUSリートB 毎月決算型/為替H無し | |
---|---|---|
分配余力月数 | 223.09か月 | 83.65か月 |
過去1年 | 86.67% (分配金利回り13.15% 2025年1月15日基準) | 91.67% (分配金利回り9.70% 2025年1月17日基準) |
過去3年 | 64.37% | 54.72% |
過去5年 | 65.00% | 58.90% |
過去10年 | 30.59% | 22.72% |
参考:日本経済新聞投資信託情報、およびPayPay銀行|分配金実力マップ
分配金の健全度とは、分配金のうち、運用利益から支払われる「普通分配金」の割合を示したものです。
分配金は基本的に運用収益から支払われますが、状況によっては元本を取り崩す「タコ足配当」が行われる場合があり、その場合、基準価額は減少します。
既出のチャートでも、分配金込基準価額が上昇しているにも関わらず、基準価額は緩やかに減少している様子が見て取れましたね。
過去5年間では、ダイワUSリートBコースの分配金健全度は58.90%となっている為、分配金の58.90%は運用利益から、残りの41.1%は元本払戻金であったことを示しています。
基準価額を維持しながら、投資家の求める分配金水準を提供するには、この分配金健全度を適切に保つことが大切なのですが、両ファンドを比較すると、中長期的にはフィデリティUSリートBコースの方が、分配金の健全度が高くなっています。
また、ファンドの分配余力月数(現在の分配金水準を維持できる期間の目安)は、ダイワUSリートBコースが約83ヶ月(約6年11ヶ月)と悪くはないですが、フィデリティUSリートBコースでは223.09か月(約18.5年)と、より健全な水準を維持していることが分かります。
まとめると、中長期的には、両ファンドの分配金利回りは類似、分配金の健全度の面では類似ファンドに劣後していると判断できます。
運用実績と類似投資信託との比較
次に「ダイワUSリートBコース」の総合的な運用リターンを、類似ファンドと比較してみましょう。
フィデリティUSリートBコース 毎月決算/為替H無し | ダイワUSリートB 毎月決算/為替H無し | |
---|---|---|
信託報酬 | 1.54% | 1.672% |
過去1年 | +17.46% | +18.95% |
過去3年 | +10.80% | +10.89% |
過去5年 | +10.88% | +12.18% |
過去10年 | +7.35% | +7.70% |
両ファンドの分配金再投資ベースのリターンを比較すると、表中に示した全期間でダイワUSリートBコースに優位性が確認できます。
信託報酬は、フィデリティUSリートBコースの方が割安ですが、それを加味してもダイワUSリートBコースに軍配が上がります。
これまでの内容から、両ファンドのパフォーマンスは、年ごとに、そして評価する項目ごとに、優劣が交錯している状態です。
これでは読者の皆様も投資判断が難しいと思いますので、日経新聞の「QUICKファンドスコア」をお借りして、ファンドの良し悪しを視覚的に分かりやすくまとめてみます。(評価は10段階で10に近いほど優秀と言えます)
フィデリティUSリートBコース 毎月決算型/為替H無し | ダイワUSリートB 毎月決算型/為替H無し | |
---|---|---|
総合 | 10 | 9 |
リスク | 9.20 | 8.10 |
リターン | 9.70 | 9.70 |
下値抵抗力 | 9.00 | 9.00 |
コスト | 7.40 | 8.30 |
分配金健全度 | 4.30 | 3.60 |
表では、コスト面を除く全ての項目で、フィデリティUSリートBコースに優位性が見られます。
コスト面でダイワUSリートBコースに劣後しているのは、購入手数料が割高なためと考えられますが、楽天証券やSBI証券では購入手数料無料で投資することも可能です。
したがって、長期的なパフォーマンスや分配金の持続性を重視する投資家にとっては、ダイワUSリートBよりも、フィデリティUSリートBコースの方がより魅力的な選択肢であると考えられます。
※ただし、いずれのファンドも年ごとに運用がマイナスとなる年があるため、投資リスクを軽減するには長期的な視点での投資が重要です。
ダイワUSリートB掲示板の口コミ・評判紹介
そんな「ダイワUSリートBコース」ですが、日本の投資家からはどのような評判が寄せられているでしょうか?
掲示板やSNS等での投資家の口コミ・評判
投資信託ファンドについて投資家が意見を交換し合う場としては、Yahoo!掲示板やTwitterなどが活発に利用されています。
ここでは、投資関連の掲示板やSNS等に寄せられた口コミ・評判を一部紹介します。
(長い口コミは筆者が要点をまとめ)
- ダイワUSリート分配金入金。基準価額はそれ以上ダウン😭(2023年12月)
- 毎月分配するたこ足投信で、今のところ再投資している感じです。(2024年12月)
- フィデリティUSリートよりダイワUS-REITの方が純資産が多い。手数料は若干、フィデリティの方が良いんだけどなぁ。人気ないのかな?それとも運用がダメなの?(2024年5月)
- ダイワのUSリートが分配金を下げたみたいです。タコ足は、分配金が減るの最大のリスクだと思う🥺希望は基準価格を、上げて利回りを下げて欲しい。(2023年7月)
- タコ足配当では元本が減るので、長期での資産形成には向かない (2024年3月)
- タコ足分配をしているような投資信託の今後の見通しは明るいとは言えない
- 米リートは一進一退の動きも高値引けで終了!為替は日銀審議委員の追加利上げ関連発言や弱い米雇用関連指標で円高が継続!目安は▲13~▲11円位?(2025年2月)
掲示板やSNSの口コミ・評判まとめ
「ダイワUSリートBコース(毎月決算型・為替ヘッジなし)」の掲示板やSNSの口コミ評判を総合すると、全体的には、安定した分配金と米国市場の成長性が評価されていますが、「タコ足配当」による分配金の減額リスクや基準価額の下落リスクに対する不安な声も多く見られました。
中には「分配金を再投資している」というコメントを残している方もいましたが、毎月決算型の投資信託ファンドに投資しつつ結局分配金を再投資するのであれば、そもそも分配金を出さない、もしくは分配金の支払い頻度が低いファンドに投資する方が、コスト面で効率的と考えられます。
以下の表からも、「ダイワUSリート(年1回決算型/為替ヘッジなし)」の方が、運用リターンが高いうえ、信託報酬は割安であることが分かります。
ファンド名 | 信託報酬 | 運用区分 | 分配金再投資ベースの 過去3年リターン(年率) |
---|---|---|---|
ダイワUSリートBコース (毎月決算型/為替ヘッジなし) | 1.672% | アクティブ型 | +10.89% |
ダイワUSリート (年1回決算型/為替ヘッジなし) | 1.606% | アクティブ型 | +11.03% |
以上の情報から判断すると、「ダイワUSリートBコース (毎月決算型/為替ヘッジなし)」は、例えば定期収入のほしい年金受給者など、「安定した分配金の受取りを最優先する人」にメリットの大きいファンドです。
一方で、まだ引退には程遠く、毎月の給与収入のある若い世代の長期的な資産形成には、不向きである可能性が高いです。
長期の資産形成には、分配金を再投資することで複利効果を最大限に活用できる、分配金を出さない、もしくは分配頻度の低いファンドの方が効率的です。
掲示板やSNS等に挙がる投資家の意見は必ずしも正しいとは限りませんので、情報の取捨選択や信頼性の確認を徹底した上で、市場の最新情報の共有や投資判断の参考として活用されると良いでしょう。
米リート市場とダイワUSリートの今後の見通し
以上の解説を踏まえて、それでも「ダイワUSリートBコース(毎月決算型・為替ヘッジなし)」に投資したいと思った方のために、米国リート市場と本ファンドの見通しについて解説しましょう。
米国リート市場の特徴と動向
米国リート市場は、世界の上場リート市場の約7割を占める世界最大の不動産市場であり、多様な不動産セクターが存在します。
特に、近年はeコマースの拡大に伴う物流施設や、デジタル化に伴うデータセンターの需要が高まっています。
米国リート市場は、一般的に、金利・景気動向・不動産市場の需給バランスといった要因に強く影響を受けます。
具体的には以下の通りです。
金利の影響 | ・リートは不動産運営のために多くの借入を行うため、金利が上昇すると借入コストが増加し利益が圧迫。 ・金利上昇時には債券などの固定利回り商品が魅力を増し、リート市場から資金が流出しやすくなる。 ・金利低下時には高い配当利回りを求める投資家の資金流入により、リートの株価が上昇しやすくなる。 |
---|---|
景気の影響 | ・好景気時には企業業績が良くなり、オフィスや商業施設への需要が増加するため、リートの収益が拡大。 ・不況時には企業業績が悪化し、オフィスや商業施設の空室率が上昇するため、リートの賃料収入が減少。 |
不動産市場の 需給バランスの影響 | ・不動産価格が上昇すると、リートが保有する資産価値も上がるため、株式価格も上昇。 ・賃料が上昇すすると、リートの収益が増え、投資家への分配金も増加傾向に。 ・供給過多になった場合や不動産市場が冷え込むと、賃料収入が減少し、リートの成長が鈍化。 |
近年のアメリカのリート市場も、金利動向と経済状況の影響を強く受けています。
ダイワUSリートBコースの標準価額の推移チャートを見ながら解説した通り、2022年以降の急速な金利上昇により、リート市場の下落が見られましたが、2024年には底入れの兆しが現れ、反発しました。
大和USリート(Bコース)の見通し
米国リートの主要変動要因である「金利・景気動向・不動産市場の需給バランス」と、為替ヘッジ無しのBコースに影響を与える「為替」は、今後以下のように見通されています。
金利の見通し | ・米国連邦準備制度理事会(FRB)は、2025年の利下げ幅を従来予想より縮小する方針を発表 →長期金利の高止まりが予想され、リート市場にとっては資金調達コストの上昇リスク要因に |
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景気の見通し | ・米国経済は堅調な成長を続けており、リート市場には追い風 →特に住宅やヘルスケアセクターのリートは、人口動態の変化から恩恵を受けると予想 |
不動産市場の需給バランス | ・商業用不動産市場は、リモートワーク等によりオフィス需要が減少し、空室率が上昇 ・産業用不動産市場は、好調だったパンデミック初期から、2024年には供給過多による一時的な調整 →ただし、2025年には新規供給の減少と需要の回復により、需給環境の改善が期待される |
為替の見通し | ・2025年末にかけて、日米金利差の縮小に伴い「円高・ドル安」が進行する可能性 ・一方、トランプ政権の政策次第では「ドル高・円安」が進行する可能性も指摘されている |
参考:
ニッセイアセットマネジメント株式会社|REITレポート(2025年1月号)
大和アセットマネジメント|2025年の為替相場⾒通し 年末の米ドル円は141円程度に下落へ
三井住友DSアセットマネジメント|【市川レポート】2025年のドル円相場見通し
株式会社三井住友トラスト基礎研究所|米国REIT市場の最新動向-オフィスが復調示す米国REIT
BARRON’S|Real Estate Stocks Could Return 15% in 2025. Here Are 5 to Consider.
BUSINESS INSIDER|Higher interest rates, oversupply, and rising costs have battered commercial real estate. Will 2025 be different?
このように、2025年以降のUSリート市場には、プラス要因とマイナス要因の両方が存在しています。
短期的には、金利の高止まりがリートの株価上昇や物件取得の足枷となる可能性がありますが、長期的には、金利低下に伴う取引市場の本格的な回復が期待されており、米国リート市場は安定した成長が予想されています。
為替は、日米長期金利差の縮小による「円高・ドル安」傾向が予想されているため、積立投資による「ドルコスト平均法」の活用で、価格変動リスクを抑えながら投資するのがおすすめです。
高い利回りを目指すならヘッジファンドもおすすめ
これまで「ダイワUSリートBコース」について詳しく解説してきましたが、リート以外にも、高い利回りを目指す投資先としてヘッジファンドが注目されています。
ヘッジファンドでは、投資家から運用資金を預かり、高度な運用スキルを持つプロフェッショナルが運用を代行します。

具体的には、株式や債券、不動産、コモディティ、オプションなど、多様な資産に分散投資しながら、一般的な投資信託では利用制限の掛かるような高度な投資戦略を用いて、上昇局面でも下落局面でも利益を狙える運用を行います。
個人投資家が直接アクセスしにくい特殊な市場や投資機会にもアクセスするため、二桁を超える高いリターンが期待できるのがヘッジファンド最大の魅力です。
またヘッジファンドは、高い投資技術と柔軟性を用いたリスクヘッジや、下落相場での耐性の強さでも知られています。
株や債券、不動産などの他にヘッジファンドを併用することで、投資ポートフォリオ全体のリスクを抑えながらより高いリターンを追求できます。
上記以外のヘッジファンドは、以下のランキング記事でご紹介しています。

本記事の解説まとめ
本記事では、「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース」の基本情報、運用状況、掲示板やSNSでの口コミ評判、今後の見通しなどを詳細に解説しました。
本ファンドは、米国不動産市場の成長性と安定した分配金が魅力とされていますが、たこ足配当により基準価額は低迷しているため、長期的な資産形成を目指す投資家には最適な商品とは言えないでしょう。
長期的な資産形成を目指す際には、運用利益の再投資による複利効果の最大化が重要ですので、分配金頻度の少ない投資信託や、分配金を出さない方針の投資信託を検討することをおすすめします。
また、さらに高い利回りを追求したい投資家の方には、ヘッジファンドなどの選択肢も併せて検討してみると良いでしょう。
一方、安定した分配金を重視する投資家にとっては、有効な投資先の一つです。投資を検討する際には、分配金の健全度を定期的に確認し、継続的に安定した収益を得られるかを慎重に判断しながら利用しましょう。