日本の投資家が最初に確認すべきなのは、信頼できる「資産運用会社ランキング」です。
理由は、運用会社によって得意分野や手数料体系が異なるため、自分の投資目的に合った会社を見極めるには比較検討が欠かせないからです。
たとえば、日本国内では野村アセットマネジメントや三菱UFJ国際投信、日興アセットマネジメントといった大手から、SBI・バンガードなどの低コストな資産運用会社まで、選択肢は豊富です。
人気ランキングでは、これら日本の大手会社が上位に名を連ねることが多いです。
しかし、単純な知名度ランキングだけでなく自分の投資スタイルに合った会社を選ぶことが重要です。
そこで、本記事では日本の主要資産運用会社のランキングとそれぞれの特徴をわかりやすく解説します。
ぜひ、最後までお読みいただき自分の投資目的やリスク許容度に合った運用会社を選ぶ参考にしてください。
資産運用会社とは?特徴を解説
お金を効率よく増やしたい人、投資の知識がない、または、おこなう時間がない人などさまざまな理由で資産運用会社を検討する人は多いです。
ここでは、資産運用会社について2つ。
それぞれ詳しく解説をしていきます。
そもそも資産運用会社とはどのようなものか、その役割や特長を確認してみましょう。
資産運用会社とは投資信託の運用を手掛ける会社
資産運用会社とは、投資家から預かったお金を株式や債券、不動産などに投資し、資産を増やすことを目的として運用を行う専門会社のことです。
具体的には、投資信託という商品を作り、信託銀行と連携して実際の売買をおこなうのが『資産運用会社』です。

引用元:一般社団法人投資信託協会
こうした専門的なサービスは、株式や債券の動きを常に追いかけ、リスクをうまくコントロールするのに苦労する個人投資家にとって、まさに救世主のような存在ではないでしょうか。
また、発生した収益は、主に運用残高に応じた信託報酬によるものです。
信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらうための経費として、投資信託を保有している間に投資が支払い続ける費用のことです。
引用元:Yahoo!ファイナンス
信託報酬は、投資家の資産を管理・運用する運用会社や販売会社、信託銀行などに分配されます。
繰り返しになりますが、専門的な知識と徹底した管理体制を持つ資産運用会社は、私たちの大切な資産を預ける重要なパートナーといえるでしょう。
資産運用会社の役割
資産運用会社は、投資家の資金を増やすプロ集団であり、その中心となるファンドマネージャーが投資判断をします。
たとえば、市場動向の分析や銘柄選定など、専門知識が必要な判断を代行してくれます。
投資のプロであるファンドマネージャーがおこなう業務は大きく分けて3つです。

- 「フロント業務」投資判断
- 「ミドル業務」リスク管理や資料作成
- 「バック業務」基準価額を計算
投資の世界では、ファンドマネージャーの戦略と洞察力が運用成績を大きく左右します。
市場の変動を読み、タイミングよく投資判断をくだせるプロの腕前こそが、投資信託の命となります。
自分で複雑な投資戦略を立てるのは苦手と感じている人にとって、こうしたプロの知見は、資産形成の強力な味方となるでしょう。
日本国内の資産運用会社純資産総額ランキングTOP10【2025年最新】
日本において注目を集めるだけでなく、確かな実績と純資産総額の大きさを兼ね備えた資産運用会社を見ていきましょう。
ランキング(日本)1位:野村アセットマネジメント

会社名 | 野村アセットマネジメント |
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本社所在地 | 東京都江東区豊洲2-2-1 |
設立年 | 1959年 |
純資産総額 | 92.2(兆円) |
引用元:野村アセットマネジメント
野村アセットマネジメント株式会社は、歴史ある日本を代表する資産運用会社です。
特徴は、オルタナティブ資産の運用にも注力する先進的な取り組みなど幅広い資産運用サービスを提供している点です。
野村アセットマネジメントの特徴は以下のとおり。
- 投資信託やETFを含む幅広い資産運用サービスを提供
- 国内ETF市場シェア44%を獲得
- 「NEXT FUNDS」シリーズなど特徴的な商品ラインナップ
- 野村グループの中核企業としての強固な基盤
- ESG投資に特化した専門部門を設置
ESG投資とは財務情報のような従来の投資尺度に加えて、企業の環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(企業統治、Governance)などより幅広い情報を考慮し、リターンを追求する投資手法のことで、責任投資(Responsible Investment)とも呼ばれています。
引用元:三菱UFJ信託銀行
野村アセットマネジメントは、地域を選ばず投資家の利益を追求するため、アジア圏だけでなくアメリカやヨーロッパへも積極的に展開をしています。
強みは、野村グループの一員として60年以上にわたって築き上げてきた確かな運用実績と厚い顧客基盤にあるでしょう。
ランキング(日本)2位:三菱UFJ信託銀行

会社名 | 三菱UFJ信託銀行株式会社 |
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本社所在地 | 東京都千代田区丸の内1丁目4番5号 |
設立年 | 1927年 |
純資産総額 | 41.3(兆円) |
引用元:三菱UFJ信託銀行
三菱UFJ信託銀行株式会社は、総資産額41兆円超(2024年3月末時点)を誇る、三菱UFJフィナンシャル・グループの中核を担う日本を代表する資産運用会社です。
三菱UFJ信託銀行の主な特徴は次のとおり。
- リテールバンキング、市場およびグローバル業務を展開
- 国内48支店と3サテライトオフィス、海外12拠点のネットワーク
- 責任投資やESG投資に積極的に取り組む
- 信用格付け:ムーディーズA1、S&P A、JCR AAなどの高評価
- 信託業務と資産運用の両方に強みを持つ総合金融機関
信用格付では、AAの高評価を受けており、信頼性と実績を兼ね備えた企業です。
ランキング(日本)3位:日興アセットマネジメント

会社名 | 日興アセットマネジメント |
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本社所在地 | 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウンタワー |
設立年 | 1959年 |
純資産総額 | 36.9017(兆円) |
引用元:日興アセットマネジメント
日興アセットマネジメント株式会社は、1959年に日興證券投資信託委託株式会社として設立され、1999年に日興アセットマネジメントとして発足した長い歴史を持つ資産運用会社です。
特徴は「インベストメントテクノロジー分野における第一人者」としての地位を確立している点です。
インベストメントテクノロジーとは、投資工学で各種の投資方法、周辺ノウハウを体系化する技術を指します。
引用元:コトバンク
また、「新商品がうまくヒットすることが多く、新たなビジネスが次々と生まれている」企業として評価されています。
日興アセットマネジメントの主な特徴がこちら。
- アジア市場におけるETF分野で高い評価を獲得
- アクティブ運用とパッシブ運用の両方に強み
- 責任投資やESG(環境・社会・ガバナンス)投資にも注力
- グローバルな視点とアジアのDNAを融合させた独自のアプローチを採用
グローバル市場の変化に柔軟に対応できる、トップクラスのファンドマネージャーやアナリスト、トレーダーで構成された運用チームは、まさに現代の投資環境において最大の強みといえるでしょう。
ランキング(日本)4位:大和アセットマネジメント

会社名 | 大和アセットマネジメント |
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本社所在地 | 東京都千代田区丸の内1-9-1 グラントウキョウ ノースタワー |
設立年 | 1959年 |
純資産総額 | 32.3(兆円) |
引用元:大和アセットマネジメント
大和アセットマネジメント株式会社は、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資に注力し、持続可能な社会の実現を目指す日本を代表する資産運用会社です。
大和証券という国内有数の金融機関との強力なパートナーシップは、まさに資産運用会社にとって頼もしい追い風。
販売網の太さと信頼性が、市場での勝負を有利に進める切り札となっています。
大和アセットマネジメントの主な特徴は次のとおり。
- 国内市場の投資信託分野でトップクラスのシェアを獲得
- グローバルな視点を活かした投資機会を提供
- 業界最低水準の運用コストを目指す取り組み
- 確定拠出年金向けファンドや長期資産形成商品が充実
- 大和証券グループの中核企業としての強固な基盤
責任投資の一環として、スチュワードシップ活動を積極的に行い、顧客の利益を最優先に考える姿勢を示しています。
ランキング(日本)5位:三井住友DSアセットマネジメント

会社名 | 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 |
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本社所在地 | 東京都港区虎ノ門一丁目17番1号 |
設立年 | 2002年 |
純資産総額 | 13.5(兆円) |
引用元:三井住友DSアセットマネジメント
三井住友DSアセットマネジメント株式会社は、2025年の「R&Iファンド大賞」や「LSEGリッパー・ファンド・アワード・ジャパン2025」で最優秀ファンド賞を受賞するなど、運用成績で高い評価を得ている資産運用会社です。

三井住友DSアセットマネジメントの主な特徴は次のとおり。
- 投資運用業、投資助言・代理業、第二種金融商品取引業を展開
- 投資信託分野での実績が特に際立つ
- ESG投資に積極的に取り組む
- ロンドンやニューヨークなどの海外拠点を活用したグローバル展開
- 確定拠出年金向けファンドや長期資産形成商品が充実
- アクティブ運用とパッシブ運用の両方に強み
グローバル社会や企業の将来性を見通し、納得のいく投資判断を積み重ねていく投資スタイルは投資家に確かな手応えを与えているといえます。
ランキング(日本)6位:三菱UFJアセットマネジメント

会社名 | 三菱UFJアセットマネジメント (旧:三菱UFJ国際投信) |
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本社所在地 | 東京都港区東新橋1-9-1 東京汐留ビル |
設立年 | 1985年 |
純資産総額 | 10.7017(兆円) |
引用元:三菱UFJアセットマネジメント
三菱UFJアセットマネジメント株式会社は、2023年10月1日に「三菱UFJ国際投信株式会社」から「三菱UFJアセットマネジメント株式会社」に社名変更しました。
特徴として、「eMAXIS Slim」シリーズを中心に業界最低水準の運用コストを実現し、投資初心者でも始めやすく長く続けやすい商品設計が強みです。
三菱UFJアセットマネジメントの主な特徴は次のとおり。
- 実績ありの確定拠出年金向けファンドがある
- ロンドンなどの海外拠点を活用したグローバル展開
- 国内最大級のインデックスファンド「eMAXIS Slim」シリーズを展開
- ETF「MAXIS」シリーズなど特徴的な商品ラインナップ
- 業界最低水準の運用コストを目指す取り組み
確定拠出年金向けファンドや「グローバル・ソブリン・オープン」などの商品もあります。
また、バブル崩壊やアジア通貨危機など困難な経済状況の中でも冷静かつ的確な判断をくだせる経験豊富な運用体制を掲げている点も頼もしいです。
ランキング(日本)7位:アセットマネジメントOne

会社名 | アセットマネジメントOne |
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本社所在地 | 東京都千代田区丸の内1-8-2 |
設立年 | 2016年 |
純資産総額 | 8.4072(兆円) |
引用元:アセットマネジメントOne
アセットマネジメントOne株式会社は、みずほフィナンシャルグループと第一生命ホールディングスが共同で設立した資産運用会社です。
特徴は、グローバルな運用リサーチ体制を持ち、伝統的資産のアクティブ運用からインデックス運用まで幅広く対応している点です。
アセットマネジメントOneの主な特徴はこちら。
- ESG投資や責任投資に積極的に取り組む
- 国内外の機関投資家向けに高度な運用ソリューションを提供
- 「R&Iファンド大賞」などの受賞実績が豊富
- 国内市場のETFや投資信託分野でトップクラスのシェア
- 顧客との信頼関係を重視するアプローチ
「機関投資家向け事業」と「個人投資家向け事業」の両方で最高水準のサービスやシステムを目指している点も見逃せません。
ランキング(日本)8位:ニッセイアセットマネジメント

会社名 | ニッセイアセットマネジメント株式会社 |
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本社所在地 | 東京都千代田区丸の内1丁目6番6号 |
設立年 | 1985年 |
純資産総額 | 3.66(兆円) |
引用元:日生アセットマネジメント
三菱UFJアセットマネジメントは、個人向け公募投資信託と法人・団体向け私募投資信託の両方を提供しているのが特徴です。
豊富な商品ラインアップを取り揃え、投資家向けセミナーへの講師派遣、独自分析を加えたマーケットレポートの提供など資産運用のサポートが好評です。
ニッセイアセットマネジメント株式会社の主な特徴はこちら。
- 運用資産残高約70兆円で国内最大手(2022年10月時点)
- 日本初の外国証券投資を目的とした投資信託設定の実績
- 個人投資家から海外公的年金まで幅広い顧客層をカバー
- 「資産運用先端技術研究部」や「責任投資調査部」などの専門部署を設置
- ESG投資など積極的に取り組む
株式や債券といった伝統的資産からオルタナティブ投資に関する手段やノウハウを提供しています。
ランキング(日本)9位:東京海上アセットマネジメント

会社名 | 東京海上アセットマネジメント株式会社 |
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本社所在地 | 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 |
設立年 | 1985年 |
純資産総額 | 2.94(兆円) |
引用元:東京海上アセットマネジメント
東京海上アセットマネジメント株式会社は、東京海上グループの一員として日本・アジアを拠点とする主要な資産運用会社です。
東京海上アセットマネジメントの主な特徴はこちら。
- ESG投資に積極的に注力
- 東京海上グループの中核企業として機能
- 国内外のネットワークを活用したグローバル展開
- アジア、欧州、米国などの地域で幅広い投資機会を提供
- 革新的な運用戦略と顧客ニーズに応える柔軟性を特徴とする
東京海上グループの中核企業として、国内外のネットワークを活用し、アジア、欧州、米国などの地域で幅広い投資機会を提供しています。
ランキング(日本)10位:ピクテ投信投資顧問

会社名 | ピクテ・ジャパン株式会社 |
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本社所在地 | 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 |
設立年 | 1986年 |
純資産総額 | 0.6(兆円) |
引用元:ピクテ投信投資顧問
ピクテ・アセットマネジメント株式会社は、スイスに本拠を置くピクテグループの一員の資産運用会社です。
特徴は、金融業界では珍しく上場企業のような外部株主からの利益追求圧力がないため、顧客第一主義を貫いている点です。
ピクテ投信投資顧問の主な特徴はこちら。
- 約6,000億米ドルの資産を株式・債券・代替投資などに運用
- 水資源やロボティクスなどのテーマ型投資で市場の成長分野に注力
- パートナーシップ体制を重視
- 外部株主の影響を受けず顧客利益を優先
- 世界20カ国以上に拠点をもつ
投資の世界において、ピクテは「資産を守る」というコンセプトを、2世紀以上にわたり一貫して追求してきました。
この深い歴史と独自の企業文化に根ざしたプレミアムなブランド戦略は、競合他社には容易にマネできないピクテ独自の魅力的な投資アプローチといえるでしょう。
資産運用会社を利用するメリット
大切な資産を託す資産運用会社を利用する上で良い点を3つご紹介します。
一つずつ確認していきましょう。
専門家に運用を任せられる
資産運用会社のプロフェッショナルは、投資家の資産を成長させる最高のパートナーとなります。
なぜなら、投資家のプロたちは膨大な市場情報を瞬時に分析できる高度な能力を持っているからです。
具体的には、世界中の経済動向、企業の財務状況、地政学的リスクなどを徹底的に調査して投資判断をしています。
たとえば、NYダウやNASDAQの動向、中国経済の変化、新興国市場の潜在性まで、多角的な視点で分析します。
専門家に運用を委託することで、個人では難しい高度な投資戦略を実現できるのです。
分散投資によるリスクヘッジができる
資産運用会社は、投資家の資産を守るための防御策を講じています。
具体的には、日本株、米国株、新興国株、債券、不動産などを複合的に組み合わせます。

もう少し噛み砕くと、いろいろな投資先に資金を戦略的に配分しているのです。
特定の市場や業種に偏らない、バランスの取れたポートフォリオを組めばリスクも軽減されるというわけです。
結果として、市場の変動リスクを最小限に抑え、安定的な資産形成の道を切り開けるのです。
資産運用会社のサポートを受けられる

資産運用会社は、投資家の心強い味方となります。
なぜなら、投資に伴う不安や疑問に真摯に向き合うサポート体制があるからです。
実際に、定期的な運用報告書の提供、オンラインセミナー、個別相談など、多様なサポートが充実しています。
さらに、もし理解しづらい金融用語があれば、専門家なら噛み砕いて丁寧に説明も受けられるでしょう。
大切なのは、長期的な資産運用の道のりの中で、専門家によるサポートで安心感が得られることです。
資産運用会社を利用するデメリット
資産運用会社を利用する上で、慎重な判断が求められる場面も知っておく必要があります。
注意すべき点は3つ。
慎重な判断が求められる3つの場面も確認していきましょう。
手数料がかかる
資産運用会社の利用は、様々な名目で手数料が発生します。
具体的には、購入時手数料、運用管理費用、解約手数料などがかかり、こうした費用は投資リターンから差し引かれます。
費用項目 | 説明 | 投資リターンへの影響 |
---|---|---|
購入時手数料 | 投資信託や金融商品購入時に発生 | 投資額が目減り |
運用管理費用 | ファンドや資産運用の管理費 | 長期的に収益が減少 |
解約手数料 | 売却時にかかる費用 | 売却時に利益が減少 |
たとえば、投資信託で一般的な年間1.5%の信託報酬は、1000万円の投資額に対して年間15万円の負担です。
仮に、年間15万円の手数料が20年間続くと、単純計算でも300万円の費用がかかることになります。
さらに複利効果を考慮すると、将来の資産から500万円以上も減ってしまう計算です。
また、投資信託の購入時には3%程度の手数料がかかるケースもあり、100万円の投資なら3万円が初期費用として差し引かれます。
そのため、手数料構造を十分に理解しながら、投資判断に組み込むことが賢明です。
投資判断の制限を受ける
資産運用会社に資金を委託することは、投資の自由度が制限されることを意味します。
具体的には、市場環境が急激に変化した際も、投資家は即座に対応できません。
たとえば、経済情勢の急変や地政学的リスクの高まりがあっても、運用会社の判断を待つ以外に選択肢は無いのです。
結果として、投資家個人の投資判断は著しく制限されることになります。
運用成績がよくない場合がある
投資における最大のリスクは、期待した収益が得られない可能性があることです。
実際に、高い評価を受けているファンドマネージャーであっても、予期せぬ市場変動や経済危機により、期待を下回る運用成績となることは珍しくありません。
つまり、過去の優れた運用実績が将来の成功を保証するわけではないのです。
したがって、投資家は市場の変動を冷静に受け止め、長期的に構える姿勢が大切なのです。
資産運用会社の選び方を徹底解説
大切な資産を預ける資産運用会社を選ぶ際に確認すべき大切なポイントは4つ。
1つずつ確認していきましょう。
資産運用会社の運用方針を確認する
自分に合う会社を探すのは、相性が全てを決めるパートナー探しと同じです。
たとえば、若い世代なら成長株重視、シニア世代なら安定性優先と、人生ステージで求める運用は違います。
自分の価値観と投資戦略が合致する会社を見つけることが重要なのです。
結局のところ、共感できる運用方針こそが最大の選択基準となるでしょう。
資産運用会社の手数料を比較する
多くの投資家が見落としがちなのが、長期運用における手数料の重要性です。
なぜなら、わずか数百円の違いでも複利効果により最終的な資産形成に大きな影響を与える可能性があるからです。
たとえば、年間1%と0.5%の信託報酬の差は、一見わずかに思えますが、1000万円の投資で10年後には約70万円、20年後には約220万円もの差になります。
経過年数 | 信託報酬 1.0%の場合(円) | 信託報酬 0.5%の場合(円) | 差額(円) | 差額(%) |
---|---|---|---|---|
0年 | 10,000,000 | 10,000,000 | 0 | 0.00% |
5年 | 12,166,529 | 12,461,819 | 295,290 | 2.43% |
10年 | 14,802,443 | 15,529,694 | 727,251 | 4.91% |
15年 | 18,009,435 | 19,352,824 | 1,343,389 | 7.46% |
20年 | 21,911,231 | 24,117,140 | 2,205,909 | 10.07% |
25年 | 26,658,363 | 30,054,345 | 3,395,981 | 12.74% |
30年 | 32,433,975 | 37,453,181 | 5,019,206 | 15.48% |
コスト比較を怠ると、本来得られるはずだった利益が目減りしてしまうのです。
表は、年間リターン5%(税引前)を一定と仮定しています。
しかし、実際の市場では変動があるものの、信託報酬の差は常に一定のコストとして引かれ続けるため、長期的には大きな影響を与えます。
低コストの投資信託を選ぶことが、長期的な資産形成においていかに重要かがわかる結果ではないでしょうか。
大切なのは、単純に安いだけで選ぶのではなく、過去の運用実績やサービス内容も含めたコストパフォーマンスを冷静に見極めることです。
サポート体制があるか確かめる
投資の不安は、適切なサポートで軽減できます。
実際に、どんな相談窓口があるか、情報提供の質はどうかを確認します。
チェック項目 | 向いている人の例 |
---|---|
オンライン相談はできるか | 忙しくて店舗に行けない人、若年層 |
レポートはわかりやすいか | 初心者、自分で確認しながら学びたい人 |
セミナーは充実しているか | 勉強しながら投資したい人 |
電話サポートはあるか | ネット操作に不安がある人、中高年層 |
アプリ・サイトの操作性は簡単か | スマホで気軽に資産管理したい人 |
取扱商品の種類は豊富か | 自分のスタイルに合った商品を選びたい人 |
たとえば、オンライン相談の使いやすさ、レポートの分かりやすさ、セミナーの充実度などが重要なポイントです。
ネット環境が苦手な方は、電話サポートは必須でしょう。
素人でも使いやすいサポート体制かどうかが、最大の判断基準となります。
長い投資生活の中でプロの背中を押してくれるサポートは、投資家の心の支えになるでしょう。
口コミや評判を見る
噂は、実態を映し出すもっとも正直な情報源といえるかもしれません。
投資家フォーラムや専門家のレビュー、友人や同僚の体験談など、さまざまな声がその企業の評価につながります。
ただし、極端な意見に振り回されず、複数の視点から冷静に判断することが大切です。
プロに運用を任せたい人に人気|オルタナティブ投資

株や債券に加え、不動産や未上場企業向け融資など、伝統的でない資産に投資する「オルタナティブ投資」。
市場の変動に強く、専門家による運用が中心なため、プロに任せて着実に資産を増やしたい人に選ばれています。
ここでご紹介するファンドは2つ。
この2つのファンドは、どちらも伝統的な資産クラスとは異なるリターンを狙える点で注目されています。
運用の仕組みやリスク構造が複雑なため、内容をよく理解することがファーストステップです。
プライベートデットファンド

プライベートデットファンドとは、ファンドなどの銀行以外の主体が非上場企業に貸し出しているローンに対する投資のことです。
通常の銀行融資を受けにくい中堅・中小企業やスタートアップ企業が主な融資先となります。
融資を受けた企業は契約に基づいて利息を支払い、その一部が投資家への配当となるという仕組み。

具体的には、東南アジアの成長企業への融資を専門とするファンドや、国内の事業承継に悩む中小企業を支援するファンドなどのプライベートデットファンドが存在します。
メリットとして、銀行預金と比較して高い利回りが期待でき、かつ株式市場の変動に左右されにくい特徴があります。
そのため、安定した収益を求める投資家にとって、プライベートデットファンドはポートフォリオの分散効果を高める有効な選択肢のひとつになるでしょう。
ここで、プライベートデットファンドの運用先『ハイクア・インターナショナル』をご紹介します。

投資家はハイクア・インターナショナルを介して、ベトナムにある提携先「SAKUKO VIETNAM」へ資金を貸し付けます。
そして、その貸付によって生じる利息収入が、投資家にとってのリターンとなります。
運用会社 | ハイクアインターナショナル 合同会社 |
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代表社員 | 梁秀徹 |
本社所在地 | 〒581-0016 大阪府八尾市八尾木北1-44 |
設立 | 2023年 |
利回り | 年間12%(固定) |
最低投資額 | 500万円 |
実際の利益 | ・3ヶ月に1度15万円の配当 ・年間で60万円の配当 | 500万円投資した場合
利益の受取方法 | ・3ヶ月に1回配当金として受け取る ・配当金を再投資して元本を増やす |
資料請求・相談 | 無料 |
面談の形式 | オンラインまたは対面 |
運用手法 | SAKUKO VIETNAMへの事業融資 ※設立:2011年 |
公式サイト | ハイクアインターナショナル |
\ フォーム入力1分で無料個別相談を予約 /
プライベートデットファンドについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。

ヘッジファンド

ヘッジファンドとは、集めた投資資金を幅広い金融商品で運用し、その収益を出資者に還元する金融商品です。
通常の投資信託と違うのは、株式や債券だけでなく、外国為替や商品市場、不動産証券など、あらゆる金融商品に投資できる点です。
メリットとして、一般的な投資信託よりも運用上の制約が少なく、機動的な投資判断が可能な点が挙げられるでしょう。
たとえば「上昇する銘柄を買い、下落する銘柄を売る」という両建て戦略や、市場全体が下がっても利益を出せる「空売り」などの技術を活用します。
つまり、相場の上下にかかわらず利益を狙える仕組みがあるため、年10%程度の高いリターンを目指すファンドも存在するのです。
元々はアメリカで生まれ、大手金融機関や超富裕層しか投資できませんでしたが、今では一般の個人投資家向けの商品も登場しています。
日本でも実績ある運用会社が増えてきました。
このため「自分で複雑な投資判断はしたくないけれど、プロの力を借りて強気な運用をしたい」という投資家に適した選択肢といえるでしょう。
ここでは、ヘッジファンドの運用先『アクション』『GFマネジメント』をご紹介します。

運用会社 | アクション合同会社 |
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代表者 | 古橋弘光 |
本社所在地 | 〒105-0001 東京都港区虎ノ門5丁目13−1 虎ノ門40MTビル 7階 |
設立 | 2023年 |
利回り | 25.07% ※2024年4月〜2025年3月 |
最低投資額 | 500万円 |
運用手法・対象 | ・事業への直接投資 ・バリュー株投資 |
相談 | 無料 |
面談の形式 | オンラインまたは対面 |
公式サイト | アクション |
アクションは、バリュー株投資やアクティビスト投資戦略で利回りを追求しているヘッジファンドです。
バリュー株投資は、割安株を選定して投資する戦略。
アクティビスト投資は投資先企業の株式を取得した上で、経営陣に積極的な提言を行い、株式価値の向上を図る手法です。
アクションの運用実績は極めて堅調です。
2024年度は年利25.07%(運用期間2024年4月〜2025年3月)という高い利回りを実現しています。
このような高いパフォーマンスを支えているのが、豊富な資金力と専門的な投資戦略です。
透明性の面でも、役員陣の顔写真、名前、経歴をウェブサイト上で公開するなど、ヘッジファンドとしては珍しい積極的な情報開示を行っています。

投資条件としては、最低投資金額が500万円と、比較的少額から始められる点が特徴です。
出資を検討する場合は、無料のオンライン面談で詳しい説明を受けることができ、その後契約するかどうかを判断できます。
透明性が高く、利回りの高いヘッジファンドに投資したい方はまずは面談でアクションの詳細を聞いてみてはいかがでしょうか。

GFマネジメントは、J-prime戦略によってグローバルに市場規模が広がる圧倒的に優位な日本株に投資するファンドです。
開始以来277%、年間平均成長率29%という実績を持ち、半導体や製薬、機械、精密機器など世界的にもリーダー格の日本企業に厳選投資しています。
運用会社 | GF Management合同会社 |
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代表者 | 田尻 光太朗 |
本社所在地 | 東京都千代田区麹町4丁目5-20 |
設立 | 2023年 |
平均利回り | 年平均29% ※ファンドマネージャーの運用成績 |
最低投資額 | 1,000万円 ※500万円から相談可能 |
運用手法 | 大型日本株でポートフォリオを形成 |
主な投資先 | 大型日本株 |
相談 | 無料 |
面談の形式 | オンラインまたは対面 |
公式サイト | GFマネジメント |
戦略の特徴は、単なる日経平均への分散投資ではなく、競争優位性の高いビジネスモデルと持続的な成長力、キャッシュフロー創出能力に優れた企業のみを選別している点にあります。
また、日本株の割安なバリュエーションと円安の進行も追い風となっているといえるでしょう。
その他のヘッジファンドについては、以下の記事で詳しく解説しています。

よくある質問
ここでは、資産運用会社に関する疑問の中でも、特に多く寄せられる質問をまとめました。
気になるポイントをぜひチェックしてみてください。
海外(世界)の資産運用会社ランキングを知りたい
世界トップ5の資産運用会社は次のとおりです。
世界の資産運用会社トップ5はコチラ。
- 第1位 BlackRock(ブラックロック)
- 第2位 Vanguard Group(バンガード・グループ)
- 第3位 State Street Global(ステート・ストリート・グローバル)
- 第4位 Fiderity Investment(フィデリティ)
- 第5位 Allianz Asset Mqmt(アリアンツ=ピムコ)
その規模の大きさに圧倒されますが、ほとんど米国の企業という事実にも驚きますよね。
まさに世界経済を動かす存在と言っても過言ではありません。
私たちの身近な投資信託にも、こうした巨大な運用会社が関わっていることも多いのです。
運用資産が多い資産運用会社を知りたい
日本の資産運用会社で運用資産が大きく増えた会社は、
- 野村アセットマネジメント(92.3兆円)
- 大和アセットマネジメント(46.3兆円)
- 三菱UFJアセットマネジメント(33.6兆円)
この3つが代表的なところです。
日本の大手金融グループの傘下にある運用会社が中心となっていることがわかります。
それぞれが数十兆円の資産を扱う規模に驚かされます。
気候変動への取り組みを行う日本の資産運用会社を知りたい
昨今、日本の資産運用会社の中には、気候変動への対応を積極的に進める企業が増えています。
以下は、2025年4月に発表された日本の資産運用会社による気候変動対策に取り組む企業ランキングです。国際青年環境NGO「A SEED JAPAN」と「JACSES」によって評価されました。
気候変動に取り組む日本の資産運用会社ランキングは次のとおり。
- アセットマネジメントOne
- 日興アセットマネジメント
- 野村アセットマネジメント
「地球にやさしい会社」として、未来の社会を少しでも良くしようとする企業トップ3は昨年と変わらずでした。
これらの企業はネットゼロ目標の設定や化石燃料投資の制限など、脱炭素社会に向けた取り組みを進めています。
全体的には2030年目標の強化が今後の課題とされているようです。
お金を通じて、環境にやさしい取り組みを後押しすることがまさに今の資産運用の新しいかたちなのかもしれません。
日本の機関投資家ランキングを知りたい
日本の機関投資家のランキングは次のとおりです。
日本の機関投資家トップ5はこちら。
- 第1位 三井住友トラストグループ 約136兆円
- 第2位 三菱UFJフィナンシャル・グループ 約118兆円
- 第3位 日本生命保険相互会社 約89兆円
- 第4位 野村アセットマネジメント 約79兆円
- 第5位 第一生命ホールディングス 約69兆円
ランキングを見ると、どの金融グループが日本の資産運用をけん引しているのかがよくわかります。
名前を聞いたことがある企業ばかりかもしれませんが、これだけの金額を動かしていることに驚いた人も多いのではないでしょうか。
日本の資産運用会社ランキングまとめ
この記事でご紹介した「日本の資産運用会社ランキング」は、ご自身に合った投資先を見つけるヒントになりましたでしょうか。
ランキング上位の運用会社は、多くの実績や信頼を積み重ねてきた企業ばかりで魅力的ですよね。
しかし、資産運用で本当に大切なのは、「どこが人気か」ではなく、「自分にとってどこが合っているか」を見極めることです。
たとえば、野村アセットマネジメントは、商品数の豊富さや情報提供の手厚さに定評があり、投資初心者の方にも安心感のある運用会社です。
また、三菱UFJアセットマネジメントは、先進的なテーマやグローバルな視点を取り入れた商品展開が魅力で、少し積極的に運用していきたい方に向いているかもしれません。
いずれにしても、ご自身のライフプランやリスクのとらえ方に合わせて、無理のないペースで資産形成を進めていくことが、何より大切です。
この記事が、皆さまの「自分らしい投資」を考えるきっかけとなれば幸いです。