「たわらノーロードS&P500ってどんな投資信託?」
「利回りや評判は?」
「たわらノーロードS&P500」は、低コストで米国株式市場に分散投資できる、評判の高いインデックス型投資信託です。
しかし、たわらノーロードシリーズの他の投資信託やEMAXIS Slimシリーズなど、性質の似た投資信託が多く、どのファンドを選ぶべきか悩む方も多いようです。
そこで本記事では、たわらノーロードS&P500の利回りや手数料などを、類似ファンドと比較しながら紹介。たわらノーロードS&P500の投資メリット・デメリットや口コミ評判なども紹介します。
さらに記事の最後では、昨今人気の高まる「ヘッジファンド」の解説も入れますので、ご自身に最適な投資先をお探しの方は、ぜひご参考になさってください。
たわらノーロードS&P500とは?基本概要
まずは簡単に、たわらノーロードS&P500の概要や特徴をおさらいします。
※たわらノーロードS&P500ついて既によくご存じの方は、
こちらの章「類似インデックスファンドとの利回り比較」からお読みください。
運用会社(アセットマネジメントOne)
たわらノーロードS&P500は、「アセットマネジメントOne」が運用する、低コスト投資信託シリーズの一つです。
アセットマネジメントOneは、2016年にみずほフィナンシャルグループと第一生命ホールディングスなどの共同出資により発足し、国内外の株式、債券、不動産、オルタナティブ資産など幅広い商品を提供する、日本最大級の資産運用会社です。
特に同社の「たわらノーロード」シリーズは、シンプルな商品設計とコスト競争力(業界最低水準の信託報酬)が高い評判を得ており、長期的な資産形成を目指す方に人気の投資先となっています。
アセットマネジメントOneのたわらノーロードシリーズでは、10種類の投資対象資産に対応し、計34種類のファンドが提供されています。
株式型 | 国内株式‥2ファンド 先進国株式‥6ファンド 新興国株式‥1ファンド 全世界株式‥1ファンド |
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債券型 | 国内債券‥1ファンド 先進国債券‥2ファンド |
リート型 (不動産投資信託) | 国内REIT‥1ファンド 先進国REIT‥2ファンド |
バランス型 | 14ファンド |
テーマ型 | 4ファンド |
運用方針(運用目標や基準・手数料)
「たわらノーロードS&P500」は、高い成長を続ける米国株式市場に広く分散投資するインデックス型投資信託です。
インデックス型投資信託(インデックスファンドとも言う)は、株や債券などの金融市場の指数に連動して運用し、市場平均のリターンを目指すシンプルな投資信託です。
たわらノーロードS&P500の場合は、米国の代表的な株価指数であるS&P500インデックスに連動することを目指し、米国の大型企業500社の株式に分散投資を行います。
投資対象 | 米国株式市場 |
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連動指数 | S&P500 (為替ヘッジ無) |
基準価額 (2024/10/11) | 16,171円 |
純資産額 | 623億4600万円 |
設定日 | 2023/3/30 |
決算日 | 年1回 (毎年10/12) |
分配金 | 2023年:0円 |
信託報酬手数料 | 年率0.09372% |
以下は、たわらノーロードS&P500の設定~2024/10/11時点までの基準価額の推移チャートです。
日本の株式市場が、過去30年近くベアマーケット(成長や回復がなかなか見られない停滞期)状態にある中、米国市場(S&P500)は好調に推移しています。
類似インデックスファンドとの利回り比較
日本で買える投資信託は6000本近くあり、内おおよそ30%がインデックスファンドです。
参考:投資信託協会|統計データ
インデックスファンドは、市場の特定指数(S&P500やTOPIXなど)に連動するシンプルな投資スタイルゆえ、どのファンドを選んだらよいのか決め手に欠ける場合も多いようです。
ここでは、たわらノーロードS&P500のパフォーマンスを、投資信託ランキングなどで上位にランクアップする以下の人気インデックスファンドと比較して、投資の優位性があるのかを確認してみましょう。
EMAXIS Slim米国株式(S&P500)と比較
EMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、三菱UFJアセットマネジメントの運用するインデックスファンドです。
たわらノーロードS&P500と同じく、S&P500インデックスへの連動を目標とした運用を行います。
基準価額や純資産総額はEMAXIS Slim米国株式(S&P500)の方が大きいですが、これはEMAXIS Slim米国株式(S&P500)の方が運用期間が長い(設定7年目)ことが主な理由です。
注目して比較すべき点は、表内に赤字で示した投資コストと運用成績です。
まずコスト面ですが、投資信託はファンドマネージャーに資産運用を任せるため、売買手数料のほかに「信託報酬」という手数料が掛かります。
両者の信託報酬手数料は共に年率0.09372%で、S&P500連動型のインデックスファンドの中では最安値です。
しかし、実は投資信託の運用には信託報酬以外にも掛かる費用があるため、総経費率で見た方がより正確です。
表の通り、総経費率は若干EMAXIS Slimの方が割安です。
次に運用成績ですが、両者は同じS&P500指数に連動するものの、様々な理由により生じる※トラッキングエラーにより、運用成績が完全には一致しない場合もあります。
インデックスファンドの運用成果が、目標とする指数(ベンチマーク)とどれだけズレているかを示す指標。採用銘柄の組入比率、運用コスト、現金保有比率、ポートフォリオの調整のタイミングや方法の違いなどによりトラッキングエラーが発生する。
たわらノーロードS&P500とEMAXIS Slim米国株式(S&P500)の場合も、過去1年の運用実績(リターン・リスク・投資効率)はほぼ同等ではあるものの、総経費率や前述のような理由から、0.11%ほどMAXIS Slim米国株式(S&P500)の利回りが高くなっています。
この0.11%の利回りの差による利益への影響を、簡単にシミュレーションしてみると、
100万円を運用していた場合、
100万円×0.11%=1,100円
年間1,100円(税引き前)の利益差が出るイメージです。
結論、これまでの運用から判断する限りでは、EMAXIS Slim米国株式(S&P500)に対し、たわらノーロードS&P500に顕著な優位性があるとは言えないでしょう。
たわらノーロード全世界株式/先進国株式と比較
たわらノーロードシリーズには、米国株式市場を投資対象とする7つのファンドが存在します。
ここでは、中でも評判が高く、多くの人に選ばれている「たわらノーロード先進国株式」と「たわらノーロード全世界株式」の2つのファンドと、パフォーマンスを比較してみます。
上記3ファンドの大きな違いは、投資対象市場の違いです。
たわらノーロードS&P500が米国株式市場のみに投資するのに対し、たわらノーロード先進国株式や全世界株式は、世界の株式市場に広く分散投資を行います。
たわらノーロードS&P500は設定から日が浅く、過去1年分の運用実績しか比較できないため、ここでは各ファンドが連動する指数のパフォーマンスを比較してご紹介します。
たわらノーロード先進国株式や全世界株式は、その分散性の高さから、米国市場単体に投資するよりもリスク軽減が見込めることがメリットとされています。
しかし、各連動市場の過去パフォーマンスからは、投資先の分散によってリスクが大幅に抑えられているとは言い難いです。
運用に掛かるリスクに対し、どの程度効率よくリターンが出せたかを表す「シャープレシオ」を見ても、比較した全ての期間で、S&P500がより優秀な結果を残しています。(※シャープレシオが大きい程運用効率が良いと評価される)
また投資コストも、たわらノーロード先進国株式や全世界株式に比べてS&P500の方が割安ですので、3ファンド内であえて投資先を選ぶのであれば、筆者はS&P500を選びます。
分散性を考慮するのであれば、米国株式市場に投資するS&P500連動型の投資信託と、株式以外の債券や不動産などの別の資産クラスに分散投資する方が、より高い分散効果が期待できるでしょう。
NISAやつみたてNISAを利用した場合の運用成果シミュレーション
NISA(少額投資非課税制度)やつみたてNISA、またiDeCo(個人型確定拠出年金)で投資信託を運用すれば、一定の条件内で運用益が非課税となるため、手元に利益が残りやすくなります。
これらの制度の適用条件である、低コスト・安定した運用実績・分散性などの条件をクリアしているたわらノーロードS&P500も、もちろん制度利用対象ファンドに指定されています。
これらの制度を利用して、非課税でたわらノーロードS&P500に投資した場合の利益をシミュレーションしてみると、
年間総額60万円を投資する場合
一括投資(60万円を一度に投資)‥
1年の運用利益は約17.26万円
(17.26万円×20.315%=約35,050円の税金が節税できる)
積立投資(月々5万円ずつ)‥
1年の運用利益は約6.37万円
(6.37万円×20.315%=約12,940円の税金が節税できる)
というシミュレーションになります。
※シミュレーションは過去の運用利回りをもとに行っており、今後の利回りを確実に予想するものではありません。
結局たわらノーロードS&P500は投資価値あり?投資メリット・デメリット
では、これまでの内容のまとめとして、たわらノーロードS&P500のメリット・デメリットを簡単に整理しましょう。
- 信託報酬が安い:信託報酬コストが非常に低いため、運用コストを抑えリターンを最大化できる
- S&P500指数に連動:世界最大の株式市場である米国市場の成長の恩恵を享受できる
- 分散投資:S&P500指数は500銘柄で構成されており、一銘柄に集中投資するリスクを分散できる
- 税制優遇:NISAやiDeCoを利用できるため、非課税で運用できる
- 手軽に始められる:100円程度の少額から投資を始められ、自動積立も可能
- 知識や時間がなくてもできる:実際の運用は専門家が行うため、投資初心者や多忙な方でも取り組みやすい
- 為替リスク:S&P500指数はドル建てのため、円高が進めば、円建てでの評価額が下がる
- 市場リスク:株式市場全体が下落した場合、ファンドの価値も下落する
- 短期的な値動き: 短期的な視点で見ると、値動きが大きく、損失が出る可能性がある
- 下落相場に弱い:投資信託では空売りやレバレッジの利用が制限されるため、下落相場ではマイナス運用になりやすい
このような特徴から、たわらノーロードS&Pに適性のある方は以下のような方々です。
たわらノーロードS&P500に関する評判・口コミ
さて、投資先を決定する際には、既に投資している方の口コミや評判が気になるものです。
しかし、たわらノーロードS&P500は設定から1年半の若いファンドですので、口コミ評判は残念ながらまだ多くありません。
そこで、たわらノーロードS&P500に関する投資家の口コミ評判以外に、たわらノーロードS&P500の運用に直結する「S&P500指数」に関する口コミ評判を紹介しますので、参考にされたい方は併せてご覧ください。
たわらノーロードS&P500の口コミ評判
オルカンの中身は アメリカ株60%以上で劣化版S&P500ですよ。
オルカンとは名前だけで40か国くらいしか分散してないし
アメリカこければ他の国も連動してこけるから
このままS&P500でイイトオモウ。
どうしても分散したいならインド当たりのがまだマシ。
この口コミ評判では、「オルカン(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス)」に連動する投資信託は、結局は米国株に偏っており、分散性には限界があることを指摘されています。
本記事でもオルカンに連動する投資信託として「たわらノーロード全世界株式」を比較対象として紹介しましたが、たわらノーロード S&P500よりも際立ってリスクが抑えられているとは言えない結果でしたね。筆者もどっちかというとS&P500がおすすめです。
たわらノーロードS&P500は、eMAXISスリムと比べると半額に近いくらいの価格なので買いやすいと思います。
引用元:たわらノーロード S&P500【47318233】の掲示板
この方のご指摘される通り、両ファンドの基準価額(2024/10/11時点)は、たわらが16,171円、EMAXIS Slimが31,023円と、設立から短いたわらノーロードS&P500が圧倒的に安いです。
ただ、楽天証券やSBI証券などのネット証券などでは、100円程度の低額から購入できますし、基準価額が安いからといって、実質的な「買いやすさ」や「投資価値」が高まるわけではありません。
初めまして!
㊗︎NISAデビュー!
成長投資枠で満額突っ込みました。
ドキドキしてます💓
引用元:たわらノーロード S&P500【47318233】の掲示板
たわらノーロードS&P500は、安定した利回り、分散性、コストの安さなどから、NISA成長枠・つみたてNISAにおすすめなファンドランキングで上位に上がることが多いようです。そのためNISA口座で購入したという口コミ評判が多く見られました。
S&P500の短期的な見通しについての口コミ評判
大統領選のことがメディアであまりにも取り上げられないですよね。
2000年の大統領選では10月末に大きく落ち込んで、選挙後に爆上がりしている。
中東情勢も落ち着きつつあるし、この流れをメインシナリオに今月は様子見が一番なのでしょうか。
引用元:S&P500【^GSPC】の掲示板 2024/09/15〜
2024年は、11月に米国大統領選挙の影響により、短期的に市場のボラティリティが高くなると予想されており、多くの投資家の皆さんが「先行きが分からない」というような口コミ評判を残しています。
共和党が勝利した場合は税制改革や規制緩和が期待され、企業収益にポジティブな影響を与える一方、民主党政権の再選は気候政策や増税の可能性が高まり、一部業種には圧力がかかるという予想はあるものの、選挙結果が出るまでは確かなことは言えません。
一括ではなく積立投資であれば 購入価格の平均化が期待できるため、そこまで過度に心配する必要はないでしょう。
S&P500の長期的な見通しについての口コミ評判
米国の景気も良く利下げも予定され、6000までは行くだろう。
引用元:S&P500【^GSPC】の掲示板 2024/09/15〜
米国の大統領選挙の影響はあくまで一時的という見方を示す専門家が多く、選挙結果よりもFRB(連邦準備制度)の金利政策が市場に与える影響の方がより重要視されています。
2024年は、インフレの低下と今後の利下げ期待が株価上昇の支えになる、米国の消費者の堅調な支出が市場にポジティブな影響を与える、AI分野の企業が市場を牽引する、などのポジティブな予想が多く見られます。
市場環境に左右されない運用を目指すならヘッジファンドもおすすめ
たわらノーロードS&P500は、「手間暇を掛けずに、非常に低コストで、成長性の高い米国株式市場に分散投資できる」投資先として、今後さらに投資する人が増えることが予想されますが、一つ注意点を上げるとしたら下落相場における「脆弱性」でしょう。
投資信託(特にインデックスファンド)は、特定の指数に連動する戦略が多く、相場全体が下落すると、それに伴い基準価額も下がります。
市場平均を超える運用を目指すアクティブ型の投資信託もありますが、いずれにせよ投資信託は金融庁の規制により運用手法に制限が掛かるため、下落相場で柔軟に戦略を変え、下落を綺麗に回避したり、利益に繋げたりということが難しくなるのです。
一方、下落での耐性の強さが魅力なのが、最近日本でも利用者の増えている「ヘッジファンド」です。
ヘッジファンドも、投資家から集めた資金を一括でファンドマネージャーが分散投資し、その成果が投資家に分配されるため、投資初心者や、運用に時間の取れない多忙なビジネスパーソンの方でも手軽に取り組める投資先です。
ヘッジファンドが下落相場に強い理由は、規制が比較的緩いため、幅広い金融商品に投資でき、空売りや先物取引、オプション取引など高度な戦略も自由に行えるからです。
このような特性から、ヘッジファンドの利回りは年利10%以上と高く、投資の知識が少ない初心者の方でもプロの手腕で高いリターンを目指せるのが魅力です。
以下は国内で投資可能なおすすめヘッジファンドの一例です。
ヘッジファンド | 最低投資額 | 過去の運用実績から見た期待利回り |
---|---|---|
BMキャピタル | 1000万円 *1000万未満も相談可 | 年利10%以上 |
ハイクアインターナショナル | 500万円 | 固定年利12% |
運用開始 | 2013年 |
---|---|
投資対象 | 日本株(バリュー株) |
年間利回り | 平均10%以上 |
最低投資額 | 1000万円 *1000万円未満の相談可 |
ロックアップ期間 | 3ヶ月 *3ヶ月に1回出金、解約が可能 |
資料請求・ 運用の相談 | 無料 |
面談の形式 | オンラインまたは対面 |
公式サイト | BMキャピタル公式サイト |
2013年創業の老舗ヘッジファンド「BMキャピタル」は、運営歴が10年以上あるにも関わらず、運用成績がマイナスになった年が1度もないという安定した運用が魅力です。
運用利回りは、バリュー株投資をメインに平均利回り10%以上。
バリュー株(割安株)は株価の下落リスクが少なく、今後株価が上昇する可能性が高いことから、長期運用によってリターンが得られやすくなります。
ヘッジファンドは一般的に、過去の投資実績や戦略などの詳しい情報を一般公開しないため、問い合わせや面談等を通して情報提供を受けるのが通例です。
面談は無料でセールストークなどはないため、関心のある方は公式サイトから問い合わせしてみるとよいでしょう。
運用開始 | 2023年 |
---|---|
投資対象 | ベトナム企業 |
年間利回り | 12% |
最低投資額 | 500万円 |
公式サイト | ハイクアインターナショナル公式サイト |
ハイクアインターナショナル(以下、ハイクア)は、親会社であるSAKUKO VIETNAM(以下、SAKUKO)への貸付利息を投資家に利益として還元するファンドです。
SAKUKOは、日本製品の販売店やスイーツ店、ホテルを多数展開するベトナムの日系企業です。
ハイクアが利息を投資家に利益として還元する仕組みは、次のとおりです。
ハイクアは金融商品への投資ではなく、経済成長著しいベトナム企業への融資という投資案件です。
そのため、リスクが格段に低く堅実なリターンを期待できます。
ハイクアの最低投資額は500万円で、他のヘッジファンドと比較しても始めやすい金額設定のため、投資初心者におすすめのヘッジファンドです。
興味のある方は、お問い合わせや資料請求等で詳しい情報をご確認されてみてください。
たわらノーロードS&P500の評判解説まとめ
たわらノーロードS&P500は、長期での米国市場の成長を期待する投資家にとって、手軽に少額から始められる優れた投資信託です。
信託報酬が低く、コスト面で優位性が高いため、特に長期の積立投資や分散投資を考えている人に向いています。
ただし、円高に進んだ場合の為替リスクや米国市場への依存度が高い点には注意が必要ですので、国内資産や株以外の資産クラスに分散投資するなど、リスク分散を考慮した運用を心掛けましょう。
またある程度資産の余裕のある方は、投資信託と既出のヘッジファンドを併用することで、相場の不調時にも収益性の高い運用が期待できます。
ヘッジファンドの特徴やランキングなどのより詳しい情報をご覧になりたい方は、以下の関連記事もご参考になさってください。