FXマーケットレポート(2025/07/14)

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先週1週間の市況概況(2025/07/07–07/13)

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日付出来事主な影響
07/08米政権が対日・対EU関税30%引き上げ方針安全資産志向とドル買いでUSD/JPY一時162円台
07/09FOMC 6月議事要旨公表早期利下げ示唆で米金利低下、ドル軟化
07/10ウォラー理事「年内にQT停止を検討」発言ドルインデックス続落、株高も円売り限定
07/11ECBシュナーベル氏「追加利下げのハードル高い」EUR買い戻しでEUR/USD1.10回復
07/13独財務相「EUは対抗関税準備」貿易摩擦長期化観測で円買い、クロス円軟調

週初はトランプ政権による関税再引き上げ方針が伝わり、リスク回避とドル高期待が交錯した。

USD/JPYは米長期金利の底堅さを背景に162円台へ急伸したが、タリフ警戒による株安が進むと資金は米債と円にも振れ、週末は160円台前半へ収束。

9日公表のFOMC議事要旨では「物価と賃金が一段と減速すれば早期利下げも検討」との記述が目立ち、米2年債利回りは週で16bp低下。

10日のウォラー理事講演でも「年内にQTを停止し得る」と述べ、ドルインデックスは週足で-0.4%。さらにホワイトハウスがパウエル議長を批判したとの報道もドル売りを誘った。

一方、11日のシュナーベルECB専務理事は「追加利下げのハードルは極めて高い」と発言しユーロ買いが優勢となった。

同日以降もEU側の強硬姿勢が伝わり、EUR/USDは1.10台を回復。原油高を伴う中東情勢緊迫で資源国通貨は底堅かったが、クロス円では利益確定売りが優勢となった。

政策スタンスの乖離と関税ヘッドラインの綱引きでボラティリティ上昇が続く。
ドル円163円・ユーロドル1.12は上値抵抗、ドル円158円・ユーロドル1.08は下値支持とみて逆張りを基本とし、オプションを活用したストラドルでリスク限定を図りたい。

USDJPY 1時間足チャート
(2025/07/14)
USDJPY 1時間足チャート
(2025/07/14)
EURUSD 1時間足チャート
(2025/07/14)
EURUSD 1時間足チャート
(2025/07/14)

今週1週間のポイント(2025/07/14–07/20)

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日付出来事注目点
07/14EU臨時貿易相会合関税交渉進展か決裂か—リスクオン/オフ分岐
07/15米6月CPI上振れなら9月利下げ観測後退でドル高リスク
07/16米6月PPI企業マージン動向を通じて金利・ドルに影響
07/17米6月小売売上高消費の底堅さ確認ならドル買い強まる恐れ
07/18日本6月全国CPI物価鈍化で日銀追加利上げ観測後退か

今週は米インフレ指標が集中し、ドル主導のトレンド形成が想定される。

15日のCPIは総合前年比+3.1%への再加速が予想され、実質賃金伸び率にも注目が集まる。上振れの場合、9月利下げ確率が低下しUSD/JPYが163円台を試すシナリオを警戒。

16日のPPIがCPIと足並みを揃えれば企業マージン改善期待から米長期金利が持ち直す余地がある一方、下振れなら4%割れまで低下し株高を通じた円売りがドル円を支える可能性もあり、17日の小売売上高が堅調ならドル高を後押しする可能性も。

18日の日本CPIはコア3.3%へ鈍化予想だが、エネルギー上振れなら金融正常化議論が再燃し円高抑制要因となり得る。

ドル円1カ月IVは10%台後半へ上昇しており、イベントドリブンの短期スパイクに注意したい。

14日のEU会合で関税協議が前進すればリスクオンで円安が加速し得るが、決裂すれば安全資産買いでドル円・クロス円が反落し得る。ボラティリティ急変時は流動性低下によるヒゲを警戒し、指標発表前後のアルゴ急変動には逆指値で臨みたい。

CPIと貿易交渉がレンジを決定づける。ドル円は163円超で介入警戒、160円割れではショートカバー。ユーロドルは1.10–1.12のブレイク方向を見極め、イベント前にポジションを軽くする戦略が妥当。

出典元

本資料は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

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