先週1週間の市況概況(2025/06/23–06/29)
日付 | 出来事 | 主な影響 |
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6/25 | 日銀6月会合サマリー公表 | 利上げ慎重姿勢が確認され、 円買い限定的 |
6/26 | トランプ大統領が パウエル議長交代を示唆 | FRB独立性懸念でドル全面安、 EUR/USDは1.17台へ |
6/27 | 米5月PCEデフレータ発表 | インフレ鈍化と消費減速で 年内利下げ期待上昇 |
6/27 | USD/JPYが 再度148円突破に失敗 | テクニカル要因で 144円半ばまで急落 |
6/28 | ユーロ圏インフレ2%目前 | ユーロ買い優勢 対ドルで4年ぶり高値圏 |
先週(6/23–29)の外国為替市場では米ドル売りが優勢となり、USD/JPYは週初146円台から一時144円前半へ、EUR/USDは1.15台後半から1.17台へ上伸。
トランプ大統領がFRBのパウエル議長交代を示唆したことで米金融政策の独立性への懸念が再燃し、米長期金利が低下したことが主因である。
特にUSD/JPYは148円台で二度目のブレイクに失敗し、短期筋の損切りを巻き込みながら下押し圧力が強まった。
週後半の米5月PCEデフレータは前年比+2.3%と想定内だったが、個人消費の減速が確認され、年内利下げを織り込む動きが加速。
一方、日銀サマリーでは追加利上げに慎重な委員が多く、国内10年債利回りは0.79%近辺で頭打ちとなり円買いは限定的だった。欧州ではインフレ率が2%目前まで鈍化し、ユーロは対ドルで相対的な妙味を増した。
投資家は「ドル軟・ユーロ堅・円保ち合い」という構図を意識し始めている。
USD/JPYは145円台後半がレジスタンス、144円割れが短期サポート。EUR/USDは1.1750超えで次の節目1.18を視野に入れる。
イベント・リスク前のポジション調整が入りやすい局面では過度な追随を避け、ヘッジを組み合わせた分散エントリーが有効と考えられる。

(2025/06/30)

(2025/06/30)
今週1週間のポイント(2025/06/30–07/06)
日付 | 出来事 | 注目点 |
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7/01 | ユーロ圏6月速報CPI | 2%超ならECB追加 利下げ観測後退 |
7/01 | 米ISM製造業景況指数 (6月) | 50割れ継続で 景気減速懸念・ドル売り要因 |
7/02 | FOMC議事要旨 (6月会合) | 年内利下げ時期を探るヒント |
7/03 | 米6月雇用統計 (前倒し) | 平均時給鈍化なら 金利低下・USD/JPY下押し |
7/01–03 | ECBシントラ・フォーラム | 主要中銀総裁発言で ボラティリティ上昇 |
今週(6/30–7/6)は月初恒例のビッグイベントが集中する。
7/1のユーロ圏速報CPIが2%を上回ればEUR高要因となり、米ISM製造業指数の50割れ継続はドル売りを誘発しやすい。
さらに7/3に前倒しで発表される米6月雇用統計では平均時給の伸びが焦点となるほか、祝日に伴う薄商いのNY市場ではヘッドラインに反応した瞬発的な値動きが拡大しやすく、ストップ設定位置にも注意が必要だ。
ECBシントラ会議やFOMC議事要旨が重なることで、主要通貨はイベントドリブンの高ボラティリティ相場となりそうだ。
出典元
- Dollar slips on Fed credibility concerns ‐ Reuters (2025/06/26)
- U.S. reports benign PCE inflation in May ‐ Reuters (2025/06/27)
- BOJ board divided over rate pause ‐ Reuters (2025/06/25)
- Take Five: Half-time for markets ‐ Reuters (2025/06/27)
- Euro area inflation schedule ‐ Eurostat (2025/06/30)
本資料は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。