先週1週間の市況概況(2025/07/28–08/03)
日付 | 出来事 | 主な影響 |
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07/30 | FOMC 金利据え置き(4.25–4.50%) | タカ派スタンスで一時ドル買い |
07/31 | 日銀 政策金利0.50%維持・物価見通し上方修正 | 円売り抑制、追加利上げ観測残存 |
07/31 | ユーロ圏7月HICP速報 +2.0% | 追加緩和観測後退しユーロ堅調 |
08/01 | 米7月NFP +7.3万人・失業率4.2% | 利下げ織り込み急拡大、ドル急落 |
07/31 | 米新規失業保険申請 21.8万件 | 労働市場の粘着力示唆 |
先週のドル相場は、週半ばまでは米FOMCが政策金利を据え置きつつも「データ次第」と強気なトーンを維持したことでドル高が先行した。しかし週末の米7月雇用統計が大幅な下振れとなり、過去月も▲25.8万人分下方修正されたことで9月利下げ観測が80%超へ急拡大し、ドル指数は2週ぶり安値まで反落。
USD/JPYは149円手前で失速後、米2年債利回りの急低下を受けて146.20円まで約3円調整し週間では▲1.7%の円高。日銀は政策据え置きと同時に24年度CPI見通しを+2.4%へ引き上げ、基調インフレ次第で追加利上げの可能性を示唆したため、円売りの戻り余地は限定された。
ユーロ圏では7月HICP速報値が前年比+2.0%と目標付近で横ばい。ECBは7月会合で利下げサイクルを一旦停止しており、追加緩和観測が後退したことでEUR/USDは1.10台を回復し週末は1.1030近辺で引けた。
FX投資への示唆としては、米利下げ織り込みの再拡大でドルの戻り売りが続きやすい。USD/JPYは148円台が上値抵抗、145円前半が目先サポート。EUR/USDは1.11台定着で2024年高値1.13台を試す余地があり、ドル高一本ではない環境下で通貨分散とオプションを活用したリスク限定戦略が有効となり得る。

(2025/08/04)

(2025/08/04)
今週1週間のポイント(2025/08/04–08/10)
日付 | 出来事 | 注目点 |
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08/05 | 米ISM非製造業景況指数(7月) | サービス業の景気モメンタム確認 |
08/05 | 米貿易収支(6月) | 関税の実体経済への影響 |
08/06 | 独製造業新規受注(6月) | ユーロ圏景気底入れの手掛かり |
08/07 | BOE金融政策委員会 | 0.25%追加利下げか据え置きか |
08/07 | 米新規失業保険申請 | 雇用鈍化が継続するか |
今週は米サービス業PMIや貿易収支など、実体経済指標がドルのリバウンド余地を測る材料になる。サービス業が拡大域を維持すればドル買い戻しもあり得るが、弱ければ9月利下げ観測が一段と強まりドル売り再開要因となる。EU・独指標は景気底打ちの兆しを示せるかが焦点だ。
USD/JPYは米指標に連動しつつも、日銀タカ派シフトの思惑が下支えする構図。上値は200日移動平均の148円付近、下値は6月安値145円前半を意識。短期的なオプション・バリアの所在にも注意したい。
EUR/USDはドイツ受注やBOEのスタンス次第で1.10台前半を挟んだ神経質な値動きが想定される。BOEが想定以上に緩和的なら相対的にユーロ優位となり1.11台を試す可能性も。反対に米指標が強くドルが買い戻されれば1.0950近辺まで押し戻されるシナリオを警戒。
出来高が細る夏枯れ相場でボラティリティは跳ねやすい。主要通貨はレジスタンス・サポートが明確なレンジ相場が続くと想定され、短期トレードはストップをタイトに設定し、イベントドリブンでの急変動に備える必要がある。
出典元
- Fed leaves rates steady despite Trump pressure
- US July Non-Farm Payrolls disappoint
- BOJ holds rates, raises inflation forecast
- Eurostat – Euro area flash inflation July 2025
- BoE faces split ahead of August meeting
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