持病があると生命保険に入れない?
もし病気で生命保険に加入してもしっかり保障ある?
病気が理由で生命保険の加入に不安を感じる方は多いのではないでしょうか。
保険の申込時に、持病が理由で加入することができなかった経験がある方もいるでしょう。
結論から生命保険はそのような方に対しても、何かしらの制限を設けた上で加入することはできます。
今回は病気(持病)をお持ちの方でも、生命保険に加入することができるポイントや、申し込み時に注意しなければならない点などもいくつか解説していきます。
病気で生命保険に加入することができなければ、将来の医療費や家族への経済的不安が強まる可能性が考えられます。
本記事で生命保険への加入に対する不安を少しでも和らぐことができるはずですので、是非最後までご覧ください。
生命保険は病気をしていると入れない?
生命保険は、持病やケガがあると生命保険には入れないだろうと思われがちです。
しかし、病気の程度にもよりますが、生命保険に加入することは可能です。
ただし、加入するにはいくつかの条件があり、保険会社によっても異なるので注意しておきましょう。
ここでは、持病の方でも生命保険に加入できる種類に限定されること、ならびに加入が難しい持病の一例を紹介します。
病気・ケガをしていても生命保険に入れるが種類は限定されてしまう
生命保険の対象者(被保険者)に持病・ケガがある場合、保障内容に特別な条件が付けられたり、特定した病気にかかった場合に保険金を受け取ることができないなどがあります。
保険会社によって条件は異なりますが、その一例として以下のとおりです。
条件の種類 | 概要 |
特別条件付保険 | 過去に大きな病気をした場合に特別な保障内容や保険料が適用 |
保障の制限 | 特定疾病や特定部位の疾病となった場合は不担保 |
保険金の削減 | 契約から一定期間内に特定疾病にかかった場合に保険金が削減 |
告知項目の増加 | 加入時に告知を行うべき項目が増加 |
特約の追加 | 特定疾病に関する保障が提供され保険料が変動 |
保険会社のWebサイトや、保険代理店でアドバイスしてもらうなど、商品内容や条件を理解し、自身の現状に合った保険商品を選ぶことが大切です。
生命保険・医療保険に入りにくい持病(病気)の一例
生命保険に加入することが難しい持病については、病気の種類や保険会社ごとにより取り扱いが異なります。
下表に表示されている病名で過去5年以内に診察や検査、治療、投薬を受けたことがある場合は、加入が難しくなります。
部位・病気の分類 | 病名など |
心臓 | 狭心症/心筋こうそく/心筋症/大動脈りゅう/弁膜症 等 |
脳・精神・神経 | 脳内出血/脳こうそく/くも膜下出血/統合失調症/うつ病/ パニック障害/自律神経失調症/パーキンソン病/ アルコール依存症/認知症 等 |
肺・気管支 | 慢性気管支炎/肺気腫/肺結核 等 |
胃腸・すい臓 | 胃かいよう/十二指腸かいよう/すい炎/腸へいそく 等 |
肝臓・胆のう・腎臓 | 慢性腎臓病/急性肝炎/肝硬変 等 |
がん・腫瘍 | がん(上皮内新生物を含む)/肉腫/白血病 等 |
女性特有の病気 | 子宮筋腫/子宮内膜症/卵巣のう腫 等 |
その他 | 糖尿病 等 |
告知書や審査内容については、取り扱い保険会社によって異なります。
そのため病気や怪我があって保険に加入れるか心配な方は、保険会社もしくは最寄りの保険代理店に相談してみましょう。
病気・怪我があっても入れる保険の種類を紹介!
ここでは、病気やケガがあっても入れる保険の種類について紹介いたします。
- 特別条件付きで生命保険に加入できる方法
- 告知不要な無選択型保険
- 少額短期保険
- 加入条件が緩和される引受基準緩和型保険
それぞれ詳しく解説しているので参考にしてみてください。
特別条件付きで生命保険に加入できる方法
特別条件付き生命保険とは、特定疾病や特定部位による疾病の場合に保障が制限されたり、保険金が削減される保険を指します。
例えば、特定された疾病について保険金を受け取ることができない条件や、一定期間の保険金を削減したりなど、特別な条件付きで保障を提供することです。
特別条件付きの生命保険の種類についてさらに詳しく解説していきます。
特定疾病・特定部位不担保法
「特定疾病不担保法」および「特定部位不担保法」は、保険会社が一定期間内に特定の疾病や部位に関連した入院や手術を保障しないことを言います。
医療保険に加入した際に「乳がん」を特定疾病として不担保期間を3年とした場合、例えば加入から2年後に乳がんを発症すると保険金を受け取ることができません。
しかし、不担保期間を経過した後に乳がんを発症した場合は、保険金を受け取ることができます。
特定疾病不担保と特定部位不担保の違いについては、たとえば特定疾病が心臓病とした場合は、心臓全般に関連する治療が保障対象外です。
一方で、特定部位不担保だと心臓病を引き起こした部位のみの不担保となります。
これらの内容は保険会社や商品内容によって異なるため、自分の状況に合った商品選択が必要です。
保険金削減方法
保険金削減方法とは、保険会社が定めた削減期間(5年以下)内に保険金を支払う場合、保険金額に削減期間内に応じた割合に乗じた金額を支払います。
削減割合は、保険会社によって異なりますが以下のイメージです。
たとえば、死亡保険金1,000万円、削減期間2年を契約したケースを想定。
加入して2年目に死亡した場合は600万円を受け取ることができますが、加入してから最大5年経過をすれば100%保険金を受け取ることができます。
特別保険料徴収法
特別保険料徴収法は、危険度合いにより保険会社が定めた「特別保険料」を普通保険料に加えて払い込むことを言います。
なお、保障内容は通常の保障内容と同じですが、特別保険料に対する解約返戻金はありません。
告知不要な無選択型保険
無選択型保険は、保険申込時による告知や診察がないため、持病を持つ方でも無条件で申し込みすることができます。
取扱保険会社は限られ、死亡保険や医療保険による無選択型保険を取り扱っています。
ただし、通常の生命保険料よりも割高である点には注意。
無選択型保険は、告知や診査に引っかかるせいで他の保険に入れない方でも、安心して加入することができます。
少額短期保険
少額短期保険は、1被保険者に対し引き受けることができる保険金額や契約期間の上限が定められています。
生命保険の種類に応じた保険金額や契約期間は以下のとおりです。
保険種類 | 1被保険者の保険金額上限 | 保険期間の上限 |
死亡保険 | 300万円以下 | 生命保険 傷害疾病保険:1年以内 |
医療保険 (傷害疾病保険) | 80万円以下 | |
疾病等を原因とする 重度障害保険 | 300万円以下 | |
傷害を原因とする 特定重度障害保険 | 600万円以下 |
参考:一般社団法人 日本少額短期保険協会「少額短期保険 ガイドブック 2022」より抜粋
保険金額や保険期間に上限が設定されていますが、通常の生命保険よりも割安で加入することが特徴です。
また、通常の保険にはない保障が販売されているため、自分自身のリスクに合わせた保障を手に入れることができます。
少額短期保険でも持病で引受基準が緩和される「引受基準緩和型」や告知項目が少ない「限定告知型」もあるため、加入しやすくなっています。
加入条件が緩和される引受基準緩和型保険
引受基準緩和型保険は、持病・怪我がるある方や、過去の病歴があっても保険の引き受け基準を緩やかにし、加入しやすい保険です。
通常の生命保険よりも少ない告知内容となっており、その項目はだいたい2〜5項目ぐらいに限られます。
告知内容は保険会社によって異なり、一例として引受基準緩和型保険の告知書は以下のような内容です。
- 3カ月以内に医師から入院・手術をすすめられた
- 1年以内に入院・手術をした
- 5年以内にがん・肝硬変を診断し治療をした
告知内容に該当するものがなければ加入することができます。
保険料は通常の生命保険よりも割高ですが、無選択型保険よりは割安です。
引受基準緩和型保険であれば、保険会社による審査が通らなかった方や部位不担保の条件となった方でも加入することができる保険になります。
病気を抱える人が生命保険を選ぶ5つのポイント
病気・怪我を抱えている方は、実際に治療費などの影響を経験しているため、生命保険に加入することはとても大切なことであることを認識されていることでしょう。
ここでは、病気・怪我を抱えている生命保険に加入する際のポイントを解説していきます。
- 支払削減期間の有無を確認
- 保険期間は適切か確認
- 本当に必要な保険金や保障を得られるか確認
- 病気を告知する内容の確認
- 契約可能な年齢上限を確認
それぞれ詳しく説明していきます。
支払削減期間の有無を確認
先述のように、持病の方で生命保険に加入する方法として「支払削減期間」があります。
加入する際には支払削減期間の有無や、その内容を確認することが重要です。
保険商品に支払削減期間が設けられている理由で、保険金を満額で受け取ることができずに本来の保障が受けられない可能性があります。
また、保険会社や商品によって異なるため、保障内容を確認したうえで生命保険に加入するようにしましょう。
保険期間は適切か確認
保険期間とは、保障の開始から終了までの期間を指し、タイプは「定期型」と「終身型」の2つがあります。
定期型は一定期間や特定の年齢まで保障が継続しますが、保険期間の終了時に保障内容をそのままで更新した場合、保険料が上昇します。
一方、終身型は一生涯保障し保険料も変動することはありませんが、定期型に比べると保険料は割高です。
例えば、子どもの成長やライフイベントなどを考慮するならば定期型を選び、これからの健康上のリスクのことを考えて長期間の保障を確保した場合は終身型を選びます。
保険期間を選ぶ際には、自分自身の状況や希望に合わせて選択することが重要です。
本当に必要な保険金や保障を得られるか確認
自分自身のニーズと状況に合わせて、どのタイミングやどの程度の保障が必要かを考慮し、過不足のない生命保険を選びましょう。
特に持病の方は「加入できるならそれでいい」という感じで商品を選びがちですが、本当に必要な時に十分な保障を受けるかが大切です。
必要な保険金や保障が得ることができるかをしっかり検討してください。
病気を告知する内容の確認
先述しているように告知する内容は保険会社によって異なります。
持病や薬の服用、健康診断結果などの情報をもとに、保険申込書に記載されている告知項目を事前に確認しておきましょう。
告知は正確に行う必要があり、事実と異なる告知をした場合には保険契約が無効になったり、保険金を受け取れない場合があります。
保険会社や商品によって告知項目や引受基準が異なるため、告知書の内容をよく確認しておくことが大切です。
契約可能な年齢上限を確認
生命保険には加入年齢の上限があるため、加入を考えているものの年齢制限で入れないこともあります。
生命保険は年齢が上がれば上がるほど保険料が高くなることになるため、早めに検討しておくことがおすすめです。
多くの保険商品は加入年齢に上限が設けられているため、加入を検討する際には、必ず年齢条件を確認しましょう。
病気でも生命保険に加入する際の注意点
病気・持病がある方でも、生命保険を選ぶ際の注意点について解説していきます。
- 虚偽の告知内容をしない
- 特約を付帯すると告知項目が増える
それぞれ詳しく紹介しているので参考にしてください。
虚偽の告知内容をしない
保険に加入したい意向があっても、虚偽の告知を行うことは避けましょう。
ウソが見破られ、最悪の場合には保険金を受け取ることができなくなる場合があります。
持病があっても加入できる商品はあるため、健康状態や既往歴について正直に告知することが大切です。
生命保険に加入する際には、必ず保険会社に正しい情報を提供してください。
特約を付帯すると告知項目が増える
生命保険に特約を追加することで告知項目が増える場合があります。
例えば、引受基準緩和型の保険であれば告知が通常2〜5項目だったのが、特約を増やすことで告知項目がさらに増えるということです。
保険会社によって商品内容や告知内容が異なるため、特約を検討する場合には、別の保険会社で同様の保障が提供される保険商品があるか確認することがおすすめです。
生命保険に関するよくある質問
生命保険に関するよくある質問を取り上げます。
- 生命保険・死亡保険の加入可否に関係ない病気はありますか?
- 持病や難病がある人におすすめな保険の選び方は?
- 病気やケガに備える生命保険にはどんな種類がある?
それぞれ回答してるので、保険加入を検討している方は事前に把握しておきましょう。
生命保険・死亡保険の加入可否に関係ない病気はありますか?
生命保険の加入に関係ない病気とは、保険契約の審査や保障内容に影響を与えない病気を指します。
保険会社によって異なりますが、一般的に加入に影響を与えないとされる病気の一例として下記のとおりです。
- 一般的な風邪やインフルエンザなどの軽度の感染症
- 軽度のアレルギー症状や季節的なアレルギー
- 軽度の皮膚疾患
- 軽度の胃腸のトラブルや一般的な消化器疾患
ただし、これらの病気でも保険会社によって引き受けの制限を受ける場合があるため、保険会社もしくは最寄りの保険代理店に相談することをおすすめします。
持病や難病がある人におすすめな保険の選び方は?
まず、持病や難病、ケガを抱えている人が加入できる保険商品は限られるため、自分のニーズに適した商品を見極めることをおすすめします。
近年、多くの保険代理店は複数の保険会社を取り扱っており、数多くの商品の中から持病の方に向けた商品を提案してくれます。
このことにより、自分に合った保険商品を容易に見つけることが可能です。
病気やケガに備える生命保険にはどんな種類がある?
持病の方が病気やケガに備える生命保険の種類は大きく分けて4つあります。
- 一般の生命保険に特別条件を加えた「特別条件付き生命保険」
- 告知不要の「無選択型生命保険」
- 加入条件が緩和の「引受基準緩和型生命保険」
- 少額の保険金額で期間1年の「少額短期保険」
また、特別条件付き生命保険の加入方法は3つに分けられます。
- 特定疾病、特定部位は保障されない「特定疾病・特定部位不担保法」
- 加入してから最大5年間は保険金が削減される「保険金削減法」
- 一般の保障内容に割増保険料を徴収する「特別保険料徴収法」
特別条件は保険会社によって異なり、保険を引き受ける条件として提示されるものです。
無選択型生命保険は告知や診査が不要なため、持病の方でも安心して保険に加入することができます。
引受基準緩和型生命保険は告知項目が少なく、すべて該当しない場合に加入することができる保険です。
少額短期保険は一般の生命保険より幅広く保障がカバーされており、持病の方は「告知限定型」や「引受基準緩和型」を付帯して加入することができます。
まとめ
今回は、病気があっても生命保険に入る方法や選び方などについて徹底解説いたしました。
病気を抱える方は「保険会社に断られないか」「保険料が高くならないか」などしっかり保障が受けられるか不安に気持ちになるものです。
しかし、実際には持病の方でも生命保険に加入することはでき、取扱い基準は保険会社によって異なります。
持病・ケガがあるからと諦めるのではなく、保険会社もしくは最寄りの保険代理店に相談に乗ってもらうことで選択肢が提示されることでしょう。
持病・ケガをのある方も、これからの安心のために、この機会に生命保険を再度検討してみてはいかがでしょうか。