テクノロジーは日々進化し続け、世界中で多くの起業家や技術者がより便利な世の中を目指して様々なサービスやプロダクトを作り出しています。
今回、2017年の設立以降、業界の最前線で新たな価値を生み出し続けている注目のテクノロジー企業、株式会社ゼロフィールド様にインタビューする機会を頂き、事業内容や今後の展望、面接におけるアドバイスなど、非常に興味深いお話を伺いました。
平嶋 遥介 / Yosuke Hirashima
株式会社ゼロフィールド CEO
【プロフィール】
上智大学理工学部情報理工科、上智大学院理工学研究科卒業後、NTT データに入社後、銀行向け勘定系共同センターへの機能追加・開発などを担当。2017年に株式会社ゼロフィールドを創業し、暗号資産関係のビジネスを展開。金融系システムやブロックチェーン関連の深い知識と豊富な経験を有しており、CTOとして開発チームを牽引しながらも、経営者として成長の道を歩む。
2023年8月より代表取締役CEOに就任。
事業概念
クリックアンドペイ(以下KL):まず、ゼロフィールド様の事業概念についてお聞かせいただけますか?
平嶋氏:弊社の事業内容は、主に「高性能パソコン事業」となっております。具体的には暗号資産のマイニングに使用されるGPUマシンやASICと呼ばれる専用マシンを販売し、当社のデータセンターでそれらを管理するというワンストップサービスの提供です。お客様は機器の購入から管理、メンテナンスまで一貫してサポートを受けることができます。現在こちらがメインで行っている事業となります。
さらに、新たな事業として自社開発のコンテナ型データセンターの販売や、GPUサーバー事業の展開にも力を入れています。最近のプレスリリースでも発表させていただきましたが、AI活用や3Dレンダリングにも対応可能なHPC(高性能計算)レベルのGPUサーバーの販売も行っており、事業の幅を広げています。
マイニングとは?
KL: 事業内容のコアの一つであるマイニングについて、改めて簡単に説明していただいてもよろしいでしょうか?
平嶋氏:円などの法定通貨においては、中央銀行、例えば日本銀行が紙幣を発行し、メガバンクなどの銀行各社が取引を処理し、送金には手数料が発生します。これに対し、ビットコインの取引の処理や新規通貨の発行を誰でも行うことができ、その報酬として手数料のビットコインを受け取ります。このプロセスをマイニングといいます。
マイニングを行う人は法定通貨でいうところの銀行と同様の役割を果たしているということになります。取引や通貨発行が中央管理型の銀行システムと違い自律的に行われるのがビットコインの画期的な点であり、それを可能にしているシステムのひとつがマイニングということになります。
一貫したサービス提供
KL: ゼロフィールド様が他社と比べて優れている点、また強みについてお聞かせください。
平嶋氏:弊社の大きな特徴の一つは、エンジニアの割合が非常に高い点です。弊社にはハードウェア、インフラ、ソフトウェアなど、様々な分野のエンジニアが在籍しており、これにより一貫したサービス提供を可能にしています。
多くの企業だと、ハードウェアは商社等の他会社から調達、ソフトウェアはウェブ系の開発やデータセンター運営を外部委託することが多いと思いますしかし、弊社ではデータセンターの運営、ハードウェアの調達、カスタマイズやメンテナンス、「ゼロチェッカー」と呼ばれるお客様用の管理用システムの開発等、全て自社で行っており、その点が他社にはない強みであると考えております。
スキルや経験よりもマインドセットを重視
KL: エンジニアの方が多く在籍されているということですが、その中には業界経験者も多いのでしょうか?
平嶋氏:業界自体が非常に狭いため、暗号資産やブロックチェーン、AIといった分野の経験者は市場に非常に少ないのが現状です。私自身、過去に銀行のシステム開発を経験したことがありますが、入社前から業界経験があったものは現在30名ほどいる社員の中のほんの2〜3名です。ほとんどの社員は入社後に学んでいただく形で進めています。
KL: なるほど。業界経験がない方が多いとなると、採用人材には何を重視されているのでしょうか?
平嶋氏:業界経験があればもちろん歓迎ですが、むしろ重要視しているのは、組織に積極的に関わり、どのポジションでも主体的に動いていただける方かどうかという点です。ゼロフィールドでは今年の初めに企業のバリューを一新し、その内の一つとして「勇者マインド」というものを掲げています。勇者のように、自分で責任を持って業務やプロジェクトをリードしていこう、といった意味です。スキルよりもマインドが最優先というスタンスになります。
現状新卒採用は行っておりませんが、グループ会社のトリプルアイズ社(https://www.3-ize.jp/)では新卒採用を行っておりますので、興味がある方はそちらに応募していただければ、当社とで進めている共同プロジェクトもありますし、オフィスも同じフロアになるので、当社の業務にも関わってもらえる可能性はあります。
KL: 組織のために貢献できる人材かどうかという点を主に見られているということですね。
平嶋氏:そうですね。
AI関連事業にも力を入れて展開
KL: 今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか。
平嶋氏:現在、ハードウェアとソフトウェアの融合、両軸からのサポートを可能にするサービス開発を進めており、その一環として今月初めに新たに技術顧問を登用しました。
これまでは主にデータセンターや暗号資産に関連するビジネスを中心に展開してきました。それらの事業を強化していくとともに、今後はAI関連のインフラや付随する開発にも注力していく方針です。現在はAI向けGPUサーバーの展開なども行っています。AI方面に強いトリプルアイズグループに参入したことも後押しになり、ブロックチェーン領域からAIインフラへと事業を広げ、同等の規模にまで成長させることが目標です。
面接においても意欲的な姿勢を大事に
KL: 最後に、現在就職活動中の方に向けてアドバイスをお願いします。
平嶋氏:エンジニア向けの話ですが、エンジニアの方と面接をしていて感じるのは、営業職等の方に比べて、履歴書や職務経歴書、プロフィールの量が少なかったり、アピールが弱いケースが非常に多いということです。「この経験は書いても仕方ない」「他の人もやっていることだから」と自己判断せず、客観的な視点も取り入れながら、自信の経験や強みをアピールしていただけると、面接する側としてもよりよい印象になると思います。
最後になりますが、弊社はエンジニアにとって非常に魅力的なな環境を提供できていると考えております。最先端分野のテクノロジーに触れる機会が多く、また活発に交流しているトリプルアイズ社にもAIの分野に精通したエンジニアが多く在籍しています。我々の掲げるミッション、ビジョン、バリューに共感していただける方、共に成長していける方のご応募をお待ちしております。